登校初日
8月の最終土曜日に入学式が行われたことは、前回、前々回のレポートでもお伝えしましたが、翌週の月曜日からいよいよ新1年生としての生活が始まりました。学校は8時始業ですが、我が家の朝のスケジュールは保育園の時と同じ。息子は7時に起床、朝食後、7時40分頃に家を出ます。前夜、息子は自分で7時に目覚まし時計をセットしていましたが、当日は緊張していたのか、6時半に私が起床すると一緒に起きてきました。しっかり朝食をとって、いよいよ登校です!
「ドイツの子育て・保育事情~ベルリンの場合 第24回」でもお伝えしたとおり、こちらでは集団登校の習慣はないので、小学校低学年の間は保護者が一緒に登校します。といっても、学校は自宅から5分程度のところ。電車を乗り継いで1時間弱かけて通っていた保育園の通園に比べると、本当に楽です!
通常、保護者は通用門もしくは校舎の入口まで同行します。ここで、子どもたちは「行ってきまーす!」とお別れの挨拶をしますが、入学後の最初の1週間は子どもの荷物が多いので、特別に教室まで一緒に行くことが許されていました。
小学校の門をくぐり、校舎まで行くと、入口は多くの保護者と子どもたちでごったがえしています。聞くところによると、始業10分前の7時50分までは校舎のドアは閉められているとのこと。時間になると、ジリジリジリとベルがなり、守衛がドアを開け、子どもたちが一斉に校舎に入っていきます。私たちもその流れに乗ろうとしましたが、多くの保護者が同行していたこともあり、狭い入口付近はさながら日本のラッシュアワーの電車の入口のように大混雑!息子は完全に怖気づいてしまいました。
息子を抱きかかえるようにして、なんとか教室まで到着!ひまわりの花が飾られている可愛い雰囲気の教室には5つぐらいのグループに分けて机が配置されています。息子が属する「ひまわり組」は1-2年生合同、23人編成なので、1グループ大体4-5人ずつの席になっているようでした。黒板に向かって前方の3つのグループは1年生、後方の2つのグループは2年生の席だそうです。各机に名札が置いてあり、誰がどこに座るのかわかるようになっていました。
息子の席は、一番前の真ん中、先生の目の前!「先生の目の前なら安心だわ」と少しほっとしながら、ランドセルや荷物を所定の場所に置くのを手伝っていると、「ママ、行かないでー!」と誰かの泣き声が聞こえてきます。驚いて声の方に目を向けると、息子の隣の席の男の子が、半べそをかきながら母親に訴えています。先日まで保育園児だった子どもたちですから、新しい環境に置かれて、不安になるのもわかりますが、内心「この雰囲気が伝染しないといいなあ・・・」と祈っていました。すると、息子の前の席に座っていた男の子のパパが「あ、お前と似た名前の男の子がいるね。よろしく!」とこちらに向かって話しかけてくれました。その男の子もニコニコしながら私たちに「ハロー!」と挨拶してきます。これで息子も気分がほぐれたのか、保護者たちが教室を出る時間になっても笑顔で手をふってくれました。
時間割
次に息子のクラスの時間割をご紹介したいと思いますが、ベルリンでは小学校ごとに特色や重点科目が異なるので、市内全ての小学校の時間割やシステムが下記と必ずしも同様ではないことをご了承下さい。
時間枠/曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
登校 7:50-8:00 |
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1時限目 8:00-8:45 |
社会 | 算数 | 道徳/ 学童保育/ 自宅待機 |
算数 | 体育 |
朝食 8:45-9:00 |
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2時限目 9:00-9:45 |
ドイツ語 | ドイツ語 | 算数 | プロジェクト | 体育 |
外遊び休憩① 9:45-10:05 |
|||||
3時限目 10:10-10:55 |
ドイツ語 | ドイツ語 | ドイツ語 | ドイツ語 | 算数 |
4時限目 11:00-11:45 |
算数 | 体育 | プロジェクト | 自由時間 (学童保育、 給食) |
図画工作 |
外遊び休憩② 11:45-12:10 |
(給食) | ||||
5時限目 12:15-13:00 |
自由時間 (学童保育、 給食) |
音楽 | 自由時間 (学童保育、 給食) |
ドイツ語 | 図画工作 |
6時限目 13:05-13:55 |
算数 | (給食) | 音楽 | ドイツ語 | |
下校/学童保育 |
今後の記事にて、追々、各教科や学童保育については説明していきたいと思いますが、まず時間割に沿って説明すると、1時限目の後の「朝食」時間には、持参したお弁当を先生も一緒にみんなで教室にて食べるそうです。ちなみに、お弁当箱は学校で配布されたので、皆同じものを使っている模様。内容は、作るのも食べるのも簡単なパンやサンドイッチがほとんどだそうです。自宅で朝食をとっている息子にとっては「二回目の朝食」となりますが、この習慣は保育園でもありましたし、夫の勤める会社でも行われていますから、一般的に朝が早いドイツではよく行われている習慣のようです。
また、息子を含めてほとんどの子どもたちが放課後に学童保育にお世話になっているので、午後のおやつ分も合わせて二食分の分量を持参しています。保育園の時には、朝食やおやつを含む全ての食べ物は園で用意されていたので、その点は当時の方が楽でした。

ある日のお弁当(朝食):学校で配布されたお弁当箱につめたサンドイッチと果物
ここで「"給食"という時間枠がない」、とお気づきになられた方もいるかもしれません。日本では「給食の時間」が一律にとられ、皆で一斉に同じものを教室で食べていた記憶がありますが、こちらでは少しシステムが異なるようです。
息子の学校では昼食時間は毎日固定されていません。というのも、ベルリンの公立小学校では給食を申し込み、1か月24ユーロ(約3,200円)の料金を払えば、温かい食事が食堂で提供されますが、全ての児童が学校給食を利用している訳ではないからです。ちなみに、「ひまわり組」では息子を含むほとんどのクラスメートは給食の申し込みをしているそうです。
彼らは、月、水、木曜日は自由時間に、火曜日は5時限目の授業が終わってから、そして金曜日は外遊び休憩中に食堂に出向いて、昼食をとっているとのこと。他のクラスは別の時間帯に食べているそうです。
各クラスとも、基本的に食堂へは学童保育担当の保育士に連れられて一斉に移動します。給食の申し込みをしていない児童も、一日のスケジュールが終わるまでは教師もしくは保育士とともに行動しなければならないので、火曜日以外は一緒に食堂に行きます。他の児童が昼食をとっている間、彼らはお水やお茶を飲んで待っているようです。
ちなみに、この食堂ではカフェテリア形式をとっており、メインメニューは通常2種類から選ぶことができます。さらに、サラダバー、デザートの果物やヨーグルトなども提供されています。

ある日の給食「カボチャのスープとバゲット デザートはりんご」
食いしん坊の息子は「朝食時間」と「給食時間」がとても楽しみのようで、しばしば「今日は給食で僕の大好きなパスタを食べて、美味しかったよ!」とか「お弁当の時間に、お友達とサンドイッチを取り換えっこしたの」など楽しそうに話をしてくれます。
最後に「外遊び休憩」の説明をしたいと思います。午前中に2回あるこの休み時間ですが、かなりの悪天候でない限り、「校庭に出て遊ばなければならない」ようです。教室に残ることは基本的に許されておらず、先生も屋外に出て、子どもたちに目を配っているとのこと。保育園でも同様に、天候に関わらず毎日散歩に出かけたり、園庭で遊んだりしていましたが、長くて厳しい冬を越すための体力作りは小学校でも行われているようです。
息子も有り余るエネルギーを、毎日校庭で発散しているようで、成長を嬉しく感じています。しかしその一方で、天候が悪く、洗濯物が乾きにくい秋冬でも、砂や泥まみれになった洗濯物の量は一向に減らず・・・息子のエネルギー量と泥んこの量は比例しているようです。少し複雑な心境で、分厚いコートやブーツにこびりついた汚れ落としに日々励む母親でした。
次回以降、順を追って時間割の説明をしていこうと思いますが、 次回は、小学校1年生のドイツ語(国語)の授業についてお伝えしたいと思います。