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Essay・Report

親を対象とした自閉症児訓練プログラムの紹介: Judevine Center for Autism

ポーター 倫子 (PhD, Washington State University, Department of Human Development, Instructor)

2009年2月20日掲載

要旨:

筆者は1998年に米国へ移住して以来、4つの州に在住し、自閉症の息子の支援のための様々なプログラムやサービスを利用する機会を得た。今回は、ミズーリ州にある自閉症者支援センターのJudevineにおける親を対象とした3週間の集中訓練プログラムについて報告する。3週間にわたって行われる訓練では、自閉症に関する様々な情報を紹介しており、理論だけでなく実際、親が演習することで学ぶように構成されている。親にとって、ここで紹介するような、アラカルト式に多種のプログラムや治療方法を短期間に経験できることは幸いであると考えられる。

背景

筆者は1)1998年に米国へ移住して以来、4つの州に在住し、自閉症の息子の支援のための様々なプログラムやサービスを利用する機会を得た。1996年にアメリカ人の夫との間に生まれた息子は、バイリンガルの環境に育ったゆえに診断の難しさもあったが2)、その障害は発達遅滞(3歳)、広汎性発達障害(5歳)、高機能自閉症(6歳)と命名されてきた。IEP(個別教育計画)を持つ障害児として学区の特殊教育を受けるだけでなく、言語療法、行動療法、作業療法、音楽療法に通い、自閉症児のためのソーシャルグループ、スイミング、バスケットクラブなどにも顔を出し、数多くの人たちの支えを得てきた。同時に親である私たちは、州政府の援助により親訓練プログラム、自閉症関係の学会やセミナー3)、親サポートプログラム、休息ケアのプログラム(Respite Care Program)4)などを利用し、今日に至っている。今回は、ミズーリ州にある自閉症者支援センターのJudevineにおける親を対象とした3週間の集中訓練プログラムについて報告したい。

 

このJudevine Center for Autismは、1970年にミズーリ州のセントルイスでワシントン大学のLois Blackwellのイニシアティブにより、自閉症を持つ子どもたちの支援施設として発足されたのが始まりである。今日では、自閉症の子どもや大人とその家族のために各種のサービスが用意され、ミズーリ州だけでなく州外、国外からも参加者がいるとのことである。主な支援内容としては、下記のとおりである。

・自閉症の診断
・親および専門家の訓練
・訓練や相談
・ワークショップ、セミナー
・家族支援
・治療療法
・移行期の治療
・おとなのためのプログラムや援助、職業訓練など
・住居のサービス。


私が参加した親集中トレーニングは、2002年の7月29日より8月16日の3週間で、ミズーリ州のコロンビア市に拠点を持つCentral Officeである。平日の朝9時から夕方5時まで、昼食を含めて1日8時間のカリキュラムが構成されており、2人の訓練者が立ち代り指導にあたった。トレーニングを受講した4組の家庭のうち5)、2組は遠隔地に住む親であり、近くのホテルに滞在にしながらの参加であった。今回の自閉症児は4名全員が男児であり、2歳児から中学生までとかなり年齢に開きがあったが、どの年齢の自閉症児を持つ親にでもあてはまるようにプログラムが工夫されていた。親がトレーニングを受けている間、自閉症児のみならず、その兄弟姉妹も施設内の別室でケアを受けられるようになっており、自由あそび、集団ゲーム、工作、食事やおやつ、休息、外遊びが日課であった。

3週間にわたって行われる訓練では、自閉症に関する様々な情報を紹介しており、理論だけでなく実際、親が演習することで学ぶように構成されている。主な内容としては、(1)自閉症の特徴、種類、診断、発達に及ぼす影響、(2)自閉症理論や治療に関する歴史的変遷、(3)行動理論に基づいた自閉症児への効果的な関わり方 (応用行動分析理論とその具体的な手法)、(4)自閉症児のコミュニケーションの特徴とその援助(手話、PECS6)など)、(5)感覚総合療法と家庭で作れる手作りおもちゃ、(6)自閉症の社会性や感情発達を助ける教材 (ソーシャルストーリー7), Visual map8),視覚的スケジュール、ビデオや漫画、など),  (7) 特殊教育の制度と法律、IEP(個別指導計画)、であった。また訓練期間にかなりの量の自閉症関係の論文や新聞記事、プリントなどを読むように渡され、B4のバインダーに綴ると3冊分であった。

1.セッション

親訓練の中心となるのは、この「セッション」と呼ばれている活動である。Judevineでは、Discreet trial methodology(DTM, 分離試行方法)と呼ばれる行動主義をもとにした発達障害児の行動訓練を用いている。目的は自閉症児によって異なると考えられるが、回りからの指示に従うことができる、自己統制力を養う、効果的なコミュニケーションの仕方を学ぶ9)、があると考えられる。説明によると、このDTMはDiscriminative stimulus (区別的刺激)、Response (反応(、Reinforcing stimulus(強化刺激)の3つの要素から成り立っている。たとえば、訓練者から「椅子に座りなさい」と指示を受けた子どもがそのとおりに反応した時に、「上手にできたわね」とほめられたり、キャンディを褒美にもらうという具合である。

この親訓練では、20分間に「選択活動」「課題活動」の2つのセグメントが交互に2度ずつ繰り返され、最後には「選択活動」で終了する。まず最初の選択活動に入る前に、スケジュールの説明10)とその際のルールについて話し合うことになっている。ルールとしては、「椅子に座る」「おとなの目を見る」「手をひざにおく」などが挙げられ、毎回一緒に読み上げて確認することになっていた。「選択活動」とは、対象児が喜びそうなおもちゃや活動を幾つか用意し、どれをやりたいか尋ねることになっている11)。自己選択させることが、Reward (褒美)でもあり、かつ自閉症児の自己効力感を高めることにつながると考えられる。「課題活動」とは、自閉症児に身につけさせたいスキルを練習し、コミュニケーション能力を高める時間である。たとえばうちの子どもの場合、代名詞 (He, She, You, Iなど)を混合しがちだったので、そのような言葉の会話の練習にあてたこともあった。行動主義の手法としてここで強調されていたのは、指示を短く簡潔に出すこと(たとえば、Would you like to sit down?と間接的に言う代わりに、Sit downと命令的に言う12))と、子どもが望ましい行動をとった時には、即時に正のフィードバックを与えることである。後者については、Good job! (よくできたわね)などとほめたり、お菓子をあげたりすることである。

このセッションの特徴は、タイマーを使うことである。それぞれの活動(「選択活動」または「課題活動」)は、4-5分刻みに交互に組まれているので、自閉症児が次の活動へスムースに移行できるように、あと何分残っているかということが子どもにもわかりやすいようにタイマーを利用している。訓練者や親は、各活動の終わりが近づいてくる時には「あと2分よ」「あと1分」とタイマーを見ながらそのつど説明し、最後の10秒は指を折りながら数え唱える13)。このようなかかわり方によって、楽しいことをしている時に突然やめさせることによって起こる癇癪も避けられるであろうし、見通しを持つことで次の活動に移る心の準備もしやすい。よく自閉症児に不得意と言われるTransition(行動から行動への移り変わり)をスムースに運ぶための手立てである。毎回、活動を終了するたびに、子どもにスケジュール表を渡し、終わった活動を線で消すようにさせていたことを付け加えておく。


2.親へのコーチング

この親訓練プログラムの特徴は、親へのコーチングである。前述のセッションという活動を通して(1)訓練者の効果的なかかわり方を観察すること、(2)フィードバックを同時並行で受けながら実際に試してみること、が強調されている。自閉症児といってもその発達の特徴にかなり開きがあるため、訓練者はそれぞれの子どもに応じたかかわり方を試しながら,親へそのやり方を伝えていく。最初の頃は、親は訓練が行われている部屋の外からその様子を観察し(マイクが設置され、外に会話が聞こえるようになっている)、ノートを取る。訓練者との何回かのミーティングの後、今度は実際に親自身が同じように自閉症児とかかわってみる。その時には、親はイヤホーンを耳に差し込み、部屋の外でその様子を観察している訓練者より様々な指示を受けつつ(「次は、こうして」「よくできたわね、とほめて」など)、それらに即してかかわるように心がける。親が慣れてくるに連れ、訓練者からの直接の指示が減少する。


3.子どもの生育歴を書く

親はまず訓練を受講する前に、子どもの生育歴を書き、提出することになっている。主な内容としては、(1)生後2年までの間に見られた問題と思われる行動や最初に普通の子どもと違っていると気づいたことの内容、それらに対する自分の感情や処置、(2)他の家族があなたの子どものことをどのように受けとめ、どのような提案をしているか(3)最初に専門家にコンタクトをとったのはいつなのか、その時に診断されたことをどう受け止めたのか、(4)実際に子どものために行動に移さなければならないと考えたきっかけとその動機、(5)これまで子どもを参加させたプログラムとその内容、費用、子どもとあなたの反応、その価値があったかどうか、(6)これまで受けてきた診断の種類、内容とその結果、(7)対処するのに難しいと思われる子どもの行動、(8)子どもの問題があなたの生活(仕事、プライベート)にどのような影響を及ぼしているか、自閉症児の兄弟姉妹はどのように受け止めているか、(9)Judevineに参加するようになったきっかけ、である。

自閉症児の生育歴を自伝的に振り返っていくことで、親は自分の経験したことを系統立てて認識していく機会が得られる。特に障害者の親であることで経験してきた苦労や迷いなどを文章に表し、第三者(この場合は訓練者)に理解してもらうことで、重荷から解放されることもあるであろう。私の場合は、息子の障害を受け入れるまでの葛藤や自分の子育てに問題があったのではという罪悪感と向き合うことができ、一歩前に踏み出せることができたように思う。


4.記録を書く

訓練中の3週間は、毎日日記を書くことになっている。分量はワードで1枚程度であるが、自分の学んだこと、経験したこと、気づき、質問などをまとめ、訓練者に提出する。さらにそれを読んだ訓練者と定期的に対話の時間がもたれ、訓練中の悩みや疑問などをフォローアップできるような体制が整えられている。日記と同時に、セッションの流れと内容、子どもの反応を記録する "What happened sheet" (どうだったか)という紙を毎回提出するようになっている。ここでは、前回と比べて子どもの反応がどうであったかという点を比較考察する。

2番目の記録の種類は、観察記録である。セッション中の訓練者(または親)と子どもとのやりとりを逸話的に記録するという課題が何回か出された。強調されていたのは、主観的ではなく客観的に記述することと、子どもの行動をなるべく肯定的にとらえるように心がけることであった。たとえば「椅子にちゃんと座っていられない」と書くのではなく、「椅子から立ち上がって窓の方に向かう」というように置き換えるよう指導された。肯定的なアプローチの重要性は、観察記録だけでなく、子どもとの関わりの中において繰り返し強調されており、Judevineの中心的な哲学とも言えるものであった。子どもがなるべく失敗しないような設定を心がけることで、子どもの中に肯定的な感情が生まれ、成功する可能性が高まるという理由である。また障害を持つ自閉症者を人間として尊重して接するという基本的な姿勢とも考えられる。別の観察記録の種類としては(1)社会的交換理論に基づき、Initiation(手引き)、Response (反応)、Reciprocation (交換)の3つの要素から訓練者と自閉症児のやりとりを記録する、(2)訓練者の指導方略を身体的(ジェスチャーなど)、言語的な面から分類して記録することであり、講義で学んだことを実際場面に即して記録することで、より深く理解できたと考えられる。

記録の3番目の種類としては、データー収集である。自閉症児にとって問題と思われる行動(たとえば、かんしゃくを起こす)について(1)頻度、(2)持続時間を記録していくことである。ある一定の時間に区切って、ストップウォッチ、カウンター、紙とペンを使いながら毎日記録を取る(最低3日以上)。このデーターがベースラインとなり、その行動がなんらかのIntervention(介入)によってどのように変化していくかを、その後のデーターと比較することにより効果を検討する。この介入の種類としては、たとえば新しいビタミン、薬物や食習慣を試してみることや、今までやってみたことのなかった行動療法や作業療法による効果を調べるなど多岐に渡って考えられるが、最低2週間以上続けることが望ましいとされている。データーは表や折れ線グラフに表してみることで、変化がわかりやすい。


5.自閉症児との関わりの具体的な手立てを学ぶ

訓練中は、行動主義に基づく自閉症児との効果的な関わりのテクニックの習得に力が入れられていた。内容を紹介すると、(1)Contingency (随伴性)、(2)Gesturing (ジェスチャー)、(3)Restructuring environment (環境の再構成)、(4)Modeling(模倣)、(5)Errorless learning(失敗しないような設定の中での学習)、(6)Blocking (防止)、(7)Manipulation of body parts (体の部分を操作すること)、(8)Sign language, Prompts (手話。ヒントや誘導を与えること)、(9)Exaggerated facial expression (誇張した顔の表現)、(10) Parallel talk (並行して会話すること)、(11)Avoid overtalking (話しすぎない)、(12)Rephrasing(言い換える)、(13) Ignore (無視する)とPraise (ほめる)ことである。

(1)については、子どもが望んでいる行動をすぐ与えてしまうのではなく、条件をつけることである。たとえば、アイスクリームを欲しがっている場合、「おもちゃのお片づけをした後ね」と言うように制限を加えることにより、子どもに選択権が委ねられる。子どもがやりたい行動を全て認めてしまうのではなく、おとなが望んでいる行動をまずやることで、その結果として与えられる報酬を経験することで、行動を制御する力を獲得することにつながる。また(13)では、望ましくない行動が見られる時には注意したり叱ったりするよりは、徹底的に無視することでその行動が減少し、逆に望ましい行動を示している時には徹底的にほめることが大切である。(3),(5),(6),(7),(8)に関しては、自閉症児が失敗するような環境をできるだけ避け、気が散るようなものは自閉症児の目につかないところに隠し、身体に触って援助したり、ヒントを与えるなどし、成功する確率を高めることである。

(10)については、ナレーターのように現在進行中のことを自閉症児に語っていくことで、自閉症児が苦手とする受容性言語能力を高めることを目的としている。(11)については、Steven Gutstein14)氏も指摘していることであり、自閉症児に言葉を話しかけすぎると逆効果であり、吟味して言葉をかけることを考慮する必要がある。本当に必要だと思われることを簡潔に伝えることで、自閉症児に理解しやすいのであり、特に質問しすぎる傾向を避けなければならない。自閉症児にわかりやすく説明するという点においては、(12)の「言い換える」のように、短く、直接的に、わかりやすいように言葉を選びながら話すように心がけることが必要である。たとえば、「今から行くわよ」というのではなく、「今から買い物に行くわよ」とこちらにとっては分かりきったことでもはっきりと自閉症児に説明することが大切である。さらに買い物に行く予定になっているのに、「もう少ししたら買い物に行くんだけど、一緒に行く?」という疑問形の問いかけは自閉症児を混乱に陥れるので避けるべきであり、「もう少し」というような曖昧な言い方も「3時になったら」と具体的な言葉に置き換える、などを学んだ。


6.フォローアップ

3週間の訓練が終了した後、引き続きJudevine のスタッフが1ヶ月に1度もしくは2度、家庭訪問し、自閉症児と関わりながら指導やアドバイスを与えてくれた。また、IEP のミーティングの時には、親を擁護する立場としてJudevineのスタッフはいつでも参加してくれたし、そのつど適切なアドバイスを与えてくれ、心強い限りであった。


7.まとめ

このような親への徹底的な集中訓練を通して、自閉症に関する知識や方略を幅広く学ぶ機会を得た。あれから6年後、今でもタイマーの導入、スケジュールのビジュアル化、随伴性のテクニックなどは、日常の子育てに生かされているし、IEPのミーティングの時などには学校側にも紹介したことがある。自閉症児のためのプログラムが数多く存在する今日、親にとっては情報の洪水の中で手も足も出ない状態に陥りやすい。子どものために何かしなければならないことは分かっているが、どこからはじめていいのか分からず、手付かず状態ゆえに罪悪感に襲われることもある。そういう親にとって、このようにアラカルト式に多種のプログラムや治療方法を短期間に経験できることは幸いであると考えられる。

聞いた話によると、この訓練に参加するには3000ドルほどの費用がかかるらしいが、これも州政府の財政援助がなくては一般的には不可能であり、国の政策の重みを痛感する。3週間の間、嫌な顔一つせずにあたたかく毎朝私たちを迎えてくれた訓練者やセンターの職員、子どもたちをケアしてくれた人たちよりのサポートがあったからこそ、楽しく実りある期間を過ごすことができたと思う。感謝してやまない。





1) 筆者は幼児発達・教育が専門であるが、University of Missouri-Columbia(ミズーリ州立大学)の教育学部特殊教育学科の自閉症関係の大学院の講座を2コマ受講し、自閉症児の教育・治療にあたる専門家を養成する助成金プログラムの学生たちと1学期間共に学ぶ機会が与えられたことを付け加えておく。
2) たとえばテキサス州の学区では、Politically correct (政治的に正しい処置)という理由で、英語以外の言語を話す環境で育った子どもを診断する場合は、その言語を話すスペシャリストからの診断を含めずに正しい判断を下すことが難しいという説明であった。周りに日本語を話す言語療法士がいなかったので、自閉症と診断を受けるのに時間がかかったことを付け加えておく。
3) ミズーリ州では、年に1度、障害児を持つ親が学会やセミナーで勉強できるようにその費用をほぼ全面援助している。このような会に参加することで、親は自閉症治療の最新の情報を得ることや、自閉症者で社会に出て活躍している人(Temple Grandinなど)の話を聞く機会が与えられた。
4) 障害児の子どもを持つ親たちの休息のために、ミズーリ州では1ヶ月に30時間まで、ベビーシッターを雇う費用を補助している。この制度があるため、自閉症学会やセミナーに参加したい時などは、子どもを傍らみてもらいながら勉強の機会を持つことが可能であった。
5) 基本的には夫婦で参加することが望まれるが、仕事などでどうしても休めない場合は、どちらか一方の親だけが参加することも可能であった。
6) Picture Exchange Communication Systemで、音声言語を獲得できない子どもたちのためのために開発された、絵カードと文字カードによるコミュニケーションの手法。
7) Carol Gray により開発されたもので、人との付き合い方、生活習慣や社会習慣を自然な設定で学ぶことが困難な自閉症児に、ストーリー形式で説明する方法。
8) いろいろな使い方があるが、コンセプトマップ式に、思いつくアイディアをブレインストームしながら書き出していくことで、解決法が1つだけでなく多岐にわたることを自閉症者に提示できる。たとえば、腹が立った時どうするべきか、ということについて、自閉症者と訓練者が思いつく様々な方法を書き出してみることで、実際にそのような場面に出会った時に、選択肢を持つことができる。
9) 特に言葉でのコミュニケーションが困難な子どもの場合には、代理となる手段を学ぶことが主要目的である。
10) 自閉症児は予測外の行動に対処するのが苦手な場合が多いため、毎回スケジュールを用意し、最初に何をする予定なのか明確にすることで、安定して活動に取り組むことができるようであった。
11) 時には、おやつや朝食を用意して、好きなものを選ばせて食べさせることもあった。
12) このような命令形の子どもへの言い方は、アメリカの教育者やある程度教養のある親が使う言葉づかいとかなり異なるので、最初はとまどったが、あいまいな言い方をすると自閉症児に伝わりにくいということで説明を受けた。
13) 今回のようにタイマーを使う場合に限らず、アメリカの育児や幼児教育では、"Five more minutes" (あと5分だけ)というように、具体的な時間に対する Warning(警告)を与えることが望ましい介入の仕方とされている。心の準備が与えられることで、子どもの方も押し付けられているという気持ちを持つことなく、おとなの指示を受け入れやすい。
14) 近年アメリカや日本で注目されつつあるRelationship Development Intervention (対人関係発達指導法)を開発した実践者である。筆者はGutstein氏の短期RDIセミナーに参加したことがあるが、コンサルテーションなどの費用があまりにも高額なため、一般の家庭ではなかなか利用しにくいことを付記しておく。

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