1,000円でオリジナルの1着をつくるには
まずは、私がとてもお世話になった仕立屋さんを紹介します。一見、全くオーダーメイド店と想像させない外観で、お洒落な感じは全くありません・・・。6畳くらいの小さな部屋の中で、3~4名のベトナム人スタッフの方々が働いています。店の中に一歩入ると、お客さんから持ち込まれた布や、作りかけの服、完成したものなどが所狭しと置かれています。
お店の外観 | 雑然とした店内 | 完成品の数々 |
ここへ、布と、なるべく具体的に完成像をイメージできるものを持ち込みオーダーします。写真や雑誌の切り抜きなどでも構いませんが、一番間違いないのは、服の現物を基に"Copy"と伝え、まったく同じものを作ってもらうやり方です。生地が違えば出来上がったときの印象もまったく違いますし、例えば、レースをつける、もう少し長く/短くする、ポイントでリボンをつける、ファスナーをボタンに変える、裏地をつける・・・など、細かなカスタマイズに応じてもらえるのが楽しいポイントです。オリジナルの一着が作れます。気に入った型のワンピースやチュニック、スカートなどを持ち込み、サイズ違いで来年用に少し大きめに作ってもらう、昔着ていた服を基に、現在の体型に合わせて作ってもらうなど、まさに「オーダーメイド」が叶います。とても細やかに丁寧に再現されていて、初めて見たときは大感激しました。娘は日本へ帰国後も未だに、ハノイで作ったワンピースやお洋服を愛用しています。
"Copy"してもらったお洋服たち。一番左の服が持ち込んだもので、隣の2枚が完成品 |
子ども服の場合、このようなお店では、ワンピースなら仕立て代は1着800円前後が相場で、混み具合にもよりますが1週間~10日程度で完成します。布は、日本から持ってきたもの、現地で仕入れたもの、いただいたものなどを使いました。特に、暑いあついハノイでの暮らしにはコットン生地のワンピースがとても心地よく、洗濯後もアイロン要らずとあり、現地の布市場で娘のためにコットン生地を仕入れ、ワンピースやチュニックを作ってもらうのが楽しみでした。また、着なくなった自分のロングスカートを娘のスカートにリメイクしてもらったこともありました。お直しも無料で、何度でも快く応じてくれます。ガイドブックなどには載らず、近隣に住んでいる外国人を相手にしているお店で、非常に安く仕上げることができます。
昨今、ハノイにも外資系のデパートなどもたくさんでき、子ども服を購入できるお店もたくさんありますが、そのようなところで買うよりもはるかに安く、可愛いものが仕上がるので、私はほとんどこのようにして子ども服を作ってもらっていました。
(写真左)頂きものの布でオーダーした保育園道具一式。2年以上経ったいまでもすべて現役です (写真右)日本製のカーディガンを頂き物のガーゼ生地でCopy。裏地をつけてリバーシブルに |
布市場でのお買い物
ハノイには大きな布市場がいくつかあります。子ども服でよく使うコットンをはじめ、リネン、ジャージー、ツイード、ウール、デニム、ニットなど、季節によって様々な種類の布が並びます。所狭しと重なり合う盛沢山の生地の中から自分好みのものを探すのは、まさに宝探しのよう!例えば娘のワンピース1着に必要なコットン生地(1m)は、400円ほどで購入でき、仕立て代と合わせて1,200円くらいで、体にぴったりで好みの一着をつくることができます。布の値段は種類ごとに異なりますが、だいたい1メートルあたり100,000VND(約500円)~200,000VND(約1,000円)が相場。値札は無く店員さんの言い値で、最初はたいてい2倍くらいの値段を言われるため、ある程度の交渉が必要です。だいたい50cm刻みで、必要な分だけ購入することができます。ワンピース、スカート、チュニックなどそれぞれにだいたいどれくらいの大きさの布が必要か、布価格の相場も予め頭に入れておき、ベトナム語で値段交渉できるようにしておくと安心です。
細い通路に沿いたくさんのお店が並ぶ市場では、常に大量の布が売られています |
布を買いにいくのが面倒!1週間も待てない!! という人は・・・
できれば綺麗で涼しい店内でゆっくり布を選び、2~3日で受け取りたいという方にぴったりのお店もあります。いわゆる観光客向けのお店です。以下写真をご御覧の通り、先ほど紹介したお店とは全く違う雰囲気で、清潔感の漂うお洒落な空間には綺麗な布がきちんと整えられていて、日本のファッション雑誌なども沢山置かれています。好きな服を指さし、布を選び、採寸してもらえば2~3日で受取りが可能ですが、やはり高額。日本の百貨店で定価で購入するような値段感です。オーダーメイドもピンキリ、いろんなお店があるので、使い分けができると楽しめると思います。
ガイドブックなどにも載るお店 |