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CRNアジア子ども学研究ネットワーク
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※「CRNアジア子ども学交流プログラム」は、2018年3月19日をもって「CRNアジア子ども学研究ネットワーク(CRNA)」に改名いたしました。

交流活動
Interactive Activities
CRNアジア子ども学研究ネットワーク(CRNA)第3回国際会議

●CRNアジア子ども学研究ネットワーク(CRNA)第3回国際会議速報

2019年9月25日(水)~27日(金)、CRNアジア子ども学研究ネットワーク(CRNA)の第3回国際会議が、インドネシア・ジャカルタにて開催されました。インドネシアをはじめとするアジア諸国・地域より研究者、園の先生、学生など、約200人が参加しました。その概要をお伝えします。プログラムの詳細な内容は、後日順次掲載していきます。(なお、登壇者の肩書は当時のものです)

大会のテーマは、「子どものウェル・ビーイングのための教育と子育て」です。初めに、主催者を代表してソフィア・ハルタティ氏(ジャカルタ国立大学)、続いて朱家雄氏(華東師範大学名誉教授、CRNA理事長)より開会宣言が行われました。その後、各国・地域の研究者が、様々な視点から、アジアの子どもの発達とその子育て、保育・教育にかかわる諸問題について、基調講演やワークショップなどを通して議論しました。

第1部:各国の専門家による基調講演

基調講演1:子どものQOLと自尊感情 (榊原 洋一/日本 CRN所長、お茶の水女子大学名誉教授)

大会最初の基調講演は、CRN所長でありCRNAの理事長でもある榊原洋一氏によるものでした。榊原氏は、子どもの健全な発育のために身体面だけでなく精神面や社会的側面、つまりQOLにも目を向けることの重要性について述べました。その後、子どものQOL向上のために、自尊感情の育成がいかに大事であるかについて、数々の研究結果をもとに紹介しました。(詳細な講演録はこちら

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基調講演2:インクルーシブ教育を通して高める子どものウェル・ビーイング (テルマ・ミンゴア/フィリピン デ・ラ・サール大学助教授)

続いての基調講演は、フィリピンのテルマ・ミンゴア氏によるもので、テーマはインクルーシブ教育です。ミンゴア氏は、特別な支援を必要とする子どものウェル・ビーイングの向上を図るための措置は、そのまま健常児のウェル・ビーイングの向上にもつながると説き、そのためには誰もが恩恵を受けるインクルーシブ教育が肝要であると主張しました。(詳細な講演録はこちら

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基調講演3:マレーシアの幼児教育におけるSTE(A)M教育 (アミナ・アヨブ/マレーシア スルタン・イドリス教育大学名誉教授)

初日の3番目に登場したのは、マレーシアの幼児教育へのSTE(A)M導入の第一人者であるアミナ・アヨブ氏です。まずマレーシアの幼児教育の全容について簡単に紹介したのち、まだ新しい概念であるSTE(A)M教育に対する様々な捉え方や、それがなぜ現在注目されているのかについて述べました。その後、マレーシアの幼児教育施設にて実際にSTEM教育を導入した研究事例において、導入後の保育者と子どもたちの反応や成果について報告し、幼児教育段階におけるSTEM導入の重要性を説きました。

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基調講演4:インドネシアのECCEおよび子育て政策 (ハリス・イスカンダル/インドネシア 教育文化省 幼児教育・地域教育総局長)

2日目のトップ・バッターとして登場したハリス・イスカンダル氏は、今大会の開催地であるインドネシアのECCE(Early Childhood Care and Education)および子育てについて、主に政策面から紹介しました。前半では、長い人生の中において幼児期がいかに大きな意味をもつかについて述べ、2030年までに就学前教育における一年間の義務教育化を目指すインドネシアの政策の紹介がありました。後半では、保育者や保護者、研究者、政策決定者など子どもを取り巻くすべての人々が連携することで、困難化するデジタル時代の子育てを支援することができるのではないかと結論付けました。

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基調講演5:遊びの処方箋-なぜ遊びは社会的・認知的発達を促進するのか-(キャシー・ハーシュ=パセック/米国 テンプル大学教授)
子どもの言語発達はなぜ重要なのか-質の高い言語環境は質の高い学び環境を創る-(ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ/米国 デラウェア大学教授)

続いての基調講演は、米国の発達心理学の第一人者によるビデオ講演です。1人目のハーシュ=パセック氏は、子どもの社会的・認知的発達を促進するにあたってのプレイフル・ラーニングや、周囲の大人の働きかけの重要性について紹介しました。2人目のゴリンコフ氏は、質の高い言語環境で育てることで生産性の高い人間が育まれるとし、子どもと周りの大人との共通の興味関心にもとづいた会話がそれを促進すると説きました。

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基調講演6:誰も置き去りにしない-子どもの発育不良に対するインドネシアの挑戦- (ファスリ・ジャラル/インドネシア ヤルシ大学学長)

2日目の午後に登場した、元インドネシア国家教育省副大臣であるファスリ・ジャラル氏は、インドネシアの子どもたちの発育不良の問題に言及し、それが認知的な発達の遅れや学業成績、ひいては将来における生産性の低下などにもつながると報告。関係各所の協力なしには課題解決を成し遂げることはできないと強く主張しました。

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基調講演7:園での遊びの中の育ちや学びをみとり可視化する (北野 幸子/日本 神戸大学大学院准教授)

最終日の午後には、日本の北野幸子氏による講演が行われました。北野氏は、保育の専門家の間で当たり前であることが、必ずしも広く一般に知られているわけではないと説き、子どもが遊びを通して学んでいることを可視化することの重要性を主張。相関分析やドキュメンテーションなど、様々な可視化の方法を紹介したうえで、園における保護者を巻き込んだ活動を通してどのように保護者の意識が変化したかについて、事例として報告しました。

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第2部:その他の講演、パネルディスカッション、ワークショップ

上記で紹介した7本の基調講演以外では、まず初日に「子どもの社会情動的スキルの育成は学びを促進する:日本の縦断調査より」と題した講演が行われました。講演者は日本の高岡純子氏(ベネッセ教育総合研究所 学び・生活研究室 室長)で、子どもの社会情動的スキルを育むためには家庭や園でどのような働きかけをするとよいのかについて、幼児期から小学4年生に至るまでの縦断調査結果に基づいた提案がありました。

2日目の午後にはパネルディスカッションが行われ、「メディアと子どもの神経発達」と題した発表が榊原洋一氏より、また「脆弱なコミュニティにおける子ども支援のための社会工学的方法」と題した発表が、インドネシアのマウラナ・クスマー氏(ジェンバー大学准教授)よりありました。

最終日の午後には、台湾の張世宗氏(子どもの遊ぶ権利のための国際協会台湾支部(IPAT)理事長)より「紙で行う遊び」と題したワークショップが行われました。新聞紙や折り紙を折ったりちぎったりするだけであっという間に出来上がる紙の帽子や衣服の数々に、会場のあちこちで歓声が上がりました。

大会の最後には、CRNA理事長である榊原洋一氏より、「21世紀はアジアの時代であると言われており、アジアの子ども達のよりよい『成育』のために、各国の多分野の専門家、実践者、保護者を一堂に会し、様々な立場から子どもを取り巻く諸問題について議論することで、解決の糸口を探っていきたい」というCRNアジア子ども学研究ネットワーク(CRNA)発足にあたって立てた活動理念の共有がありました。大会の場に集まった参加者の将来的な協力の可能性を確認し合いながら、3日間にわたるCRNA第3回国際会議は閉会しました。

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●CRNアジア子ども学研究ネットワーク(CRNA)第3回国際会議概要

大会テーマ:
子どものウェル・ビーイングのための教育と子育て

CRNA第3回国際会議では、アジアの子どものウェル・ビーイングのために、教育と子育ての観点からできることを焦点に議論します。 子どもの発達とそれを取り巻く環境の両側面から、新たな視点を導き出すことを目指します。

アジアの子どもたちのウェル・ビーイングに貢献できるような、交流の場にしたいと考えています。

テーマ 子どものウェル・ビーイングのための教育と子育て
サブテーマ 1.乳幼児期の教育・ケア政策
2.特別支援教育
3.STEM/STEAM教育
4.保育者の専門性
5.乳幼児期の遊びと学びの質と環境
6.インドネシアの重点課題:子どもの栄養問題とECEC
日時 2019年9月25日(水)~27日(金)(受付開始 8:00)
場所 インドネシア ジャカルタ国立大学
言語 英語、インドネシア語
主催 チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)、ジャカルタ国立大学
申込受付 9月20日まで受け付けいたします。
基調講演者
(一部)
Yoichi Sakakihara 榊原 洋一 先生/ 日本(CRN所長、お茶の水女子大学名誉教授)
講演テーマ:
子どものQuality of Life(QOL)
Kathy Hirsh-Pasek Kathy Hirsh-Pasek 先生/ 米国(テンプル大学教授)
講演テーマ:
遊びの処方箋
-なぜ遊びは社会的・認知的発達を促進するのか-
Kitano, Sachiko 北野 幸子 先生/日本(神戸大学大学院准教授)
講演テーマ:
園での遊びの中の育ちや学びをみとり可視化する
Aminah binti Ayob Aminah binti Ayob 先生/マレーシア
(スルタン・イドリス教育大学名誉教授)
講演テーマ:
マレーシアの幼児教育におけるSTE(A)Mの取り組み
※インドネシア、フィリピン、台湾、中国大陸、タイからも多数の専門家が参加予定です。

●プログラム

1日目:2019年9月25日(水)
時間 内容
9:00-10:00 開会式
10:00-10:15 休憩
10:15-12:00 基調講演1:榊原 洋一/日本(CRN所長、お茶の水女子大学名誉教授)
12:00-13:00 お昼休憩
13:00-14:30 基調講演2:テルマ・ミンゴア/フィリピン(デ・ラ・サール大学助教授)
14:30-14:45 休憩
14:45-16:15 基調講演3:アミナ・アヨブ/マレーシア(スルタン・イドリス教育大学名誉教授)
16:15-17:00 講演:高岡 純子/日本(ベネッセ教育総合研究所 学び・生活研究室 室長)

2日目:2019年9月26日(木)

時間 内容
9:00-10:30 基調講演4: ハリス・イスカンダル/インドネシア(教育文化省 幼児教育・地域教育総局長)
10:30-10:45 休憩
10:45-12:00 基調講演5:キャシー・ハーシュ=パセック/米国(テンプル大学教授)
ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ/米国(デラウェア大学教授)
12:00-13:00 お昼休憩
13:00-14:30 基調講演6:ファスリ・ジャラル/インドネシア(ヤルシ大学学長)
14:30-14:45 休憩
14:45-15:45 パネルディスカッション
15:45-17:00 口頭発表

3日目:2019年9月27日(金)

時間 内容
9:00-11:00 口頭発表
11:00-13:00 金曜礼拝・お昼休憩
13:00-14:15 基調講演7:北野 幸子/日本(神戸大学大学院准教授)
14:15-15:15 ワークショップ:張 世宗/台湾(子どもの遊ぶ権利のための国際協会台湾支部(IPAT)理事長)
15:15-16:15 講演:WVI研究員
16:15-16:45 閉会式
16:45-17:00 休憩

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