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【ジャカルタ子育てジャーナル】 第1回 インドネシア・ジャカルタの基本情報

はじめまして!2012年8月、夫の赴任先のインドネシア・ジャカルタへ、当時生後4カ月になる息子と愛犬を連れてやってきました。現在は次男も生まれ、4歳児と1歳児の育児に奮闘しています。(余談ですが犬は帰国してしまいました。またこの話は後日。)

この地で子育てをしてきた経験や見聞きしたことを元に、これからインドネシア、特にジャカルタでの子育て・保育事情に関してリポートします。少しでもジャカルタでの生活を知っていただけたら嬉しく思います。

初めてのジャカルタ

初めてジャカルタに降り立って感じたのは、日本の夏とはまた違った埃を含んだ生温かい空気とたばこの臭い。「異国に来たんだ」と実感しました。そして自宅のアパートまでの渋滞に面食らい(渋滞がないと30分のところ2時間かかったりすることもよくあります)、巨大なビルのはざまで壊れかけた小さな家々がひしめいているコントラストを見て、急激な経済発展から置いてきぼりにされた人々の存在があることを思い知らされました。ストリートチルドレンを見て心が痛み、4ヵ月の我が子はなんて幸せな境遇にあるのだろうと、複雑な思いがわいてきました。

これが私にとってのジャカルタの第一印象です。慣れとは怖いもので、4年も経つと街のコントラストに何かを思うことも少なくなり、今回改めて街を見渡す良いきっかけをいただきました。

第1回目となる今回は、インドネシア・ジャカルタの基本情報についてご紹介します。

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ジャカルタの街並み


インドネシア・ジャカルタの基本情報

インドネシアは、東南アジアの南部に位置する、多くの島からなる国です。その数は約13,000にもなり、そのうち約6,000の島々に人々が住んでいるそうです。面積は約189万平方キロメートル、日本の約5倍になります(外務省)。

位置)
ジャカルタはジャワ島の西部に位置する、インドネシアの首都です。飛行機で日本の成田空港から約7時間半かかります。


気候)
インドネシアは赤道付近のため年中暑く、熱帯性気候で雨季と乾季があります。最近では乾季でも雨が降り、雨季でも雨がなかなか降らないなど世界的な異常気象をこちらでも感じます。4月から9月が乾季で10月から3月が雨季と言われていますが、5月にバリ島に遊びに行った時、3日間ずっと雨で外に出られずプールにもほとんど入れないなんてことがありました。

雨季の時期の雨は日本の梅雨のような雨ではなく、バケツをひっくり返したような雨が短時間に降ります。そして1~2時間降っただけで小さな洪水があちらこちらで起きます。治水対策にも問題があるようです。

私も、水に浸かった道路を車で走っていて(私は運転していませんが)立ち往生してしまった経験が2度あります。

時差)
インドネシアは西部、中部、東部とありますが、ジャカルタのある西部は日本時間マイナス2時間です。日本が午前10時だとこちらは午前8時になります。

人口)
インドネシアの人口は約2.55億人(2015年、インドネシア政府統計)と、世界第4位の規模です。ジャカルタの人口は1,017万人(2015年、インドネシア政府統計)。ちなみに東京都の人口は1,360万人で、ジャカルタの人口密度は東京都23区とほぼ同じくらいになります。

宗教)
インドネシアにおけるイスラム教徒の割合は約9割だそうです。その為ジャカルタで暮らしていると、ムスリムでなくてもイスラム教を身近に感じることになります。

ジャカルタではイスラム教徒の礼拝場であるモスクが至る所にあります。1日5回、礼拝の前のアザーン(礼拝への呼びかけのアナウンス)が街中に響き渡っています。朝は4時過ぎ頃からでしょうか。慣れるまでは朝方起きてしまうこともしばしば・・・。

また断食の期間の約1カ月は、ムスリムの人々は日中飲食をしません。この時期は少しピリピリした雰囲気に包まれます。お腹を空かせていそうな人々が道路の脇で寝転がったり、店先でぼーっとしている光景をよく見かけます。レストランも外から見えないようにカバーされていたり、お昼は休んで夕方からしか開けないなど、普段とは街の様子が少し変わります。

夕方レストランに行くと、ブカプアサ(断食明け)を家族や友人と過ごそうとする人たちで賑わいます。しかし、日没の断食明けまでは飲食できないので、注文した食べ物を目の前にしてじっと待っています。私には耐えられないなと思いますが、彼らからすると毎年のことで慣れているから大丈夫と言います。

子どもたちも7歳頃から断食を始めるそうです。まずは短時間から始め、徐々に断食の時間を延ばして練習するそうです。

言葉)
公用語はインドネシア語です。しかし、インドネシア各地ではその地域の言葉(バリ語・ジャワ語・スンダ語など)が使われていて583種類以上の言葉があります(観光省)。

ショッピングモールやホテルなどでは英語がわかる人が大抵いるからか、欧米人の中には滞在中、英語で通してインドネシア語を勉強しない人がいますが、日本人駐在員の妻は大抵インドネシア語を勉強し、最低限生活に困らない程度話せるようになる人が多いです。英語に自信がないというのもあるでしょうが、郷に入れば郷に従えの姿勢で、まずは語学学校に通い、運転手さんやメイドさんとの会話で実践を積む人が多いようです。

インドネシア人の国民性)
インドネシア人の気質は、日本人に比べてゆったりとしていて、子ども好きな人が多く、子どもを連れていると温かい目で見てくれます。レストランに赤ちゃんを連れて行くと、ウェイトレスさんが抱っこしてくれ他のウェイトレスさんたちと仕事そっちのけであやしてくれてしばらく帰ってこないことがよくありました。初めは我が子はどこへ?とハラハラしましたが、そのうち我が子もご機嫌だし、私たちもゆっくりご飯が食べられると喜んだものです。

またインドネシア人のゆったりとした性格の部分は、きっちりしたい日本人からすると気を揉むこともしばしば。地元の人たちで賑わうモールはオープン時間の10時に行っても開店していないお店がほとんどで、まだシャッターも閉まっていたりします。壊れたエアコンの修理を依頼しても、10時の約束で業者が来たのが夕方4時だったとか。

インドネシア語の「jam karet(ジャム・カレット)」は直訳すると「ゴムの時間」。時間にルーズなインドネシア人を指す言葉です。世界ワースト2の渋滞の町(Waze Mobile社調べ)で、時間が読めないという部分もありますが、インドネシア人の元々の気質がのんびり、ゆっくりなのでしょう。

交通事情)
先にも述べましたが、渋滞がひどく、運転も荒いという現地の交通事情のため、一般の日本人駐在員はほとんどが自分で運転をすることなく(会社から許されていないことが多いです)、車をリース又は購入して運転手を雇っています。優雅に聞こえるかもしれませんが、ジャカルタは歩道が整備されておらず、治安も良いとは言えない環境で外を出歩けないので、日本のように自分で車を運転したり、バスや電車に乗ってどこにでも行けるのは有り難いことだと実感します。


今回は、インドネシア・ジャカルタの基本情報をご紹介しました。次回以降、少しずつ詳細をお伝えしていきたいと思います。

次回は息子のインターナショナルプレスクールでの一日をリポートしたいと思います!

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ジャカルタの街並み


筆者プロフィール
岸田佐代子(きしださよこ)
メーカー勤務から地方局契約アナウンサーを経て結婚と同時に夫の赴任先のアメリカ・ジョージア州へ転居。
帰国後フリーアナウンサーとしてリポーターや司会の仕事を行い、2012年夫の転勤に伴いインドネシア・ジャカルタへ渡航。現在に至る。
2児の母。趣味はテニス、ヨガ。
愛犬はトイ・プードル。
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