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要旨
本カントリーレポートでは、日本のECEC(幼児教育・保育)における「社会情動的スキル」と「レジリエンス」を育む保育実践とその背後にある保育者の考え方や方針を明らかにすることを目的としている。まず第1章では、日本のECEC(幼児教育・保育)の歴史と現在の指針・要領について概説し、幼児教育が人格形成の基礎としてどのように位置づけられているか、そして「社会情動的スキル」と「レジリエンス」が現在の指針・要領にどのように反映されているかを解説している(第1章担当:北野幸子)。第2章の予備調査では、「社会情動的スキル」と「レジリエンス」の用語の浸透度や実践の状況について、園長・施設長、主任を対象にしたインタビュー結果を報告している。第3章では予備調査の結果を踏まえ、保育者を対象に実施した主調査を通じて、「社会情動的スキル」と「レジリエンス」の現場での理解と実践についての詳細を整理している。第4章では、これらの概念が保育者の保育方針にどのように組み込まれ、日々の保育活動を通じて子どもたちにどのように実践されているかを考察している。さらに、SEL(Social and Emotional Learning)の観点を用いた分析を通じて、保育者が子どもたちのレジリエンスをどのように支援し、促進しているかについての洞察を提供する(第2章~第4章担当:佐藤朝美)。第5章の指定討論では、レジリエンスの概念が幼児期の発達に長期的な視野からどのように関わってくるかについて考察している(第5章担当:星三和子)。
以上、本カントリーレポートは、日本のECEC(幼児教育・保育)における「社会情動的スキル」と「レジリエンス」の理解と実践に貢献するための実証的な知見と考察を提供する。
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