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【ニュージーランド子育て・教育便り】 第12回 プランケット協会による乳幼児向けサービス

村田 佳奈子

2019年11月15日掲載

要旨:

ニュージーランドには、5歳未満の子どもたちの健康管理のために、様々な無料サービスを提供してくれるプランケット協会があります。生後6週間を過ぎると、子どもたちの健康管理は、助産師から地域のプランケットナースに引き継がれます。プランケットが子どもたちの健康維持のために提供してくれるサービスは幅広く、私たちの場合も様々な形でお世話になっています。プランケット協会に提供してもらったサービスの数々をご紹介します。
プランケット協会とは

ニュージーランドで生まれた子どもたちは、生後1ヶ月半頃までは助産師による家庭訪問での健診を受けることができるのですが、その後は地域のヘルスケアの専門家に引き継がれます。その引き継がれる先は、90%以上がプランケット協会という非営利団体です。プランケット協会は、100年ほど前に、ドニーデン(ニュージーランド南部の街)で、Sir Frederic Truby Kingという一人の医療改革者が、母親のサポートや教育を目的として考案し設立に至った団体からスタートしているそうです。今では、ニュージーランド全土に広がっており、2年前にニュージーランドで生まれた私の息子も、当然のように、助産師から、住んでいる地域で生まれた子どもたちを担当するプランケットナースに引き継がれました。その後、5歳になるまでの間、子どもの健康維持のサポートをしてくれます。

プランケットナースによる健康診断

プランケットナースによる健康診断は、息子が生後6週目の時、家庭訪問から始まりました。最初の訪問は約1時間ほどでした。ニュージーランドで出産後にもらえる母子手帳のようなものに記載された項目に沿って健康状態をチェックしてくれました。また、息子に関する心配事はないかと尋ねてくれて、次回の訪問までに息子が成長すると何ができるようになるかの目安を教えてもらいました。親子の健康や息子の成長等の状態の悪い部分に関しては、家庭医(GP)の訪問を勧めてくれたり、必要に応じて紹介状も書いてくれます。本来は、数回の家庭訪問の後は、プランケットのクリニックでの健康診断となるようでしたが、私の体調が悪そうだからという理由で、通常より長い間、家庭での息子の健康診断を続けてくれました。その他にも、上の子が風邪をひいてしまった時に、訪問健診の日程を振り替えるべきか相談をすると、予約日を変えてくれるなど、非常に柔軟な対応をしてくれました。その後、私の様子をみながら、プランケットの施設であるクリニックでの健康診断に変わり、家庭訪問の時と同様に30分~1時間程度の時間を割いてくれました。この間、ずっと同じナースが担当です。私は担当のナースが上の娘の名前を憶えてくれていて毎回娘のことまで気にかけてくれたりすることにもとても良い印象をもっています。一方で、ずっと同じナースが担当するというのは相性の問題があることもあるようです。

report_09_343_01.jpg プランケットクリニックでの健診の様子(体重測定中)

コーヒーグループ(茶話会)の開催

息子が生後2ヶ月くらい経った頃、プランケットナースから携帯電話にメッセージが届きました。プランケットのクリニックが管轄する地域内で、同じ月に生まれた赤ちゃんとその母親たちを対象に、週に1回、4週間に渡り、コーヒーグループと呼ばれる茶話会が開催されるとのこと。集まるだけではなくて、そこには毎回ゲストスピーカーが呼ばれて、産後に役立つ情報も提供してくれました。お母さんの身体の回復に役立つ運動、赤ちゃんのカイロプラクティックについて、その他2つのトピックがありました。大きなソファーに座り、温かい飲み物を飲みながら話を聞いたり、他のお母さんたちと会話をしたりして、とてもリラックスした雰囲気でした。この地域で同じ月に生まれた赤ちゃんは5人、そのうち1組が双子のお子さんだったのでお母さんが4人でした。この月齢が同じ地域のグループをきっかけに、長きに渡りとても仲が良くなる、いわゆる"ママ友"となることが多いようです。急速に成長する赤ちゃんの頃、月齢別に親子で集まれる機会を提供してくれるのはとても良いなと思いました。私も、双子のお母さんとは、その後も関係が続いています。

離乳食講習会の開催

息子の離乳食開始の時期が近づいて来た頃には、離乳食の講習会の案内もプランケットのナースから届きました。離乳食の段階に応じて2回ほど案内が来ました。私は一度目しか行きませんでしたが、日本で受けた離乳食講習会に比べると、その内容は作り方やレシピというよりは、どのような食材を与えるのがよいか、例えば成長に従い鉄分が不足していくので赤肉を与えること、など、かなり栄養面や食材を重視したものでした。日本では白身魚が離乳食の最初の段階にあったと思いますが、魚はそれほど重視されていませんでした。ある程度食材の話を聞いた後は、DVDを見ておいてくださいとDVDを渡されました。家で見てみると、DVDの終わり頃に「手作りをしても構わないけれど、瓶入りの離乳食は栄養も固さも完璧に考えられています」と、作る気が失せるメッセージがあり終了。実際、その言葉が心に残り、結局私も野菜や果物のピューレ、リゾット、パスタなどの瓶やパウチ入りの離乳食を頻繁にスーパーで買って利用して、かなり楽な離乳食期間を過ごしました。完全母乳のプレッシャーが異常に強かったのに、離乳食以降はこの適当さで、ギャップに戸惑ったほどです。

プランケットの施設利用

息子が定期的にお世話になったプランケットナースのクリニックがある場所は、広いキッチン、広いラウンジと大きなソファー、外には小さなプレイグラウンドがあります。この施設は有料で借りることができます。そのため、午前中に赤ちゃん向けの習い事を提供しているクラスがあって、先に触れた双子のお母さんに誘われて、しばらくそこに通うこともありました。また、子どものお誕生日会のために施設を借りる人も多く、私たちも一度、この施設を使用したお誕生日会に呼ばれたことがあります。地域によっては、プランケットがプレイグループ(【ニュージーランド子育て便り】 第1回 プレイグループ参照)やトイライブラリー(【ニュージーランド子育て便り】 第9回 トイライブラリー参照)の開催場所となっていることもあるようです。

report_09_343_02.jpg プランケットの施設での乳幼児向け習い事

report_09_343_03.jpg プランケットの施設を利用したお誕生日会

その他にも、24時間子どもの健康相談に答えてくれる電話番号があったり、多くのサービスが無料で提供されています。医療機関とも行政とも少し違う形で、このような幅広いサービスの拠点となっているプランケット協会があることで、5歳までの小さな子どもの子育てがし易くなっているような気がしています。

筆者プロフィール
村田 佳奈子

大学院修士課程修了後、幅広い分野の資格試験作成に携わっている。7歳違いの2児(日本生まれの長女とニュージーランド生まれの長男)の子育て中。2012年4月よりニュージーランド・オークランド在住。
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