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【2月】オーストラリアの首相が発表した白書

2013年2月22日掲載
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昨年(2012年)の10月28日に発表された、オーストラリアのジュリア・ギラード首相の白書を読む機会があった。この白書は「アジアの世紀におけるオーストラリア」というタイトルが付けられていた。読んで感銘を受けたので、2月のコラムとして述べることにする。

まずこのように、次の時代を考えた白書がオーストラリアの首相から出されたことに驚いた。日本の総理大臣によるこのような先を見据えた白書は、あるかもしれないが、最近では私には見た覚えがない。日本の総理大臣の出した白書は、目の前の問題に対応するものしか思い出せない。おそらく、政治が混乱しているために先の事など考えられないのであろう。

「21世紀はアジアの世紀」と言われて久しいが、既に21世紀に入って12年も経っている。21世紀は、私たちの住むアジアが世界経済の拠点となるという。したがって、物質や情報も恐らく世界で最も多く生産され、その集約発信サービスの中心をアジアが担うことになるのは間違いないという。同時に、物質エネルギーも最も多く消費される場所になると言われている。現在、アジア地域の繁栄の規模の大きさと、その増大する速度は驚異的となっているからである。

そんな時代にオーストラリアがその責任を果たせるように、白書では2025年までの13年間に到達すべき目標を設定している。まずはGDPであるが、2011年に13位であったGDPを、世界のトップ10に入れるようにするという。そして、オーストラリアの生産性を世界のトップ5に、大学10校を世界のトップ100の大学にランク付けされるようにしなければならないとしている。

アジア地域に関する知識の教育 をオーストラリアの学校カリキュラムの中核とすることもうたわれている。また、アジアの言語(中国語、ヒンドゥー語、インドネシア語、日本語)を学ぶことができるようにするという。

オーストラリアのリーダーはアジアについて学び、トップ200社および政府関連組織の役員の1/3が、アジア各国で仕事をして、経験と、必要な知識をもつようにするという。さらに、オーストラリアの経済はアジア各国と関係し、アジア各国との貿易をGDP比で現在の1/4から1/3まで引き上げるようにするという。

2025年はこれから10年以上先であり、それなりの変化が起こるものと思う。ギラード首相は、現在の幼稚園の子どもたちは高校を卒業する時には、アジアに関する知識を身に付けているようになるという。学校教育を通して、アジアに関連する知識を得られる科目を選ぶことができるし、アジアの言語を選んで勉強することができるからである。

私はオーストラリアに2度行っているが、1990年代に行った時にも、日本語を学んでいる中学生、高校生がいたのに驚いた。今から20年以上も前から、オーストラリア政府は将来のアジア戦略を考え実践していたことを改めて知って、感銘を受けた。

国のリーダー達がこのように考えていることは、大変重要である。日本もオーストラリアに学んで、アジアの時代をリードできる人材を育てる必要があるのではないだろうか。

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