その1:豆腐の肉詰め
市場でしか買うことのできない、少し硬めのお豆腐。島豆腐のような触感で炒めても崩れません。このお豆腐の中に豚挽肉とネギなどを混ぜて作ったタネを挟み、一通り火を通した後で、ニンニクと調味料で味を調えたたっぷりのトマトソースと絡めます。最後に、ベトナム料理の定番、コリアンダー(香草)をのせて出来上がり。ご飯にとても良くあい、子どもたちが大好きだった一品です。
その2:春巻き
春巻きの皮にも様々な種類がありますが、やはり市場でしか買うことができない「皮」があります。とても薄い皮ですが、丈夫で、さくっと揚がります。「クーロウ」というカブに似たベトナム野菜を刻んで入れると、少し歯ごたえが、また、サツマイモを入れると少し甘みが加わり、更に美味しくなります。少量の油でじっくり揚げて、これを、レタス、シソ、コリアンダー、ミントなどのたっぷりのお野菜と、フォーと一緒にいただきます。フォーも市場で売っていて、これはさっと水を通して洗えば食べられる優れもの。ニンジンとクーロウを花の形に象り浮かべた甘酸っぱいつけ汁でいただきます。市場の野菜はとにかく安いので、遠慮なくたくさん食べられるのも嬉しいところです。タネを多めに作っておき、翌日はご飯と炒めてチャーハンにするというのが我が家のお決まりでした。フォーは温かい汁でいただいても美味しく子どもたちの大好物で、「素麺みたい!」と喜んで食べていました。
野菜たっぷりの健康食 | 日本のカブに似た「クーロウ」 |
その3:スペアリブのスープ
市場で買ったスペアリブを、トマト、クーロウ、ネギなどと一緒にいただくスープ。スペアリブも市場で安く購入できました。スープで食べるというのは新鮮でしたが、野菜と一緒に美味しくいただくことができます。ベトナム料理はこのように彩りが良くたっぷりのお野菜と合わせるものが多いので、子育て中の私にとって学びがたくさんありました。また、スパイスを多く使うことも辛い味付けもなく、薄味で、お酢と砂糖で味付けするものが多く、日本人、特に子どもにも馴染みやすいのではないかと思います。
お手伝いさんには、このようなお料理面だけではなく、生活の様々な面でサポート、アドバイスをもらいました。外出の際の注意点、タクシーの乗り方、値段交渉の仕方、商品の選び方、お店の情報、ベトナムのしきたりなどを教えてもらったり、自分の通院などの間に子どもを見ていてもらったりと、まるでお母さんのような存在で、生活を支えてもらいました。言うまでもなく、誰よりも現地のことを知っている方です。実家を頼ることができず、特に最初はお友達にもなかなか頼りにくい海外生活では、信頼できるお手伝いさんとの巡り合いが鍵を握るようにも思います。
そして最後に・・・。こちらは「ゴイガー」というサラダで、お酢と砂糖で味付けしたクーロウ、ニンジン、鶏肉に、フライパンでいためたピーナッツとコリアンダーをたっぷりまぶして作ります。ベトナムのサンドイッチ、「バインミー」はとても有名なローカル食ですが、ゴイガーも非常にフランスパンとの相性が良く、私の中でのベトナム家庭料理、「ナンバーワン」です。