危機管理マニュアルは役立っていますか?
学校保健安全法の策定を受けて、学校における幼児児童生徒の保健管理の強化がなされるとともに、児童生徒等が被害者となる事件・事故・災害等が全国的に多発していることから、幼児児童生徒の安全確保が、いっそう求められるようになってきました。
各園・学校においては、安全指導や安全点検等を示した総合的な学校安全計画の策定、危機等発生時対処マニュアルの作成、危機管理研修(救命講習)の実施など、学校安全体制の充実や強化が行なわれていることと思います。
しかし、有事の際に、既存の安全計画および危機管理マニュアル・危機管理研修があまり役に立たず、スムーズに対応できなかったという経験がある方はいないでしょうか?
具体的には、以下のような課題があると思われます。
アクションカード導入前の課題
- 危機管理マニュアルはあるが、実際、誰が何をすればいいのか分かりにくい。
- 教職員は毎年救命講習を受けるので、心肺蘇生やAEDの使用など、それぞれを断片的にこなすことはできるが、全体の流れを把握できている人は少ない。
- やるべきことに漏れがあったり、反対に重複したりしてしまう。
- 救命処置を行っている養護教諭がその手をとめて、全体への指示(救急車の手配や保護者連絡など)を出さなければならない。
- 救命講習がマンネリ化しているので、もっと現実的で、職員の意識が高まる研修にしたい。
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この記事は、『健』2014年4月号 40-43頁、5月号 38-41頁「アクションカードを導入した救急救命―組織的に動ける危機管理体制づくり」を転載したものです。