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【ジャカルタ子育てジャーナル】 第2回 インターナショナルプレスクール

今回は長男が通うプレスクールを見学してきたのでレポートします。

ジャカルタの園事情

現地では、小学校の前に2年制の幼稚園があり、幼稚園の前には2年間、遊びが中心のプレイグループがあります。小学校・中学校は義務教育ですが、幼稚園とプレイグループは日本と同じように義務教育ではありません。ちなみに幼稚園はTK(テーカー)と呼ばれ、Nol Kecil(ノル クチール)とNol Besar(ノル ブサール)に分かれます。Kecilは小さい、Besarは大きいの意味で、Nolとは0(ゼロ)の意味です。いわば、日本の年少、年長という意味に当たります。そして小学校1年生の前に通うという意味で、幼稚園は「0(ゼロ)」なのかもしれません。

日本人の子どもたちはインドネシア語を使用するローカルの園ではなく、英語を第一言語とするインターナショナルプレスクールか、日本語を第一言語とする日系幼稚園に通うことがほとんどです。長男は、インターナショナルのプレスクールに通っています。

ジャカルタの日本人の人口は、2010年には11,701人だったのが、2015年10月時点では18,463人と飛躍的に増えています(外務省発表)。子どもたちの数も増え続けていて、幼稚部から中学校までのジャカルタ日本人学校(JJS)は定員がいっぱいで、空き待ちをしている人もいるほどです。日系幼稚園も数校ありますが、すべて南部にあり、中心部に住んでいる子どもたちからは遠い場所にあります。

私たち家族は中心部に住んでおり、長男が1歳9ヵ月の時、夫の会社から近い場所にあるインターナショナルプレスクールに入学させました。ジャカルタで生活するうえで車はかかせません。夫の会社からは1台車が支給されていますが、さらにもう1台家族用に車を購入して運転手を雇うとなるとお金がかかるので、我が家は夫と私で車をシェアしています。夫が出勤した後、運転手に戻ってきてもらい私と子どもをスクールまで送迎してもらっています。

また立地以外にこのスクールを選んだ理由は、お外遊びがしっかりあること。そして見学した際の、のびのびとした雰囲気が気に入りました。スペースを確保することが難しく、スクールによっては室内しか使わない所もあります。

インターナショナルプレスクールといっても、運営母体はオーストラリア系、ニュージーランド系、シンガポール系、ローカル系など様々です。スタッフはインドネシア人の先生のみのスクールもあれば、英語圏のネイティブの先生がいるスクールもあり、費用もそれに応じて変わってくるようです。

息子のスクール

さて息子のスクールは、中心部の東側に位置する全校生徒50人位の小さなローカルのインターナショナルプレスクールです。先生は全員インドネシア人ですが、プログラムはすべて英語で行われます。

1年が4学期に分かれており、だいたい8月頃から10月が1学期、10月から12月までが2学期、1月から3月までが3学期、3月から6月までが4学期となります。6月から7月にかけての夏期休暇中は特別プログラムのサマースクールが開催されます。ちなみにローカルの学校は基本2学期制で、1学期は7月から始まり、2学期は1月から始まります。

さて、息子のスクールのクラス分けは1歳半から2歳半まで、2歳半から3歳半まで、そして3歳半から4歳まで、それに4歳から6歳の4クラスになっています。息子は4歳半なので4歳から6歳の年長クラスに在籍しています。

私が見学した日、クラスのメンバーはインドネシア人2人、韓国人1人、ロシア人1人、中国人1人、日本人3人の計8人でした。他のスクールにも通わせているため週に2日だけ通う子どももいたり、お休みしていたりと人数に変動がありますが、だいたい10人前後のようです。この人数からも分かるように長男のスクールは日本人の比率が高い方です。日本人コミュニティの口コミを聞いて入学する子がいたり、比較的日本人が多く住むマンションの敷地内にスクールがあるということで、そこに住んでいる子どもたちが多く在籍しているという事情があります。日本人はほぼ全員駐在員の子どもです。

息子のクラスは担任の先生1人とアシスタントの先生1人でクラスを見ています。子ども7人に対して先生が最低1人と決まっているようです。小さい子どものクラスだと子ども4人に対して先生が1人ついています。

スクールの一日の流れ

息子のスクールは、朝8時15分ごろから子どもたちの受け入れを開始します。9時が始業時間で、一日の流れは以下の表のようになっています。

〈一日の流れ〉
9:00-9:15Greeting time朝のご挨拶・絵本の読み聞かせ
9:15-9:35Journal timeお絵かきや塗り絵など
9:35-9:50Outside timeお外遊び
9:50-10:00Large group timeダンスや歌など
10:00-10:15 Small group timeエクササイズや実験など
10:15-10:40 Snack timeおやつ
10:40-10:55Small group time 2エクササイズや実験など
10:55-11:05Planning time何をするか考え、発表する時間
11:05-11:35Working time自分で考えた活動をする
11:35-11:45Clean up timeお片付け
11:45-11:55 Recall timeWorking timeで何をしたか発表する
11:55-12:00Time to go home帰りのご挨拶
12:00-12:30Lunch time給食
12:30-13:25After school activity曜日ごとに勉強やダンスなど
13:25-13:30 Time to go home帰りのご挨拶

表のようなスケジュールは、子どもたちが分かりやすいように、イラストとともに壁に貼ってあります。チャイムなどがあるわけではなく、それぞれの時間になるとその日の当番の子どもが「It's ○○ time!!」と元気よく号令します。

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1日のスケジュール

スクールの様子

一日は「Greeting time」、朝の挨拶のお歌で始まります。

お外遊びでは、マンションに併設されている遊具などをつかって遊んだり敷地内をお散歩したりします。中庭で乗用玩具に乗って遊ぶこともあります。

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校庭(マンションの敷地)
下校後もマンション内の遊具などで遊ぶことができるので、お迎えの後もしばしば1時間半から2時間遊んで帰ります。車移動がほとんどで歩く機会が少ないジャカルタにいて、外で思い切り遊べる機会が多くあることはとてもありがたいことです。



私が見学したのは水曜でしたが、毎週水曜は朝から「Water fun activity」として、マンション敷地内のプールで遊びます。プール遊びは「Snack time」の前の「Small group time」までの時間を使います。全クラスからプール遊びに参加する子どもたちを集めて、一斉に遊びます。プールに入る前には準備体操をして、そのあとは各自自由に遊びます。長男はこの時間が大好きです。

一方、体調がすぐれない子どもはもちろん、気乗りしない子どももいますが、その子どもたちは無理に参加しません。保護者の判断に委ねられています。参加しない子どもたちはそれぞれのクラスで過ごすことになります。この日は、お外遊びをした後に、絵本を読んだり、お絵かきなどをして過ごしていました。

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プール前の体操の風景プール遊び風景(息子)


教室では、よく使うものはそれぞれかごに分けられて取り出しやすいようにしてあります。これは非常に便利で、家でも参考にしたいと思いました。

スクールは「学ぶことを楽しむ」を方針としています。遊びの中で学ぶことをコンセプトにしていて、椅子に座ってきっちりお勉強という時間は少ないように感じます。沢山の工作材料を自由に使える場所に置き、子どもたちの創作意欲をかき立てています。また「HOUSE AREA(ままごと遊び)」「BLOCK AREA(ブロック遊び)」「BOOK AREA(本)」「TOY AREA(おもちゃ)」「ART AREA(工作)」と、エリアを分けてあり、子どもたちが目的をもって遊べるように環境を整えてあります。

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うちでも参考にしたい整理整頓


この日の「Snack time」、おやつの時間のメニューはアスパラガスクリームスープで、私も一緒にいただきました。おやつとランチは、このスクール内で作っています。インドネシアは濃い味付けが多いイメージですが、この日のスープは子どもたちに丁度よい味付けだったようで、息子もお代わりをしていました。私も美味しくいただきました。日によってはインドネシア料理だったり、rice ball(おにぎり)の日もあります。日本の給食と同じように1カ月のメニュー表が配られ、毎日のメニューがチェックできます。食べられないメニューの時は別の食べ物を持参したり、毎日お気に入りのヤクルト(インドネシアでも普通にスーパーに売られています。日本で買うものよりあっさりした味です)を持ってくる子どももいたりと、ほかの子が欲しがるから持ってきてはいけないということは言われません。

表の「Small group time」では、クラス全員で、もしくは2グループに分かれ、実験や工作などをします。この日の「Small group time 2」では、パイプの役割について学んでいました。穴の開いたパイプの上から水を入れたら下から流れてくるという、大人にとっては当たり前の現象を、子どもたちは食い入るように見つめていました。子どもたち自らパイプの上から水を注いでみて、出てきた時の嬉しそうな顔は万国共通です。

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Small group time


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パイプに興味津々


その後の「Planning time」というのは、この後の各自が何をしても良い「Working time」に何をしたいかを考え、みんなの前で発表する時間です。先生が子ども一人一人に何をするのか、インタビューします。その日は、「何かを作る」と発表した子どもが多くいました。かくれんぼをしたいと言った子どももいました。そのほか、「○○君と○○をして遊ぶ」などと遊びたい相手を発表することもあると聞いて驚きました。指名された子どもが一緒に遊びたくない場合は、ほかに一緒に遊びたい子どもがいるか、先生が募って調整するようです。

この時間は自由な活動の時間なので、紙を切って工作をしている子どももいれば、先生とかくれんぼをしている子どももいたり、教室にある着ぐるみを着ておままごとをする子ども、修理だと言っておもちゃの工具でトンテンカンテンおもちゃの家を直している子どももいました。

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お片付けの後の「Recall time」では、誰と何をして遊んだかを発表します。長男は「I make a train」(紙をつなぎ合わせて長い電車を作っていました)と言っていました。

その後お昼までの時間を使って、一人一人に積み木が配られ「何個あるか」「隣のお友達と比べてどちらが多いか」という数の授業をしていました。

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ブロック数え


お昼になると、午後のプログラムに参加しない子どもたちはここで解散になります。それ以外の子どもたちは、全クラス集まってみんなで一緒に給食を食べます。午後のプログラムへの参加は、子どもがそのアクティビティーを希望している、または保護者がやらせたい、保護者が自分の時間を確保したいなど様々な理由があります。私の場合は、もっぱら自分の時間の確保と、子どものお昼ご飯を作る必要がないためという理由が大きくあります・・・。お勉強や運動など子どもも楽しんでいるので一石二鳥です。

給食を食べ終わった後は全クラスの希望者合同の「After school activity」の時間です。この時間は、月曜日は英語、火曜日は図画工作、水曜はダンス、木曜はテコンドー、金曜は算数、というようにプログラムが決まっています。また小さい子どもで延長希望者は、ダンス以外のアクティビティーの時は別室で下校時間まで遊びます。私が見学をした日のアクティビティーはダンスでした。ダンスとテコンドーは外部からの先生を招いて指導してもらいます。みんなノリノリで楽しんでいました。私の息子は疲れた~と休んでいましたが・・・。

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ダンスのアクティビティー


13:30で、一日は終了、お迎えの時間になります。

見学してみて

長男が通うスクールは遊びの中で学ぶスタイルで、アットホームな雰囲気があります。そして自主性を重んじています。やらされているのではなく、子どもが考え、発表して実行し、また見直すことで、今何をしているかを常に考える力が身に付き、自己管理能力が育つと考えられています。そこから理論的に考えることができるようになるのかもしれません。自己表現力を磨くことにもなると思いました。

また、長男のスクールには常に2人の用務員の男性がいて、乗用玩具や机、椅子の出し入れや食事後の片づけなどを素早くやってくれます。そして1日2回の清掃で、教室内も綺麗に保たれています。

基本的に、教室内では靴を脱ぐのですが、場合によっては靴を履いたままだったりと、あまり徹底されていないところは気になりました。

息子は、イベントやお誕生会、給食やアフタースクールのアクティビティーなどで年齢の違う子どもたちと接する機会が多いので、全クラスのお友だちの名前をほとんど覚えています。年齢の違うお友だちと接することは、年下を思いやるなど子どもの成長にとって良い効果があるのではないかと思います。

筆者プロフィール
岸田佐代子(きしださよこ)
メーカー勤務から地方局契約アナウンサーを経て結婚と同時に夫の赴任先のアメリカ・ジョージア州へ転居。
帰国後フリーアナウンサーとしてリポーターや司会の仕事を行い、2012年夫の転勤に伴いインドネシア・ジャカルタへ渡航。現在に至る。
2児の母。趣味はテニス、ヨガ。
愛犬はトイ・プードル。
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