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【比較から考える日中の教育と子育て】 第8回 北京の大学生・大学院生から見た「日本の教育」のイメージ

渡辺 忠温(中国人民大学教育学院博士後)

2014年5月23日掲載

要旨:

本稿では、北京市内の二つの大学の学部生と修士課程の大学院生を対象に「日本の教育についてのイメージ」を調査し、その結果を分析した。北京の学生たちの回答からは、彼らの日本の教育についてのイメージだけではなく、中国の教育が抱える問題や教育において重視されることがらを見ることができた。
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1 中国の学生の日本の教育に対する関心の所在

中国で生活している日本人として、筆者は「日本」について説明を求められることが多い。特に、教育について研究している研究者となれば、日本の教育の現状について質問されることも多い。たとえ短い時間であっても、できるだけ中国の人たちに日本のことを理解して欲しいと思うので、できれば中国の人たちが知らないことや知りたいこと、興味をもってもらえそうなことを中心に説明できれば、と思うのだが、これがなかなか難しい。そもそも、彼らがどのようなことについて知りたいと思い、どのようなことについて興味を持つのかについては、日本人である筆者の理解とはズレる可能性も大きいだろう。

単純に説明の場数を踏んでいけば、そうしたポイントがわかるようになるのかといえば、そうとも限らないと思われる。たとえば、筆者が中国のある学会で発表していた時に、発表が終わって、質疑応答の時間になった時、発表を聞いていたある参加者が挙手し、筆者に「私たちは日本の状況についてよく知らない。日本の教育の現状について教えてもらえないか」と質問した。しかし5分程度の質疑応答の時間で日本の教育の現状全体を語るのは難しく、途方にくれた(もちろんこうした場合に中国では「5分」に厳密にこだわる必要もないのだが)。つまり、質問の範囲が広すぎて、どういう事が知りたいのか分からず、あまりその後の参考にならないのである。そういう場合、仕方がないので「特にどういった部分について知りたいですか」と質問はしてみるものの、そういった場合たいてい質問者も特にこれといって明確なポイントがあるわけではないことも多い。また、上記のようなあいまいな質問をされた時に、こちらの方で考えてポイントをしぼって説明すると、「知りたいことはそういうことじゃないんだけどな」という感じでがっかりした顔をされることも多い。結果的に、「どういうことが知りたいんだろう?」という部分についてはわからずじまいなのである。

そのため、何か資料があれば、発表や説明の場に臨む前に、ある程度「中国人が関心を持つところ」を調べて知っておきたい、とは思うのだが、日本の教育について、中国人がどのようなイメージを持ち、どのような点に関心を持っているのかについては、参考になる資料は決して多くない。たとえば「日本(人)のイメージ」についてはたしかに多くの先行研究や大規模な調査がある(片桐,2002;見城・三村,2010;言論NPO,2013;黄,2007;白木,2000;中国社会科学院日本研究所,2006;陳,2006;日本青少年研究所,2012;喻,1997;盧,2002)。しかし、当たり前のことかもしれないが、そうした「日本(人)に対するイメージ」についての調査結果の中に、教育に関する内容が現れることは少ない。

そこで、本稿では、筆者が北京の大学での講義の際に行った簡単なアンケート調査の結果をもとに、中国人の日本の教育に対するイメージについて考えてみたい。調査した学生の数も少なく、またどちらかといえば教育に関心があり、国際的な教育の動向についても関心が高い学生が多いため、中国の一般的な学生の傾向とは言い難いが、それでも参考になる部分は多いと思われる。

2 北京の大学生・大学院生の「日本の教育」に対するイメージ

中国の大学で日本の教育について講義をする際に、筆者は毎回講義の前にアンケート用紙を配布して、講義についての感想や改善すべき点などについて質問するようにしている。ひとつは自分の講義の内容が果たして学生の興味をひく内容だったのか、またどういう部分に特に興味を持ったかについて知りたいし、また「他にこういったことが知りたい」というものがあれば、それは次回からの講義の参考になると思うからである。その際に、筆者の講義を受ける前の「日本の教育についての印象」、「日本の教育について知っていること、見たことがある印象深い事柄など」についても聞いている。

現在のところ、北京市内にある二つの大学の学部生と大学院生(修士課程)合わせて71人の回答が集まっている。そのうち学部生の中には実際に教師の経験がある、あるいは在職中の教師が含まれており、また大学院生は教育学を専攻する大学院生である。比較教育学の講義であることを考えても、全体的に、一般的な中国の大学生、大学院生に比べれば、日本の教育について関心がある学生が多い、と見ていいだろう。そのうち、筆者が講義の中で話した内容をそのまま書いている回答14名分は除外し(筆者が知りたいのは講義前のイメージなので)、57名について彼らの持つ「日本の教育に対するイメージ」がどのようなものなのか整理してみた(うち4名の回答の中には回答の一部に筆者が話した内容も含まれていたが、その部分については分析に入れず、筆者が話していない内容についての部分のみ分析対象とした)。分析方法は、回答の中の意味のまとまり(話題)ごとに、その内容を反映したラベル付けを行い(たとえば日本の制服のきれいさについて書かれた回答内容があれば、その部分について「制服がきれい」というラベル付けを行う)、ラベル付けしたもののうち内容的に似通ったものを合わせてひとつのカテゴリーとしてまとめていった。(たとえば、「制服がきれい」と「制服が統一されている」というラベルがあれば「制服について」というカテゴリーにまとめあげる。従って、以下の結果の中に出てくる「カテゴリー」は、そういったことがらについて書くように筆者が質問したのではなく、筆者が回答の内容をみて分類したものである)。ひとりの学生の回答の中にいくつかに分かれて同じ内容が書かれていることもあるが、以下の分析では延べ人数として「何人の人が言及したか」について集計してある。

「カテゴリー」をさらにいくつかに分類したうえで、それぞれについて結果を見ると、回答のうち日本の教育について知る際の「情報源」に関することがらについては57名のうち13名が回答していた。そのうち最も多かったのが「アニメ・マンガから」であり(6人)、小説などの書籍から情報を得ている人も多く(5人)、「テレビから」や「ドラマから」といった回答もいる(それぞれ3人、2人)。アニメやドラマについて、具体的に挙げられていた作品には「GTO」、「ドラえもん」、「クローズ」、「ごくせん」がある。また、小説については「窓ぎわのトットちゃん」について言及する学生が多かったが、これはある講義でゲストとして一回の講義を担当した場合に、その講義全体の担当の先生が講義の中で扱われたのかもしれない。また、その他に湊かなえさんの「花の鎖」という作品を挙げている学生もいた。

日常、中国の学生と接している印象からすれば、おそらく実際には大学の講義などで日本の教育について情報を得ることのほうが多いのだと思われるが(つまり、回答として書かなかっただけ)、それでも「大学の授業から」が2人、その他については1人ずつしかいなかったことを考えると、日本の教育について日本のメディア、特に創作作品から情報を得ることは多いようである *1。これについては、李(2006)などの調査結果でも、「日本人認識の情報源」として日本製のアニメやマンガ、ドラマといったものは利用率が非常に高く、そうした結果と一致していると言えるだろう。また、テレビのニュースや新聞などが情報源として挙げられていないのは、そもそも日本の「政治」や「経済」、「社会」、「軍事(日本人にとっては意外かもしれないが、自衛隊の軍備については昔からテレビで詳しく報道されている)」などに比べ、「教育」がニュースのトピックとして扱われることが少ないからであろう。従って、政治などに比べれば、「日本の最新の教育の動向」といったことについてはあまり知らない(そして知りたいと思う)学生も多いのではないかと思われる。

つぎに「日本の教育についてのおおまかなイメージ」について漠然とした形容をする回答も見られる。その内容については、「厳しい・厳密」といったイメージ(6名)や「計画性・体系的・統一性」(3名)などが多く、これは明確に書かれていないものの、おそらく(各学校内部のことがらではなく)政策や制度の面についての印象だと思われる。一方で「教育が気楽な雰囲気」(1名)、「教育に柔軟性がある」(1名)など、「気楽・柔軟性」といったイメージ、「人間味がある」といったイメージもある(2名。特に回答の中では関連づけられていないが、「人間的ではない」と上記の制度などでの厳格さには関連があると思われる)。また、「教育を重視している」という印象もあるようだ(4名)。

「厳しい・厳密」といった日本の教育に対するイメージは、「教育管理」(国全体での管理、学校の中での管理を共に含んでいる)に関連した回答の中にも明確に表れており、「教育管理」に関する回答をした4人の学生のうち、3人は「管理が厳格」といったことに言及し、1人は「制度についての要求が厳しい(つまり制度をきちんと守るように要求されるということ)」という印象を書いている。

「教育政策・制度の特徴」に関する回答の中では、「学校の休みが多い」、「教育の普及率が高い」、「国の教育に対する投資が多い」がそれぞれ2人、「学校に自主権がある」、「私立の学校が多い」、「小学校で留年がない」、「少人数学級(という単語のみ書かれていた)」がそれぞれ1人、と回答がばらついている。また、「教育の設備・ハード面」についても「ハード面での条件がいい」「教育設備が先進的」がそれぞれ1人ずつ、と少ない。

カリキュラムなどの「教育内容」については(表1)、「道徳面・礼儀の教育」についての言及が比較的多く、その他に「体育の教育」や「伝統文化についての教育」といった回答も一定程度いる。考えてみれば、筆者も日本の道徳教育のありかたについて質問されたことが何度かある。もちろん、日本の教育の動向に興味があって、道徳の教科化の議論などに注目しているひとが多いのかもしれないが(教育学部での講義なので)、もともと「道徳」というもの自体、中国人にとっては関心の高いテーマなのかもしれない。また、「カリキュラムが多種多様」という回答も3人いる。

表1 教育内容に関することがら
カテゴリー内容
道徳面・礼儀の教育について道徳的な面での教育を重視、礼儀の教育を重視7
カリキュラムについてカリキュラムが多種多様、カリキュラムが統一されている4
体育の教育を重視している3
伝統文化についての教育を重視3
愛国心・民族意識の教育を重視2
環境についての教育環境意識が強い、環境保全意識の教育を重視2

教育の中で重視されていることがらや目標とされていることがらについての「教育の方向性・方針」に関することがら(表2)では「子どもが自分で手を動かすことを重視している」など、日本の教育が子ども自身による実践を重視している、というもの、それから「素質教育・全面発達 *2」、「子どもの自主性・自立の重視」といったものが比較的多く見られた。

表2 教育の方向性・方針に関することがら
カテゴリー内容
素質教育・全面発達の重視学科の知識と社会文化的なものの融合、全面的な発達を重視している、素質教育を重視している、情操教育を重視、生活習慣のしつけを重視9
子ども自身による実践を重視子どもの参加と実践を重視した教育、子どもの実践能力を重視、自分で手を動かすことを重視5
子どもの自主性・自立の重視子どもの自主性を重視している、子どもの自立を重視 4
子どもの生活能力を育てる教育技術的な能力を重視している、日常生活の能力を重視、生活技能の重視3
基礎教育・義務教育を重視2
個性の重視個人的な興味を重視している、個性化の重視2
集団行動の重視集団行動を重視する、団体意識が強い2
その他テストが重視されている、現代化の重視、国際化の重視、忍耐力の教育を重視4

「学校生活・学生や教師に関することがら」については(表3)、「制服や服装について」言及する学生が多く、関心が高い(9名)。また、先生と生徒との関係については、日本の先生と学生とがフレンドリーな関係を築いている、といった内容が主に回答されていた。一方で教師についてのイメージについては、「教師が尊敬されている」が6人、「教師が厳粛な雰囲気」が1人回答しており、日本の教師に対してかなりポジティブな印象を持った回答が見られた。「学生の特徴」については、「学生が勤勉・勉強熱心」、「子どもの自主性が高い」がそれぞれ2人、「学生が開放的」、「優秀な学生は優秀」がそれぞれ1人であった。

表3 学校生活・学生や教師に関連することがら
カテゴリー内容
制服や服装について制服がきれい、制服が統一されている、など9
先生と生徒との関係学生と先生のコミュニケーションが活発、
学生と先生の性格がストレート、先生と生徒が友だちのようだ
3
教師についてのイメージ教師が尊敬されている、教師が厳粛な雰囲気、教師の災害対応能力、教師への要求が多い 9
学生の特徴学生が勤勉・勉強熱心、子どもの自主性が高い、学生が開放的、優秀な学生は優秀4
その他先輩を尊重している、学生間の競争が激しい、部活動やサークルが多い、塾に通う、など7

また、子どもに対するプレッシャーについて注目している学生がいるのも特徴的である。「子どもの負担・プレッシャー」に関する事がらでは「学生の負担・プレッシャーが大きい」が7人、また「宿題が多い」と2人が回答している。また、教育上のプレッシャーに関連しては、全体的に日本の教育において進学が重視されているといった印象も強く、たとえば「進学のプレッシャーが大きい」は6人が回答しており、「大学入試を重視した教育(2人)」「学歴が重視される(1人)」といった回答もある。

また日本の教育に対する「外国からの影響」について書いている学生もおり、「西洋から学んでいる・西洋の教育を参考にしている」が最も多く5名、「欧米を参考にしながら日本の独自性も持っている」、「外来の教育思想を吸収している」、「昔は中国から学んだ」がそれぞれ1名であった。日本の教育の「時代による変化・変遷」についての回答は、「第二次大戦後の教育立国ぶりがあきらか」、「伝統と現代国際化の融合」、「保守と解放の融合」、「明治時代のまま」がそれぞれ1人ずつであった。

3 中国の教育における問題と「日本の教育に対するイメージ」

結果をおおまかにまとめると、中国の学生は、日本の教育について、アニメやドラマといった創作作品から情報を得ることが多い。日本の教育に対しては、厳格・厳密に管理されていると考える学生がいる一方で、子どもの自主性や実践活動を重視した教育を行っている、という印象を持っている学生もいる。また、(中国と同様に)進学や入試のプレッシャーも含めて学生の負担やプレッシャーが高いと考える学生がいる一方で、カリキュラムが多種多様で、教育の方向性としては「素質教育・全面発達」が重視されているという印象を持っている学生もいる。一見したところ、中国の学生の日本の教育についての印象は多種多様、という感じもするのだが、考えてみれば、ここで「日本の教育の印象」として挙がっている内容は、中国の教育について語られる場合にもよく見かけるものが多く、つまりは彼らが中国の教育の中で「足りない」と感じているもの、彼らが教育について考えるときに重要だと考えている観点が一定程度入り込んだ結果のようにも思われる(ちなみに回答の中には、日本と比べて自分たちが優れていること、については書かれていない。これについては、海外と中国とを比較する、という場合に、海外から自分たちが学べることは何か、という視点が常に強調されるのが中国の大学教育や研究の特徴、という印象を筆者は持っている)。

たとえば、「厳格・厳密」に管理している、という印象は、一見すれば、「管理教育」として否定的な印象を日本に対して持っているようにも思われるが、「人間味がなく、管理が厳格」という形での否定的な回答だけではなく、「私の印象の中での日本の小学校から高校までの管理は比較的厳格なもので、学校の各種の規則・校則もみな比較的標準化された、完全で整ったものである」といったように管理をポジティブにとらえる回答もある。つまり、以前第3回で懲戒制度に関連して述べたように、そもそも教育を「管理すべきもの」として考えている傾向(もちろんすべての学生がそのように回答しているわけではないが)を示していると思われる *3。また子どもの自主性を重視する教育についても、以前第1回で中国のひとりっ子について述べたように、中国の子育てにおいて子どもを甘やかし過ぎるといった面と、教育において子どもに対して干渉しすぎ、あるいは管理し過ぎといった点から、問題としてよく指摘されることである。教育上のプレッシャーについては、言うまでもなく中国でも進学や学習内容、学習量の増加によるプレッシャーはますます大きくなってきており、どうやってその負担を減らすか、ということは解決すべき喫緊の課題のように思われる。そして「素質教育・全面発達」という言葉は、まさに中国の教育の問題、あるいは改善すべき方向性として、中国において事あるごとに教育界で叫ばれている一種のスローガンのようなものと言える。

すなわち「日本についてのイメージ」をたとえばあらかじめ定められた評定項目上で評価させる、といったもの(片桐,2002)ではなく、今回のように「日本の教育のイメージ」という(知識は持っていたとしても)普段あまり深くは考えたことがないことがらについて自由に記述させた場合、具体的に想像がつかないので自分の知っている情報から類推して回答したり(つまり日本も中国も同じようなものだろう、と考えて類推する)、あるいは普段からそうした問題意識をもってそれに関する内容を中心に日本の教育についてもいろいろ情報を得ているため、自然と日本のイメージについての質問であるにもかかわらず、逆に自分たちの関心事である中国の教育における問題点に関連したものを回答するようになるのかもしれない。従って、最初の筆者自身の問題意識に返ると、筆者が中国人に日本の教育について説明・紹介する際には、逆に中国の教育の抱える問題点や彼らが中国の教育について重要だと考えていることについて、よく知っておくことが必要であり、またそれらのポイントに関連した事柄を中心に、あるいはそれに関連づけながら話すとより伝わりやすいと言えるのかもしれない。

もちろん、今回の調査は筆者が自身の参考のために講義の時間を利用して行った簡単なものであり、調査対象者の人数も少なく、たとえば日本や海外の学生の「中国の教育についてのイメージ」といったものについて調査して比較するものでもないため、「中国の学生全体の日本の教育についてのイメージ」とは言い切れないところが多い。また、たとえば日本人との(教育についての)考え方の違いといったことについては、明確に論じられない。ただ結果として出てきたものが、たとえば講義で中国の学生に日本の教育を紹介するといった実践においては、参考となる点が多いことは確かであろう。

他方、北京の学生たちは、「よくわからない」としながらも、日本のアニメやドラマ、小説などを通じて、(創作作品ではあるが)日本の教育の現状の一端に触れる機会をもっていることもわかる。逆に日本の大学生が中国の教育の現状について知る情報源はニュースなどに限られ、また知る機会も少ないのではないだろうか。

本稿では、北京の大学学部生・大学院生の日本の教育に対するイメージについて考えてみた。今後国際的な情報化が進んでいけば、ますます日本の様々なことがらについて中国の学生が知る機会も増えていくかもしれない。それにともなって日本人や日本の教育に対するイメージも変化していく可能性はあるだろう。これについては今後も注目していきたいと考えている。

謝辞:今回の調査については、北京化工大学高等教育研究所、于颖先生に大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。


  • *1. ちなみに、こうした日本の作品に触れる媒体は、現在では主にはインターネットである(近年、動画配信サイト「土豆」がテレビ東京と契約して人気のアニメ作品を無料放映するなど、インターネット上で合法的に作品を配信する動きも始まっている)。アニメについては以前はテレビなどでも日本のアニメが多く放送されていたため、ドラえもんや聖闘士星矢、スラムダンクなど多くの人気作品をテレビで見た人も多い。ただその後日本のアニメをテレビで放送することについて規制がかかったために、現在ではテレビではほとんど放映されておらず、日本のドラマも以前からあまり放送されていない。
  • *2. 素質教育とは、人間性や個性を重視した教育のことで、対義語として受験のための勉強を重視する「応試教育」がある。「全面発達(中国語では全面発展になる)」は、受験で必要な教科、といった特定の教科における子どもの発達を重視するのではなく、芸術や体育など幅広い領域での発達を目指す教育方針のことである。素質教育も全面発達も、中国の教育界では一種のスローガンのように頻繁に繰り返される言葉といえる。
  • *3. 以前学校の懲戒制度について述べたように、「管理の制度として厳格なものを設定すべき」ということと、「そうした制度を柔軟に運用すべき」ということは矛盾しない。また、中国において厳格な制度を設定するべきだという考えを持っている人が、必ずしもそうした制度を望ましいものとして考えているわけではなく、「仕方がないもの」として考えている場合も多い。

<文献>
  • 片桐雅義(2002).日本人のイメージ : 日中大学生の比較 .宇都宮大学国際学部研究論集.14.1-8.
  • 見城悌治・三村達也(2010).現代中国における大学生の「日本」イメージ--日本語専攻生、日本語学習生、日本語非学習生の比較.国際教育.3.1-38. 言論NPO(2013). 「第9回日中共同世論調査」結果 言論NPO 2013年8月5日 http://www.genron-npo.net/world/genre/tokyobeijing/post-240.html(2013年11月18日)
  • 黄琳(2007).中日有多近,有多遠----中日大学生同題問巻調查.意林.10.30-31.
  • 白木通(2000).日本人の中国観(1) .経営研究.14(2).299-320.
  • 中国社会科学院日本研究所(2006).第三次中日輿論調查.日本学刊.6.27-31.
  • 陳生洛 (2006).中国大学生的美国観与日本観比較.中国青年政治学院学報.6.1-18.
  • 日本青少年研究所(2012).高校生の生活意識と留学に関する調査 日本青少年研究所 2012年4月 http://www1.odn.ne.jp/youth-study/reserch/(2013年11月18日)
  • 喻国明(1997).中国人眼中的日本和日本人----中国公衆対日印象的調查分析報告.国際新聞界.6.58-65.
  • 盧德平(2002).北京大学生眼中的日本.中国青年研究.2.52-55.
筆者プロフィール
Watanabe_Tadaharu.jpg渡辺 忠温(中国人民大学教育学院博士後)

東京大学教育学研究科修士課程修了。北京師範大学心理学院発展心理研究所博士課程修了。博士(教育学)。
現在は、中国人民大学教育学院で、日本と中国の大学受験の制度、受験生心理などの比較を行なっている。専門は比較教育学、文化心理学、教育心理学、発達心理学など。

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