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【ドイツの子育て・保育事情~ベルリンの場合】 第6回 子ども歓迎のカフェ

要旨:

日本ではコンビニが24時間営業しており、自動販売機もいたるところにあるため、散歩の途中などいつでもどこでも買い物ができ、大変便利だった。しかし、ドイツにはコンビニはなく、自動販売機の数や種類も非常に限られている。その一方で、子ども歓迎のカフェが多く存在している。玩具や絵本、場所によっては大がかりな遊具が設置されており、大人がくつろいでいる間、子どもは飽きることなく遊ぶことができる。飲食物も単にサイズが小さいだけでなく、オーガニック食品を使用するなど、品質にもこだわっており、大人も子どもも安心して利用できる場所である。
日本ではコンビニが24時間営業しており、自動販売機もいたるところにあるため、24時間365日いつでもどこでも買い物ができ、大変便利でした。ですから、散歩の途中でのどが渇いても、ペットボトルなどの飲み物を購入し、ひと休みすることが可能でした。しかし、ドイツにはコンビニはありません。自動販売機もせいぜい駅に数台ある程度で、道路脇などには全くありません。さらに自販機で売られている飲み物も、日本のように種類豊富というわけではなく、コーラと水くらいです。小売店も国の法律で日曜日の営業は基本的に禁止されているので、日曜日には買い物はできません。日本の便利さにすっかり慣れていたので、最初はこのドイツの環境を不便に思いました。のどが渇いても、お茶やお水がすぐ買えないなんて・・・

でも周りを見回してみると、小さな子どもを抱えている家族は飲み物を持ち歩くか、カフェに入ることが多いようです。特に気候のよくなった最近、お天気がいい日はオープンカフェは子連れ家族であふれています。コンビニがない代わりに、ここでは子どもが歓迎されているカフェが多いようです。

report_09_56_2.jpg日本と同様、少子化問題を抱えるドイツですが、息子が通う保育施設周辺はベルリン・プレンツラウアーベルグというヨーロッパ一出生率が高く、子連れ家庭が多いと言われている地域ですので、子ども歓迎のカフェが多くあります。時々、保育施設のアクティビティとして、息子も先生やお友達と一緒にそこでお茶をするそうです。このカフェはこじんまりとしていますが、店内には様々な玩具や絵本、塗り絵セットなどが置いてあり、子どもが飽きないように工夫されています。

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カエルの形パズル

子ども用の飲み物や食べ物も豊富です。息子のお気に入りは子ども用のカフェマキアート。もちろん、カフェインフリーです。カプチーノのカップに入れてくれるので、本格的なカフェの雰囲気を子どもといえども味わえます。子ども用ドリンクは一杯50セント(日本円で約50円)とお値段も子どもサイズです。

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左が子ども用カフェマキアート、右が大人用のコーヒーカップ

こちらのカフェの食べ物は全てオーガニック食品ですので、小さな子ども連れでも安心して利用することができます。メニューには、クッキーやケーキなどスイーツの他、美味しいパスタやサンドイッチなども並びます。

美味しいものと玩具がたくさんある、子どもにとっては天国のようなカフェ。一方、大人向けのコーヒーも煎れたてですし、ハーブティーもフレッシュな葉を使用して入れてくれるなどクオリティも高く、さらにスタッフやお店の雰囲気がとても良いこと、園からも近いことから、私たちも息子のリクエストがなくても、ついつい立ち寄ってしまいます。

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フレッシュミント、生姜、レモンのお茶

また別のカフェではその広さを生かして、二つの遊び場を設けています。アスレチック的な遊び場ではネットをよじ登って2階部分に行くことができ、そこから1階に滑り台で降りてくる、というかなり大がかりなセット。滑り台の下はボールハウスになっており、思う存分体を動かすことができます。

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アスレチック的な遊び場

一方、もう少し年齢が低い子どもたちも遊べるオープンな遊び場には、ボールハウスや木馬などが置いてあり、たくさんのボールを投げたり、ボールハウスに滑り台で滑り込んだり、こちらでも十分遊ぶことができます。

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オープンな遊び場のボールハウス

「遊び部屋(Das Spielzimmer)」という名前のこのカフェ、息子のクラスメートのお誕生日会が開かれた場所でもありました。その日は、子どもたちは午前10時から午後3時まで、飽きることなくずっとこのカフェで心行くまで飲んだり食べたり、カフェの名前のとおり遊んだりしていました。その間、大人たちも本格的コーヒーを味わったり、サンドイッチをほおばりながら、保護者間での情報交換をじっくりすることができました。

日本でもレストランの中に子どもの遊び場を併設しているところがあり、保育園のママさんたちの情報交換の場として子連れで時々利用していました。ですので、ベルリンにもこのようなカフェが多く存在しているのを嬉しく思います。そして、特に保育園周辺のお店は飲み物・食べ物の品質にもこだわっているお店が多い気がします。これは前述のように出生率が高く、子どもが多い地区だからこそ実現しているのかもしれませんが、オーガニック食品のお店も数多く存在しているので、生活のクオリティにこだわる人が多いことが影響しているのかもしれません。

いつでも利用できるコンビニやどこでも入手できるペットボトルも時々恋しくなりますが、子どものころから大人と一緒にカフェでティー・コーヒータイムを楽しむ習慣もなかなか乙なものだな、と思います。また子どもが楽しく遊んでいる間に、大人もくつろげるという、親子で利用できるカフェの存在をありがたく思います。

筆者プロフィール
シュリットディトリッヒ 桃子

カリフォルニア大学デービス校大学院修了(言語学修士)。
慶應義塾大学総合政策学部卒業。
英語教師、通訳・翻訳家、大学講師を経て、㈱ベネッセコーポレーション入社。2011年8月退社、以来ドイツ・ベルリン在住。
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