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論文・レポート

【双子のいる生活】 第22回 双子の保護者が知りたいこと:育児編 ~3年間、200人の双子ママと会って~

持田 聖子(ベネッセ教育総合研究所次世代育成研究室 主任研究員)

2018年6月 8日掲載

こんにちは。小学5年生の双子の娘たちは、今、小学校の移動教室に出かけています。2泊3日、私に、自由と静寂のひと時が訪れました(笑)。こうして、たまには、ほっと一息つける時間も、親には必要だなぁと思い、静かな時間を堪能しています。
(娘たちも、自然の中で、親のことなど忘れて、友人とはじけているに違いありません。)

さて、本レポートでは、自治体の多胎児の保護者向け交流会で出会った、のべ約200人のママ・パパたちから、主に0歳~1歳ごろの育児について多く寄せられたトピックについて、交流会での声をまとめたいと思います。


よく寄せられた質問:育児編


・双子の生活リズムは合わせた方がいいか、それぞれのリズムを尊重した方がいいか?

乳児の赤ちゃんは、生活リズムが整うまで、ママ・パパを手こずらせますよね。双子の場合は、その赤ちゃんが二人いるのですから、ママ・パパのご苦労はたいへんなことと思います。生活リズムを合わせることで、育児の負担も減りますし、ママ・パパも疲れをとることが出来ます。交流会でも、生活リズムを合わせるように心がけたというママたちが多かったです。授乳や睡眠・お昼寝など、親主導でリズムを作っていくとよいと思います(ただし、頑張りすぎないで)。

交流会のママたちからは、授乳のタイミングは、一人が欲しがった時に、一人が寝ていても、起こして一緒に飲ませた、離乳食も同時にあげるようにした、という声がありました。

私の場合は、授乳は同じタイミングで行ったこと、生後2ヶ月を過ぎた頃からは、一日の予定をできるだけ一定にして、アクセントをつけるために、午前中に双子を連れて、外出(散歩)をするようにしたことが工夫です。幸運なことに、自宅の近所に児童館があり、10時頃から11時半頃まで、双子をベビーカーに乗せて、毎日のように出かけていました。児童館では、近所の赤ちゃん連れのママ・パパたちと畳の部屋でよもやま話をしていました。週に1日、「赤ちゃんの日」があり、赤ちゃんと一緒に遊べる手遊び歌を全員でやったり、児童館の先生と親子体操をしたり、先生による人形劇などを鑑賞したり、と楽しい時間を過ごしました。

私自身も、外の空気を吸い、ママ友・パパ友と交流することは、リフレッシュになりました。児童館の先生方が娘たちを見守ってくださることで、一息つくこともできました。お昼頃に帰宅して、授乳をすると、双子も私も、心地よい疲れで昼寝が出来ました。赤ちゃんの成長と共に、児童館で午前中過ごした後、ママ友同士、家に誘い合って、スーパーでランチを買い、午後も誰かの家で過ごすようになりました。それもまた、楽しい時間となりました。

お昼寝から起きた後は、ゆったり過ごし、夕方に沐浴を行っていました。沐浴も、赤ちゃんたちにとっては、いい意味で疲れることなので、沐浴後、水分補給を兼ねた授乳でもうひと眠りしてくれることもあったように記憶しています。ただし、私の場合は、双子が生後5ヶ月ごろまで、夫が育児休業をとって家にいたので、沐浴の時間などを調整しやすかったのです。日中、ママが主にお一人で育児を担う方は、パパが帰って来てから、あるいは、朝、沐浴をしたりと、入浴の時間帯にこだわりすぎないようにしてください。


・双子をどうやって入浴させたらよいか

入浴のテーマの続きです。どのように、双子をお風呂に入れたらよいかもよく出たトピックです。交流会のママたちは、さまざまな工夫をされていました。前述のとおり、沐浴の時間帯にこだわらず、パパが帰宅するまで待つ方、朝、パパが出勤前に、お風呂にいれる方もいらっしゃいました。

脱衣コーナーに二人分の着替えとバウンサーなどをセットし、ママの目の届くところに二人を置いて、順番に沐浴をさせる。

お風呂場の洗い場に、マットを敷いて座らせたり、お風呂場用のベビーチェアを用意したりして、二人同時に沐浴させる。

こうした工夫が交流会では挙がりました。私は、双子がねんね・おすわりの時期は、浴室の前の廊下にバウンサーと着替えをセットし、順番にさっとお風呂に入れていました。はいはいをするようになったら、居間にベビーサークルを設置し、一人を待たせて、長男(当時、小1)に見守ってもらって、一人ずつ順番に入れていました。赤ちゃんたちが、つかまり立ちができるようになると、入浴はぐっと楽になりました。風呂に手をかけて立たせて、同時に身体を洗い、親子で湯舟につかることが出来るようになりました。

それまでの短くて長い数カ月、どうぞ、赤ちゃんたちの成長に合わせて、うまく乗り切って頂けますように!


・離乳食のペースが違う

離乳食の進め方や、ペースの違いも、交流会でよく出るトピックでした。

できるだけ一緒に進めることを目指しているママたちが多かったですが、多胎児の場合は、早産で生まれる場合や、体格や発達に個人差がある場合がありますので、その場合は、始める時期や、進め方、赤ちゃんたちへの個別対応について、健診の際などに、医師や保健師に相談をしながら進めていかれればよいと思います。

食べさせ方も、無理をしないで、おおらかに。特に初期、親がひとさじずつ、食べさせていく段階では、私は、双子が共に健康な時は、スプーン等も、共用にしてしまうくらいの「いい」加減さで進めていました。ただし、スプーンやフォーク、お箸は、大人と共用するのは、虫歯の菌が赤ちゃんたちに移るといけないので、避けましょう。

全てを手作りしようと思わず、市販のベビーフードも活用しましょう。手作りの場合は、まとめて作って、小分け容器に入れて、冷凍しておきましょう。

離乳食が進み、手づかみ食べが始まると、周囲やベビー服が食べこぼしで汚れてしまうこともあります。ママたちは、赤ちゃんたちの座る椅子の周囲に汚れてもすぐに洗えるシートを敷いたり、ベビーラックにも汚れたら洗えるようにシートをかけたり、プラスチックの食べこぼし受けがついたエプロンをつけたりとさまざまな工夫をされていました。

離乳食については、双子ならでは、と言える良さもあると思います。それは、離乳食の作り甲斐があること(量的に)、双子も、互いに刺激になって、よく食べてくれたことです(個人差はあります)。私の場合、二人目が、双子でした。長男の時は、育児が初めて故、慣れないせいもあったのか、赤ちゃんの息子と向き合い、互いに緊張感がありました。思うように食べてくれないとイライラし、思うように進まないと焦りを感じました。息子も赤ちゃんながら、気づまりだったのかもしれません。比べて、双子の場合は、1対2。たくさん作っても、二人分なので、残らない。にぎやかに、適当に、親鳥が雛に順番に餌付けをするような感覚で、楽しくできたことが、育児のいい思い出になりました。

【参考】
http://www.blog.crn.or.jp/report/09/15.html
第11回 双子と暮らす(2)


双子を連れての外出、健診に連れていく方法は

交流会が開催されている自治体は、坂が多い街で、公共交通機関も、地下鉄やバスが発達していますが、双子を連れての外出は、なかなか大変です。ママたちは、タクシーを利用したり、自分の使う地下鉄の駅、乗り換え駅の構造を調べ、エレベーターがあるかどうかをチェックしたりしてから外出をされていました。

悲しいことに、今でも、タクシーによっては乗車拒否をされることもあるそうです。大きなベビーカーが車のトランクに入らない、というのが理由なのかもしれません。そのため、タクシーで外出の際は、一人用ベビーカーと抱っこ紐で出かけるなど、いろいろと計画し、策を練らねばならないことが双子の親の大変な点です。

健診の場合、病院によっては、ベビーカーを貸し出しているところもあります。そういう場合は、ベビーカーを持って行く必要がないかもしれません。しかし、病院のベビーカーがシングルかダブルかもチェックする必要があります。健診は、待ち時間が長くなることもあります。私は、家族が同行できない時は、ファミリーサポートさんにお願いして、健診に同行して頂いていました。また、双子のひとりは、一時期、月に一度、治療のために、通院する必要がありました。通った病院は、自宅から電車・地下鉄を乗り継いで、1時間以上かかるところにあり、予約をしていても、待ち時間が長くかかりました。この通院の時は、家族やファミリーサポートさん、ベビーシッターさんにお願いして、自宅で、治療のない子と留守番していてもらいました。

このように、特に都心の街に住む双子の親は、外出に備えて、地域情報、ソーシャル・サポート情報など、情報収集が命綱(大げさですが)、というところがあります。交流会は、こうした地域の情報が、先輩ママの体験談つきで交換できる、大変有益な場であると言えます。こうした場がもっとできるといいのになぁと思います。多胎児の親が自主的につくっている自助サークルはありますが、誰かが運営しなくてはなりません。交流会のための場所を探して予約したり、子どもたちを見てくれるベビーシッターを探したり、案内を出したりと、開催に向けて、さまざまな労力が生じます。ぜひ、行政の育児支援の一環として、この自治体のような制度にもっとスポットが当たり、広まっていくことを願っています。

自治体の交流会には、多胎児の保護者にとってのリフレッシュの場、情報交換の場であるだけでなく、重要な目的がもうひとつあります。多胎児の保護者は、出産・育児において負担が重いため、育児不安が単胎児の保護者に比べて高い傾向にあります 1。自治体の保健師は、参加者や子どもの様子を見守り、行政ができるサポートを、自然な形で紹介したり、支援が必要な方へは、支援先につないだりしているのです。

交流会では、その他、赤ちゃんの個性の違い、赤ちゃんとの相性、病気の時のお世話のしかた、仕事に復帰できるのか、次の子どもをどうするか、など、さまざまな話題が出ました。

次回は、仕事と育児の両立、病児の対応等について、取り上げてみたいと思います。

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イラスト:娘(B子)(10歳のゴールデンウィークに初めて原宿に行きました)
ファッションにも個性がでてきた。A子はジーンズ派、B子はスパッツ&ショートパンツやスカートが好き。


1.杉本昌子・横山美江・和田左江子・松原美代子・斉藤美由紀・薗潤(2008)多胎児をもつ母親の不安状態と関連要因についての検討 日本公衆誌55(4).213-220.

筆者プロフィール

Seiko_Mochida.jpg持田 聖子(ベネッセ教育総合研究所次世代育成研究室 主任研究員)

妊娠・出産期から乳幼児をもつ家族を対象とした調査・研究を担当。主な調査は、「妊娠出産子育て基本調査」「未妊レポート─子どもを持つことについて」など。
生活者としての視点で、人が家族を持ち、役割が増えていくなかでの意識・生活の変容と環境による影響について調査・研究を行っている。
2016年より、「幼児期の家庭教育国際調査」に携わり、日本・中国・インドネシア・フィンランドの幼児の「学びに向かう力」と家庭教育の関連について研究を行っている。
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