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【双子のいる生活】 第16回 職場復帰準備編 復職・再就職前の準備

要旨:

ママが復職・再就職する前に準備しておきたいことについて。保育園からもらう「入園後に必要な物リスト」を紹介。園では毎日頻繁に着替えをするので、大量の着替えの準備が必要。(双子はさらに2倍!)また布団などのオリジナルカバー制作や、全ての物への名前付けや保育園で使用する「子どものマーク」付けが必要。事前に保育園までの送迎シミュレーションを行い、できれば実際に予行練習をしておくことをお勧めする。病気に備えて育休中から計画的に予防接種を行っておくとよい。また必要であれば各種の育児支援サポートも利用できる。そして、復職後さらに忙しい生活になるママ達に、がんばってきた自分をいたわる時間をぜひ取ってほしい。

まだまだ寒い日が続きますが、春はもうすぐです。自治体によっては、認可保育園の入園内定通知も届き始めるころでしょうか。

今回は、ママが復職・再就職する前に準備しておきたいことを書いてみたいと思います。



保育園への入園準備


2月中旬に認可保育園の入園内定通知が届き、その後、保育園での健康診断と面談を経て、正式に入園が決定しました。健康診断と面談の際、入園後の生活に必要な物のリストが配られました。 入園に必要な物は、保育園によっても異なりますが、我が家の双子が入園した保育園の乳児クラス(1歳児)では、以下の物の準備が必要でした。

着替え(上下に分かれる物)・・・1日分として最低2~3セット
 ・肌着 ・シャツ ・ズボン ・靴下 ・水着(夏場のみ)
食事・おやつの時に使う物
 ・エプロン(1日2枚)
 ・口を拭くタオル(1日2枚)
 ・コップ
 ・コップを入れる袋(巾着袋)
外遊びの時に使う物
 ・園用の靴
 ・園用の靴を入れる袋(巾着袋)
 ・防寒着
 ・フェイスタオル
お昼寝の時に使う物
 ・敷布団カバー
 ・掛蒲団カバー
 ・バスタオル
 ・タオルケット
 ・フェイスタオル
 ・布団カバーを入れる袋(巾着袋)
おむつ
 ・紙おむつか布おむつか選べる
汚れものを持ちかえる袋
 ・1日4枚のビニール袋


園では、外遊びの後や、食事で汚した場合など、着替えをします。そのため、常に2~3組の着替えを園の引き出しにセットしておかねばなりません。双子の場合、全て2倍ですから、毎日、大量にお洗濯が必要です。毎日洗濯ができないこともありますから、着替えは質より、量です。

リストに書いた全ての物を双子分の2セット、月曜日の朝と金曜日の夕方は持ち帰らねばなりません。日々の送迎時にも、たくさんの着替えやおむつ、汚れものを持ち帰ります。それをまとめて入れられる、大きくて軽いママ用バッグも必要になります。


保育園グッズの制作

リストにある「○○を入れる袋」というのが、オリジナルで制作する入園準備グッズです。大体、どこの保育園も、布団カバーは作る必要があります。

裁縫が苦手でミシンも持っていない私。布地屋さんで作ってもらうか、既製品を買うしかないと思っていたところ、裁縫の得意な友人が作ってくれるというありがたい申し出。週末、夫に双子を託し、友人と共に、布地屋さんにGO!行ってびっくり、布地屋さんは、どこも入園準備物リストを握りしめたママたちで大混雑(保育園だけでなく、幼稚園も、小学校も入学準備品がありますから)。かわいい布地などは、売り切れも続出。ぜひ、入園準備物リストが配られたら、速攻で布地屋さんに行って、布地を確保することをお勧めします。また、できれば、子どもは預けて単身で行った方がいいです。会計するにも長蛇の列でした。

さて、布地屋さんに行って、双子ママならではの悩み(?)に向き合いました。それは、二人ともが気に入るような、かわいい布地がおそろいでなかなか見つからないことでした。できれば、おそろいのモチーフで、色違いで揃えたい。または、色は同じで、モチーフを違えたい。けれど、モチーフや色は、どちらかがかわいい、というような差が生じないようにしたい(女の子どうしの双子なので、動物モチーフならば、一人はウサギ、一人はワニだったら、やっぱり一般的にはウサギがよいと思うでしょう。色も、一人はピンク、一人は茶色だったら、やっぱりピンクがいいと思うでしょう)。そんな風にデザインにこだわり、さらに生地も適切な物を選ぼうと思うと、なかなか無いのです!あっても、もう端切れしか残っていなかったり(涙)。

結局、布団カバーは、同じゾウさんのモチーフで、薄いピンクと濃いピンクで揃えました。袋物は、ベースを同じ布にして、一部、色をオレンジとピンクの別の布を買って違いを出しました。


名前付けの苦労

保育園で使う物には、靴下1枚に至るまで、全て名前を書かないといけません。その名前のつけかたも、保育園によって異なります。我が家の娘たちの入園した保育園は、ありがたいことに、着替えなどは二人の区別をつけなくてよく、分かりやすいところに名字だけ書けばよいと言っていただけました。しかし、他の保育園は、それぞれの名前に加えて、それぞれの保育園でのマーク(注)も書かなければならいところもありました。

私は、名入れをしてくれるアイロンプリントのテープを注文し、子どもたちが寝静まってから、アイロンで付けました。(アイロンプリントも、名入れの場合は注文してから届くまで時間がかかります。また、無地のアイロンプリントも、売り切れるので早めに確保した方がいいです。)Tシャツや肌着などは、タグなどに直接マジックで名前を書きました。入園後も、名前付けは頻繁に発生します。常に、家にはマジックなどの名前付けグッズを用意しておくことをおすすめします。


送迎のシミュレーション

保育園への送迎は、毎日のことです。しかも、二人を連れて、たくさんの荷物を持って。雨の日、風の日、台風の日、一人がお休みで一人だけが登園する日、と変化もあります。送迎は誰が行くのか、どんな手段で行くのか、雨の場合はどうするかなど、家族とシミュレーションをして、できれば実際に予行練習をしておくことをおすすめします。保育園に駐車、駐輪スペースはあるのか、自転車やベビーカーは置いて行っていいのか、なども確認しておきましょう。

我が家の場合、入園した時は、双子は1歳になりたてでまだ歩けませんでした。なので、基本は徒歩で、ツインベビーカーに双子を乗せて送迎しました。雨の日は、マイカーで送迎しました(保育園の周囲に車を駐停車できる場所があるか、事前に確認を)。

双子が1歳後半になり、自転車に乗せられるようになったら、幼児二人乗せタイプの電動自転車を購入しました。約12万円の出費でしたが、電動にしたおかげで、たくさんの荷物と双子を乗せてもふらつかないし、坂道もスイスイ走れます。

双子の一人が病気になり、しかも自分が休めない時は、病後児保育所に預けています。その場合は、長男の学童保育所、元気な子の保育園、病気の子の病後児保育所の3ヶ所への送迎があります。朝は、長男は自分で登校できるので、夫と送迎を分担します。夫が出張などでいない時は、近所のファミリーサポートさんに元気な子の送迎をお願いしています。

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送迎は毎日、大荷物。仕事のバッグ、保育園の着替えやおむつを持ち帰るバッグ、背中には、二人分の布団カバーを背負って通っています。早く大きくなって、自分の足で通ってほしい。 


入園後の病気に備えて

保育園に入園してしばらくは、病気の洗礼を受けます。双子の場合、ダブルで発生。同時にかかることもあれば、五月雨で発病することもあります。一人が治ったと思ったら、もう一人が倒れる場合もあります。

保育園では、37.5度以上の熱があると預かってくれません。体温は、毎朝、自宅で検温し、連絡帳に記載します。受け入れの際、保育士が抱いて怪しいと思うと、その場で体温を測り直します。自宅で熱がなくても、保育園で測ってアウトになったこともありました。そのため、体温計は保育園と同じ物を買い、体温計による計測のブレが無いようにしました。

予防接種は、育児休業中に計画を立てて、できるだけ済ませておきました。また、水疱瘡などの任意接種のものも、スケジュールが合えば接種しました。保育園に入園すると、病気にかかって、思うように予防接種もできなくなりがちです。法定の予防接種を優先に、かかると重篤な病気のものから順番に受けていくといいと思います。

我が家の場合は、法定の予防接種(BCG・三種混合・ポリオ・麻疹・風疹)に加えて、HIBワクチンと水疱瘡は保育園入園前に接種することができました。しかし、保育園入園後のたび重なる病気のため、もうすぐ2歳になる今でも、ポリオの2回目と、三種混合の追加はまだ接種ができていません。任意のオタフク風邪も、まだ未接種です。なかなか、思うようには行かないものです。


病(後)児保育所への登録

自治体によっては、病気の子ども、または病気の回復期にある子どもを預かってくれる施設があります。私が住んでいる自治体には、定員4名の病後児保育所(回復期の子どもを預かる施設)が1ヶ所あります。利用するには、年度に1回、自治体への利用登録が必要です。もし、仕事を始めて、子どもが病気の際、病(後)児保育所に預ける可能性があるならば、利用登録は済ませておくことをおすすめします。私は、育児休業中に登録をして、施設の中も見学させて頂きました。預ける際の持ち物リストなどももらっておきました。


家事・育児のサポート体制を整える 

実家の助けがある場合や、夫と協力して育児・家事を担える場合は、必要ないかもしれませんが、核家族の我が家は、さまざまな育児支援サポートを利用して乗り切っています。そのサポートを通じて、助けてくださる方々のご好意に触れ、感謝の日々です。具体的には、次回のレポートで書きますが、どのようなサポートを利用しているか、紹介します。

・ファミリーサポート:自治体が運営し、住民の中で、育児サポートをしてくれる会員(協力会員)と育児サポートを依頼したい会員(依頼会員)の紹介をしてくれる制度です。紹介が成立すると、その後は協力会員と依頼会員の間でやり取りや謝礼のお支払をします。サポート中は、万が一の事故に備えて自治体による保険がかかっています。

・民間のベビーシッター会社:NPOやファミリーサポートと比べて、料金はかかりますが、子どもが病気の時や、ファミリーサポートさんのご都合がつかない時のピンチヒッターとして、お願いしています。シッターさんと子どもの相性もあるので、会員になる前に、ビジターとして利用して、2~3人、相性のよい方を見つけておくのもよいと思います。

・家事・育児支援のヘルパー:週に2回、家事の援助をお願いしています。私の場合は、NPOの家事・育児・介護支援団体の会員となり、平日の夜、洗濯や夕食づくりをサポートして頂いています。

・シルバー人材センター:単発での家事援助をお願いしています。どうしても手が回らない風呂場などの水回りの掃除や、窓ふきなどをお願いしています。

また、夫との家事や育児の分担や、どのように家事を段取るか、夫と相談しました。朝は何時に起きるか、誰が子ども達の着替えや支度をするか、誰が朝食を準備するか、誰が保育園に送っていくか。帰宅後は、洗濯や夕食づくり、風呂や寝かしつけなどの分担です。我が家は、夫の帰宅が遅いため、保育園への迎えから寝かしつけまでの家事・育児は主に私が行っています。一人では厳しいため、上記のヘルパーさんに週2回、来て頂いているのです。


片づけ 

自宅を、仕事を始めてから過ごしやすいように改造しましょう。毎日の双子の着替えや保育園グッズを準備しやすいように、家具や家具の置き場を、動線を考えて整えましょう。

できるだけ家事の負担を減らすために、もし可能なら、洗濯機を大型の物に変える、乾燥機付きの物にする、食洗機を買うなど、家電を見直すのもいい機会かもしれません。

大量の洗濯に備えて、洗濯物を干す道具なども、使いやすい物を揃えましょう。


復職前に、自分のメンテナンス 

私の場合、4月1日に双子が保育園に入園し、慣らし保育を終えて、4月15日から復職しました。復職までの2週間は、出産以来、初めて、双子を離れ、自分だけの時間が手に入る貴重な2週間です。私は、それを楽しみして、友人と会う、美容院やエステに行く、ゆっくりとレストランで食事する、会社に着て行く服を買いに行く等、さまざまな予定を入れました。

ところが、慣らし保育が始まって数日後、私は突然の吐き気と頭痛に襲われ、倒れてしまいました。1年間の双子の育児で張りつめていた気が緩み、疲れがどっと出てしまったようでした。復職すれば、さらに忙しい生活になります。母親は自分のことは最後にしてしまいがちですが、母親の健康あっての子どもたち、母親の健康あっての仕事です。もし、復職前に時間が取れれば、ずっと育児をがんばってきた自分をいたわる時間をゆったりと取ってください。

次回は、いよいよ仕事編。相次ぐ双子の病気などに翻弄されながら、ヘルパーさんやファミリーサポートさんなど、たくさんの方々に助けて頂いて、日々、奮闘している生活を書きたいと思います。


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(注) 保育園では、子どもは自分の持ち物などにつけるマークをそれぞれ卒園まで持っています。入園時に、動物・乗り物・食べ物などの候補から、ひとつ選びます。子どもたちは、字が読めなくても、そのマークを見て、誰の物なのかがわかります。我が家の双子たちは、「りんご」と「桃」のマークです。

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