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【双子のいる生活】 第11回 双子と暮らす(2)

要旨:

今回のテーマは離乳食。小さく生まれたので、「離乳食の開始は標準より少し遅らせるべきか?」 という疑問があったが、「手のかかる双子育児だからこそ離乳食は躊躇なくどんどん進めましょう。」との小児科医のアドバイスを受け、満5ヶ月を過ぎた辺りで離乳食を開始した。初期・中期・後期と段階別にどのような離乳食を与えたか、離乳食作りに便利なグッズ、離乳食を少しでも楽に作るコツ、後期でよく作った「ジャガイモのお焼き」の作り方などについて紹介する。「毎日決まった時間に、同じ人が、愛情を持って、食べ物を食べさせてくれること」は赤ちゃんの成長にとって大変重要。離乳食づくり、手は抜いても、栄養と愛情は込めよう!

今回は、双子の赤ちゃんたちと暮らす生活についての第二弾レポートです。授乳とおむつ替えに追われた日々もひと段落し、双子のいる暮らしに慣れてきたころだと思います。


生後5~6ヶ月頃になると、いよいよ離乳食のスタートです。二人を前にして、上手く進めていけるかな、と不安を感じる方も多いと思います。我が家の双子は、現在1歳5ヶ月。ようやく離乳食が完了し、ほっと一息ついたところです。標準より小さく生まれた二人ですから、本当にちゃんと食べられるようになるのか、心配で一杯でしたが、二人は何でも食べて、すくすくと育ってくれました。

37週、約2,500gで生まれた我が家の双子。「離乳食のスタートは、標準より少し遅らせた方がいいのかしら。」これが、離乳食を始めるにあたっての私の疑問でした。そこで、乳児健診でお世話になっていた、自らも双子のママである小児科のドクターに尋ねてみたところ、「大丈夫。手のかかる双子育児だからこそ、離乳食は躊躇なく、どんどん進めていきましょう。3回食まで進んだら、育児もぐっと楽になるわよ。」と、医師として、先輩ママとしてのアドバイスを頂きました。

そこで、満5ヶ月を一週間過ぎた日から、いよいよ離乳食をスタートすることにしました。


離乳食づくり便利グッズ

1. 離乳食用の調理用具セット:すり鉢・すりこ木・裏ごし・果汁絞りなどが出来る調理用具セットを一つ購入しました。
2. 冷凍用小分け容器:サイズもいろいろあり、電子レンジで解凍も出来、洗って何度も再利用できる小分け容器です。いずれも、育児用品を扱うお店ならどこでも売っています。
3. 小型の圧力鍋:これは、職場の同僚から出産祝いに頂いたもの。離乳食中期以降、まとめて野菜を煮込む時に大活躍しました。
食器やスプーン・フォークもいろいろな物が出ています。でも、結局、私は、通常使っているステンレスのデザート用の小さいスプーンが一番使いやすかったです。でも、もし赤ちゃんにスプーンを買ってあげたいなら、選ぶポイントは、初期のころは舌で食べ物を取り込むのが下手なので、スプーンも食べ物を乗せる部分が浅いものがよいです。


初期・ゴックン期(1回食)

身体に刺激の少ない食べ物からあげていきます。ひと匙(5g)から始め、一種類ずつ3日間、少しずつあげる量を増やして与え、アレルギーが出ないか、お腹を壊さないかチェックしていきます。

私は、ニンジンからスタート。次に10倍粥でした。時間は、何かあった時に小児科に駆け込める時間帯に設定、朝の9時~10時頃にしていました。

まだまだ食べる量も少ない時期ですから、わざわざ二人分に分けたりしません。同じ器から、同じスプーンで交互にあげました。二人を並べ、お互いの食べている顔が見えるようにして、スプーンを近づけてみると、小さな口をあけて、不思議そうな顔をして、ゴックンと飲み込んでくれました。

なんだか、昔、セキセイインコの雛を育てた時を思い出してしまいました。二人に交互にスプーンを運ぶリズムがちょうどいい感じなのか、二人は喜んでなんでも食べ、いつも完食でした。二人分なのでかえって少量過ぎなくて作りやすく、これは多胎ママのメリットだなぁと思いました。長男の時は、赤ちゃんと一対一で、息子も私からの「食べて」プレッシャーを感じるのか食べてくれず、気まずくなったり、イライラしたりしたのですが、今回は、私と双子たち、3人いると気も楽でした。

野菜(ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、蕪、大根など)、果物(リンゴ、梨、後半からバナナ)、ご飯、無塩食パン、豆腐、ヨーグルト、カッテージチーズなどの食材を次々とクリア、初期は順調に進みました。

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おそろいのエプロンをつけて、いよいよ食べる練習、開始!

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初期のお食事は、こんな風にトロトロにしたお粥から

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嬉しそうに食べてくれるから、作る私も幸せ♪


中期・モグモグ期(二回食)

ここからは、離乳食を少しでも楽に作る私なりのコツを書きます。中期以降は、食材の種類も増え、タンパク質の種類も増やしていきます。赤ちゃんたちも食事に慣れてきて、中だるみを起こすこともあり、味や食感にも工夫が必要になってきます。この頃から、だんだん、離乳食タイムが憂鬱になるママもいると思います。赤ちゃんの成長も、この頃から、お座り、ずりばい、つかまり立ち、などとスピードアップしていき、ママも忙しくなります。双子ママは、できるだけ、気楽に構えていけたらいいですね。

私は、週に1、2回、野菜をまとめて煮込んで冷凍していました。玉ネギ、ブロッコリー、ニンジン、小松菜、大根などなど、数種類の野菜を一気に細かく刻みます。それを、鍋に昆布だしを一緒に入れ、クタクタになるまで煮込みます。圧力鍋を使えば、煮込む時間はぐっと短縮できます。出来上がった野菜とスープを小分け容器に入れて冷凍しておきます。あとは、お粥もまとめて作り、小分け容器に入れて冷凍しておきます。

お食事タイムには、野菜とお粥を解凍し、魚や肉、チーズなどのタンパク質を加え、小鍋で温めるだけ。最後に、粉末タイプのベビーフードの「クリームソース」や「コーンスープ」などを入れて味をアレンジします(味をつけなくても、お肉の風味や野菜スープで十分、うま味は出ていますが)。お粥の代わりに、無塩食パンを小さく切ったり、オートミール、そうめんやうどんを入れたりしました。(注意:そうめんは、予めポキポキと小さくして煮込むと楽です。そうめんは、塩分が多いので、先にそうめんだけをゆで、一度洗って塩分を抜いてください。)いずれも、よく煮込み、赤ちゃんが食べやすい柔らかさにしてあげてください。

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よそ見してるけど、食べる意欲満々♪

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中期も終わりに近づくと、ちゃんとお座りして食べられるようになりました。


後期・カミカミ期(三回食):

授乳の回数は減ってきて楽になるかと思いきや、一日3回、離乳食の準備をする方が大変で、慌しい毎日でした。

この頃、よく作ったのは、「ジャガイモのお焼き」です。これも、簡単に出来て、アレンジがカンタンなメニューです。手づかみ食べの練習も出来ます。

ジャガイモを中一個、皮をむいてすりおろします。種類はメイクイーンより、男爵や北アカリの方が水気が少なくモッチリとした食感で適しています。すりおろしたところに、カッテージチーズを混ぜて、少量のバターで焼いて出来上がり!ご飯を入れたり、小麦粉やお好み焼き粉を加えたり、溶けるチーズやしらす干しを入れたり、茹でた野菜を入れたり、卵を混ぜたり、といろいろ出来ます。味付けは、つけなくてもいいですが、焼きあがる前にフライパンに醤油を少量たらしたり、ケチャップをかけたりするとアレンジが広がります。

食事の時の飲み物は、1歳になるまでは、麦茶やハーブティーをあげていました。1歳になったら、少しずつ牛乳を飲ませてみました。最初は哺乳瓶であげていましたが、1歳前くらいからはコップにストロー、1歳過ぎからコップで直接飲む練習をさせました。コップとストローが一体となったトレーニングマグも持っていましたが、ストロー部分の構造が複雑で、毎回2個洗うのが面倒になり、普通のコップにストローで飲ませ、使い終わったストローは捨てていました。

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カンタンにできるジャガイモのお焼きと野菜と鶏ささ身の煮込み

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後期に入ると、自分の手で食べたくなってきます。
赤ちゃん煎餅で、手づかみ食べの練習。自分の手まで、お口にパクッ!

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1歳4ヶ月(離乳食完了期)。もう自分でパンを手に持って食べます。
牛乳もコップでゴクゴク飲みます。スプーンを持って、すくって食べられます。
子どもの成長って、すごい!

離乳食のテキストなどを読むと、2ヶ月ごとに、教科書どおりにステップアップできるのかしら、とか、この調理法では食材が固すぎるのではないか、とか、初めてのママは悩みが尽きません。でも、赤ちゃんって本当にすごい。行きつ、戻りつしながら、着実に成長し、食べられる食材も増え、固いものも咀嚼できるようになっていきます。

児童館で食育についての講座を受けたとき、講師の先生がおっしゃっていました。赤ちゃんの成長にもっとも大切なことは、「毎日、大体決まった時間に、同じ人が、愛情を持って、食べ物を食べさせてくれること」だそうです。それが、赤ちゃんの身体だけでなく、心を育て、自尊心を育てるそうです。そうして育った人間は、たとえ犯罪を犯してしまった場合も、更正できるのだそうです。それほど、食べることは人生の基本になるそうです。忙しい双子育児ですが、凝った離乳食を作るより、愛情を込めて、赤ちゃん達と楽しい食事タイムを持ってください。

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離乳食づくり。手は抜いても、栄養と愛情は込めよう!


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