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【ドイツの子育て・教育事情~ベルリンの場合】 第36回 ドイツ流 春の休日の過ごし方~農場公園と白アスパラガス

シュリットディトリッヒ 桃子

2019年6月28日掲載

要旨:

屋内にこもりがちな長くて寒い冬が終わり、日が長くなると、積極的に屋外に出て、自然の中で過ごすのがドイツ流休日の過ごし方。ベルリン郊外のクライストウ農場公園には、子ども向けの遊び場をはじめ、アスレチックランドやアスパラガスなどの農園もあり、老若男女が一日中自然の中で過ごせるようになっている。アスパラガスは、ドイツでは白いものが主流。全て手摘みなので値は張るものの、出荷時期も限定されているとあり、季節の風物詩となっている。

Keywords:
ドイツ、ベルリン、シュパーゲル、農場公園、シュリットディトリッヒ桃子

春の訪れを告げるイースターを過ぎた頃からベルリンでは晴れる日が多くなり、日もかなり伸びてきます。6月上旬の日の出は4時45分、日の入りは21時25分と、夜眠りにつく頃でも明るいほどです。そんな春のある休日、ベルリン郊外のブランデンブルグ州にあるクライストウ(Klaistow)という村の農場公園に家族で遊びに行ってきました。首都中心部から車で1時間ほどのところにあるこの森林公園では、動物と触れ合うことができるほか、森の中に木で作られた楽器が置いてあったり、クレッテアヴァルド(Kletterwald)というアスレチックランド、さらにはアスパラガスなどの農園や市場、レストランもあり、老若男女が一日中自然の中で過ごせるようになっています。

充実した遊び場

この公園内には子ども用アトラクションが多くありますが、ほとんどが無料です。例えば、写真のような長い滑り台は、小さな毛布をお尻に敷いて一気に降りてくるもので迫力満点! 階段を登るのがなかなか大変で、私は数回でギブアップしましたが、息子や一緒に行った彼の従兄たちは何度も何度も滑っていました。また、巨大トランポリンも跳ね返りが強く、子どもたちが高くジャンプできるとあって、大人気でした。

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長い滑り台(左)
 
巨大トランポリン(右)
               

また、動物とのふれあい場もあります。山羊園には、自由に入ることができ、直接山羊をなでたり、指定されたエサをあげたりすることができます。さらに、鶏が放し飼いにされていたり、イノシシを飼育しているところもあります。また有料ですが、ポニーに乗ることもできます。

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山羊園にて
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ホルスタイン柄のポニー

森の中へ進むと、今度は木でできた楽器で遊ぶことができます。ここではどんなに大きな音を出しても大丈夫とあって、子どもたちはノリノリで「演奏」していました。自然の中に響く木製楽器の音がなんとも素朴で大人の私も癒されました。

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木の楽器でリサイタル?(左)
 
森の中の木琴(右)
     

さて、この公園の遊び場の目玉はクレッテアヴァルドという有料アスレチックランドです。ここは年齢や体の大きさによってエリアが分けられており、小さなキッズエリアは3歳から、メインエリアは身長130センチ以上であれば誰でも利用することができます。さらにメインエリアは、ウォーミングアップエリア、初心者エリア、上級者エリアなど、難易度によっても分かれているので、子どもから大人までレベルに合わせて体験することができます。息子と私にとっては初体験でしたが、身軽な我が子は猿のごとくどんどん先に行ってしまう一方で、久しく運動らしいことをしていなかった私は、最初は木の上に登るのも必死・・・登り切ってジップラインの出発点に到達したものの、今度はその高さにクラクラしてしまいました。しかし、いったん滑り出すと、そのスピード感が病みつきに! 森の中の高い木の上からの見晴らしは抜群ですし、自然の中で思う存分体を動かすことができ、最高のリフレッシュとなりました。(その後しばらく全身の筋肉痛に悩まされましたが・・・)

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森の中のアスレチック(左)
 
ジップラインの様子(右)
              
ドイツで主流の白いアスパラガス

この農場公園ではその名のとおり、広大な敷地に、アスパラガスを始め、イチゴやベリー類など多くの野菜や果物を栽培しています。ちょうどこの日はアスパラガスツアーを実施していたので、こちらにも参加してみました。

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収穫したアスパラガスを屋外で洗浄(左)
 
敷地内にある建物のベルトコンベヤーにてソート(右)
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規格外のものは廃棄されてしまう

日本では緑のアスパラガスが多く流通していたと思いますが、ドイツでは、日が当たらないように育てられた白いシュパーゲル(アスパラガスはドイツ語でシュパーゲルと言います)が主流です。出荷時期はその年の天候によって多少前後することがありますが、大体毎年4月中旬から6月24日までと決められており、期間限定でしか味わうことができない春の味覚です。だからか、この季節になると、街のあちこちに農家の直売所やスタンド販売所が設置され、同じく旬であるイチゴなどとともに新鮮な白いシュパーゲルが売られています。これらの白いシュパーゲルは通常の野菜に比べて少々値が張りますが、なかなか美味な上、この時期しか出回らないこともあり、当地のドイツ人たちはつい財布の紐が緩むようで、こぞって買い求めています。

さて、この白いシュパーゲルですが、緑のアスパラガスに土をかぶせて日光を当てずに育てるという大変デリケートな野菜です。その形や太さ、さらには穂先の閉まり具合でランク付けされ、値段が異なってくることもあり、全て手作業で収穫されるそう。上述のツアーでは、ポーランドなど東欧からの季節労働者が収穫を行うとの説明を受けましたが、一日中腰をかがめながらの作業は肉体的にかなり大変そうです。ツアーガイドさんは「大体1週間くらいで慣れますよ」とさらりとおっしゃっていましたが・・・。また、これらの白いシュパーゲルを収穫するまで3年もかかるにもかかわらず、7年目には土を休ませなければならないなど栽培に関しても、その品質を保つため、様々な決まりがある模様。ちなみに、出荷時期が6月24日までと決められているのも、その日から初霜まで約100日間、シュパーゲルが翌年のために十分な力を蓄えるのに必要な期間とされているからだそうです。ツアーに参加するまでは、単に「シュパーゲルは高いなあ」と思っていましたが、説明を聞いてその理由がよくわかりました。この農場公園でも採れたてのシュパーゲルが販売されていましたので、ツアー後、私たちも購入しました。

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緑も白も売っていました


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面倒な皮むきもこのマシンがやってくれます


キロ単位で販売されているので、シュパーゲル購入後は写真のように皮むきマシンが大活躍! 写真向かって左からシュパーゲルを入れると、マシンの中のいくつもの刃が回り皮をむいてくれます。皮のみ下に落とされ、皮むきが終わったシュパーゲルは右側から出てくるという仕組みです。ちなみに、ドイツではゆでたシュパーゲルをバターソースか、卵とバターとレモンを混ぜたオランデーズソースというソースで、シンプルに頂くのが一般的です。さらに、この農場公園では、シュパーゲルを混ぜ込んだパンやアイスクリームなども売っており、どれもほんのりシュパーゲルの甘味が効いて美味でした。

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一見普通のパンですが(左)
 
中にシュパーゲルが入っています(右)
  
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シュパーゲル・アイスクリーム(左)
 
さくらんぼのビール(右)

飲み物に関しては、珍しいさくらんぼのビールを試してみましたが、この赤いビール、ほんのり甘くてついつい飲みすぎてしまうほど美味でした。

ドイツでは長くて寒い冬には屋内にこもりがちですが、気候の良い季節になると、積極的に屋外に出て、特に自然の中で過ごすのが人気です。老若男女問わず一日楽しめるこのクライストウ農場公園は、お天気の良い日に出かけるには最高のスポットだと思いました。

筆者プロフィール
シュリットディトリッヒ 桃子

カリフォルニア大学デービス校大学院修了(言語学修士)。慶應義塾大学総合政策学部卒業。英語教師、通訳・翻訳家、大学講師を経て、㈱ベネッセコーポレーション入社。2011年8月退社、以来ドイツ・ベルリン在住。
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