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親になる決断をするということ

要旨:

中年のアメリカ人は、ほとんどが子どもを育ててきたことが自分たちのしてきたことで一番重要な貢献であり、そのことで大きな満足感を得られていると答えるが、若い女性の多くは親としての役割に惹かれることはなく、むしろ、自分自身のアイデンティティーや人生における目的、夢を設定するにあたって、親たちとは違った道をとる。より多くの女性が母親になる決断をするための戦略は、若い人々の間で立てられなくてはならない。急速な変革を行っている国々では、若者はサイバースペース上でのグローバル・メディアやソーシャル・ネットワーキングなどによって同じ国の上の世代より、世界各国の同年齢の人との間により多くの共通点があるからである。

 

アイデンティティーについての二つの視点

「あなたがしてきたことで最も重要と思われることは何ですか?」、45歳から50歳のアメリカ人にこの質問をすると、ほとんどの人が子どもを育ててきたことが自分たちのしてきたことで一番重要な貢献であるし、そのことで大きな満足感を得られていると答える。親としての役割をどう考えているかについては、子ども達が困難に立ち向かい一生を通じて学び続ける姿勢が培われるように根気強く導いていくことだと語る。親は又、他人に対し思いやりや敬意、配慮をもって接するように、自らがお手本を示すものと期待されている。生産的で働く意欲に満ちた態度も子どもに示さなければならないし、子どもの悪い行動を正すこと、喧嘩の収め方を教え、家族の和を保つことや、友情、健康的な生活、宗教的信条についても子どもを導いていくのが親の務めであると認識している。多くの親は、子ども達に男女に自然な違いがあることや、社会には文化や風習などの民族的な違いがあることを話し合いの中で教え、就きたい職業を探すために手を差し伸べ、ストレスの対処の仕方なども含め、子ども達の学業面での成功を願う学校の先生たちと協力しながら子ども達を支援していく。娘や息子が一人の独立した人間として大人になっていくときに親たちは親としてのプライドをもってどう接していくのか、困難に直面した時にこそその真価が問われる(Strom & Strom, 2009)。

 

大人の若い女性はまた違った観点を持っている。親の愛情や教えをわかっているし、自分を犠牲にして支え育ててくれたことに感謝している。しかしながら、その多くは、親としての役割に惹かれることはなく、むしろ、自分自身のアイデンティティーや人生における目的、夢を設定するにあたっては、親たちとは違った道をとることを決める。伝統的に女性というジェンダーに課せられてきた役割から女性がどうして離れて行ってしまうのか、その理由については後で述べるとするが、親になるという選択肢をとらない非伝統的価値観の広がりは、現在の出生率調査の結果にも反映されている。

出生率の低さ

人口統計学は、人口の科学的研究で、その規模、伸び、密度、分布の他、出生、結婚、疾患、死亡に関する統計などの分析を含む。本論文は、地球全体の出生率を対象とする。国の出生率は、その国の15歳から45歳の出産可能年齢ある女性一人当たりが産む子供の期待数を示す(Kent &Haub, 2005)。2000年に60億だった地球の人口は、2050年には90億になると予想されているが、この50パーセントの増加のほとんどがアジア、アフリカ、ラテンアメリカで起きるものと思われる。対照的に、ヨーロッパのすべての国では減少する(国連、2007年)。いくつかの国を選んで、出生率とそれが示唆するものを考えていきたい。

ドイツ:出産可能な年齢にある女性の出生率は一人当たり1.4。現在の人口を維持するためには、2.1は必要である。2050年までには、3人に1人のドイツ人が65歳以上となる。1対2の割合で、子どもより高齢者が多くなる。子どもの数は、2050年には2000年よりも500万人減少する(国連、2007年)。ドイツ人たちもこの低い出生率を差し迫った危機と捉えている。ミュンヘン選出の政治家、エドムンド・スタイバーは、3歳までの子どもへの国からの給付金を現状の3倍にすべきであるとドイツ連邦議会に提起した。現状では、親は、二人目の子どもまで、一人につき月に150ドル相当の給付金が出ており、三人目からはその金額がもっと増える。ドイツ人口の一部を占める出稼ぎに来ているトルコ人、ギリシャ人、ユーゴスラビア人、イタリア人は、ずっと子だくさんであることが多いが、受給対象からは外れている(Orlow, 2007)

イタリア:イタリアの状況はドイツより悪く、出生率は1.3と、人口を維持できる率をもう25年間も下回り続けている(国連、2007)。その結果として、2050年までには、65歳以上の人口が全体の40パーセント以上に上るのに対し、5歳未満の子どもはほんの2パーセントになると推定されている。人口のほとんどがカトリック信者であるイタリアで、これほど出生率が低いことには、違和感を覚える。一つの理由として調査の結果が示しているのは、16歳から24歳のイタリア女性の52パーセントが母親にはならないと決めていることだ。キャリアを積みたいというのが一番の理由である(Clark, 2008)。人口統計的にみて、イタリアは、年金システムの莫大な負債を移民に負わせていることになる。インド、中国、日本、アメリカだけでなく、EUの他の国々とも競争していかなくてはならない。イタリアが抱える厄介な問題とは、グローバル経済の中、将来の働き手となる若い人々が減少し、歳老いていく社会がどう競争に打ち勝っていくのかということだ。

豊かな国の多くが、退職者の再雇用や年金プランの劇的なスケールダウンなど、労働人口の減少にどう取り組んだらいいか頭を悩ませている。イタリア政府は、退職の最低年齢57歳を超えても人々が働き続けるようにと報奨金を支給しており、現在、60歳以上のイタリア人の内25パーセントの人々が雇用されている。少子化の傾向が続けば、2050年までに、イタリアの人口の42パーセントが60歳以上となる。ローマ法王ヨハネ・パウロ2世は、2002年に国会で行ったスピーチでその懸念を表明し、「出生率の危機は、将来のイタリアにとって由々しき脅威である」と警告した。(Mattil, 2006)

イタリア政府は、6か月の産休中、母親に給与の全額を保障している。この期間を過ぎた後も手当てを検討中の都市も北部でいくつかある。さらに9か月間家にいることにした母親には、月に350ドルの支給を含めた手当てなどである。が、それでもなお低出生率は続いている。就学の期間を延ばし、就職を遅くする、結婚も先延ばしにし、子どもは必ずしもつくらないという傾向がある。(Mattil, 2006)

スペイン:かつてスペインは世界の探検と植民地化に関し絶大な影響力を誇っていた。二世代前、フランコ将軍の時代には、大家族は国から贈り物やメダルを授与されていた。現在の出生率は1.3で、今後50年間でさらに25パーセント減少し、65歳以上のスペイン人は、現在の120パーセント増加すると予測されている。一世代の間に、平均して8人家族であったものが、子どものいない夫婦が多数派になってしまったのである(国連、2007)。年配の人々は、若者は自分のために安穏とした生活を求める一方で、他人のために自分を犠牲にするというこれまでの徳は消えつつあると嘆いている。(Ross & Vegas, 2008)

1950年、スペインの人口は、ジブラルタル海峡を挟んだイスラム教の国モロッコの3倍だったが、2050年の予測では、モロッコの人口が、スペインより50パーセント多くなる。スペイン政府は既に、大家族には公共料金を安くする、若い夫婦が家を買いやすいように資金的支援をする、母親が外で働けるように保育園を増やす、子どもが学校にいられる時間を延長して子どもをみる、働いている親のために休暇の日数を増やすなどの奨励策を行って出生率を上げようと試みている。(Ross & Vegas, 2008)

ロシア:ロシアの出産可能な年齢にある女性が生涯に産む子どもの数は一人当たり1.4人である(国連、2007)。2050年までに、子どもの数が1/3減少する一方、高齢者は70パーセント増加すると予測されている。ロシアでは、3回の妊娠に対し2回の割合で中絶が行われており、ロシア人の女性は、平均して3人の子どもを人工中絶する。こうした結果、この国の死亡率は出生率より70パーセント高くなっている(Connelly, 2008)。ロシア議会代表、Vladimir Zamovsky氏は、こうした状況を踏まえて一夫多妻制を提案し、一人の男性が5人の女性を妻とすることを認めること、妊娠中絶を10年間禁止すること、女性の海外旅行を禁止することを唱えた。しかし、Zamovsky氏の提案は十分な賛成票を得られず、採択されなかった(Lucas, 2008)。

スウェーデン:スウェーデンの出生率は1.7である(国連、2007)。大部分の労働者は毎年5週間の有給休暇がある。母親には、未婚既婚を問わず、子どもの数に基づいて政府から補助金が出る。退職者には相当な額の年金が支給され。教会にも州から資金的援助がある。スウェーデンには刑務所がほとんどない。経済的に豊かな人々が多くを占めることが、犯罪率の低さにつながっていると思われる(Thakur, Keen, Horvath, & Cerra, 2003)。

我々は、フルブライト・コミッションの協力を得て、スウェーデンの人口動態に何かしらの変化が見られるか調査を行った。高齢者はスウェーデンの人口の20パーセントを占める。この数字は、アメリカが2020年までに到達しないと予測されている割合である。労働力の安い国々でつくられた安価な製品が国の豊かさを脅かすことになったとしたらスウェーデン人はどのように考えるのかを知ることが我々の目的だった。人口比率の最も大きい高齢者が、年金、医療、医薬品など自分達のための福祉ばかりでなく、学校教育や保育の必要な子どもをかかえる若い世代のこともきちんと考えるようにするために、スウェーデン人はどうしていくだろうか(Strom & Strom, 2007)。

アメリカにおいては、高齢者は最も速いスピードで増えている年齢層で、若い世代よりも大きな票田であり、議会に対し、5,000万の会員数を誇る全米退職者協会などを通してずっと大きな影響力を持っていることがよく知られている。スウェーデンでは、このような状況の到来を熟考し、そのような日が来たら、母親が子どもの代理票も持つことになるのではないかと思われる。一方我々が推奨する案は教育の機会を広げるということだ。それにより、各世代が自分の属する世代以外が必要とするものについて知り、すべての人のための福祉について考えるようになる。こうしたあらゆる世代に対する教育を怠れば、労働人口にあたる世代が、高齢者の利己主義的な選挙権の行使を阻止するために、選挙権を60歳以下に限定するのではというのが、一つの危険な結果として考えられる。実際的ではあるが、民主主義を排除する選択である(Strom & Strom, 2008)。

同様に人口置換え水準に満たない低出生率は、以下の他のヨーロッパ諸国でも見られる。たとえば、フランス2.0、アイランド1.8、ノルウェー1.8、デンマーク1.7、フィンランド1.7、オランダ1.6、ベルギー1.6、ポルトガル1.5、スイス1.4、ブルガリア1.4、オーストリア1.4、ハンガリー1.3、ポーランド1.3である(United Nations, 2007)。

日本:出生率が最も低い22ヵ国(地域)のうち、ヨーロッパ以外にあるのはわずかである。これらの国(地域)はそれぞれ以下の通りである:アメリカ2.1、中国1.7、日本1.2、韓国1.2、台湾1.1、シンガポール1.1。人口統計学の予測では、2050年までに、日本の子どもの数は1950年のわずか半分になる。同じ期間に、高齢者の数は1950年の8倍になる。2050年までに、日本の人口は1億2,800万人から1億300万人に減ると予測されている(United Nations, 2007)。若い労働力の不足を心配している日本は、その不足を補うために、輸出自動車関連の仕事を、豊富な労働力を持つアメリカに移すことを試みた。もしトヨタ車やほかの外車がアメリカ本土の労働力によって生産されたら、アメリカ人もこれらをいっそう喜んで買うだろう(Steyn, 2006; Wattenberg, 2004)。

子育てから満足感を得ている割合は、生後0歳から14歳までの子どもを持つ日本人女性は、他の先進国の女性の40~70%と比べて、わずか9%にとどまる(Longman, 2004)。政府は、女性に子どもを産むこと、そして専業主婦として子どもの身近にいて教育指導をすることを奨励してきたが、女性に実際そのような選択をさせることはできなかった。この慣習的な、ストレスの多く、拘束的な役割は、結婚や子どもを持つようなことはしないと決めた多くの若い女性には受け入れられないものだ(Rosenbluth, 2006)。女性が、男性と平等に働ける職場や、夫と家事や責任を分担しあえることを含め、自らの役割を再定義する機会を与えられなければ、2050年までに日本の人口は著しく減少することだろう(Dasqupta, 2007)。日本は平均年齢を42歳とする最高齢の国であることも関連要因である(アメリカの平均年齢は36歳)。1948年、日本は世界で初めて妊娠中絶を合法化した。その結果、アメリカでは、1946年から1964年の戦後のベビーブームで7,600万人が生まれているのに対し、日本ではこの期間の前で大きな人口増加は止まっている(Connely, 2008)。

P・D・ジェイムズは著書『人類の子供達』(1994)の中で、低い出生率が続いていくと、将来の生活がどうなるかについて推測している。母性本能が満たされない女性のために、特別な人形が生産されるだろう。彼女たちは自分が母親であるふりをして、こういった人工的な子どもを連れて街を散歩したり、公園のブランコに乗せたりするのではないか。このような幻想的なことを考えたのはSF作家だけではない。子どもの市場が縮んでいるため、日本の玩具メーカーは差し迫った危機を認識している。2005年に玩具会社トミーは年配の女性を癒す話し相手として、1200種類以上の言葉を話せる男の赤ちゃんの人形ユメル(Yumel)を製造した。後には、ユメルの友達としてイフボット(Ifbot)という人形が加わった。イフボットは5歳レベルのボキャブラリーを持ち、大人が子どもと話そうとするとき、その会話をサポートできる。子どもを育てるという責任を負う選択をする大人が以前より少なくなっている環境の中、人々は、彼らがこれまで一度も持ったことのない子どもになれる玩具と遊べるのである(Rojas, 2005)。

中国:過去の世代で、中華人民共和国は大きな変革を遂げ、生活水準、女性の地位、家族の人数(出生率1.7)も多大な影響を受けた(United Nations, 2007)。これらの変化に伴って、伝統からの離脱によって子どもの育て方がどのように変わっていくのか、また、伝統的な考えを持たない親と性別観による期待の違いが残る一人っ子社会において子どもはどのようなことを期待されているかということも考察されてきた。中国の国民は、人数の少ない家庭で育つ男の子や女の子は甘やかされて利己的になることを懸念している(Strom & Strom, 2009; Strom, Strom & Xie, 1995)。出生率が減少している東アジアの国(中国、日本と韓国)の子どもに関する社会的、教育的、健康的、情緒的な発達についてはChild Research Netの主催した国際シンポジウムで検討された(2007)。こうした問題を取り扱う学際的研究は、政府機関や研究所に認識や方向性を与えるものとして価値あるものであるし、社会の調和と安定に貢献するものである。

富める国と貧しい国

EU諸国の低い出生率が続けば、2050年までに15歳以下の人口は40パーセント減少するのに対して、それより年長の大人は50パーセント増えると予測される。平均年齢は、歴史始まって以来の高さの50歳となる。これらの数字は今後起こるであろうという推測にすぎないのではなく、現在起きていることを表した数字であることに注意されたい。先進諸国が現在のこの傾向を逆転させなければ、すでに5倍に膨れ上がり、2050年までには10倍になると予測されている第三世界の人口に圧倒されてしまうだろう(Connelly, 2008)。経済的に貧しい国々では、人口の半分以上が25歳以下であり、潜在的に巨大な労働人口となる。地球の人口の変化におけるこのありのままの予想は、女性がバースコントロールに関して決定権を持たない国々の出生率を考慮して打ち出されている。マリ7.3、ナイジェリア7.8、ウガンダ6.8、ソマリア6.6、ブルンジ6.4、コンゴ6.3、ブルキナ ファソ6.3、アンゴラ6.2、エチオピア6.2、シエラレオネ6.0、こうしたアフリカ諸国の女性の出生率が基となっている(Booth & Crowther, 2005)。

先進国における出生率の低下には歯止めがかかる様子は見られないし、こうした状況に安どを覚え、母親にならないことを選択する女性が増え続けている。人口統計学のいくつかの点に照らし合わせると、統計的に明らかな傾向があることがわかる。例をあげると、イタリアでは、2020年に出産可能年齢にある若年層の占める割合は大きいとは言えず、現在の十代とそれ以下の年齢の子どもを合わせた人口よりも少ない。また、移民以外に人口増を期待できる当てはない。一方、アメリカの出生率は2.1と、2009年の全人口、3億5百万を維持するのに最小限必要な数字である(United Nations, 2007)。これは移民と大家族を持つことが多いヒスパニック(メキシコ、キューバ、プエルトリコ、中南米などのスペイン語を話す)の人々人により維持されている。2050年には、ヒスパニック系が全人口に占める割合は12%から25%に増加すると予測されている(United States Bureau of the Census, 2008)。

大人の若い女性たちにおける理由
 
親になるというのは、満足度、困難、その重要な役割に伴う数々の責任を認識したうえで、本人が個人として決断することである。私たちの大学での講義に参加した数百人のアメリカ人女性は、なぜ彼女たちの世代の多くは子どもを産まない将来を選ぶ、または出産の決断を先延ばしにするかについてディスカッションを重ねてきた。彼女たちは、一貫して以下の理由をあげている。いずれも家族、学校、メディア、政府、地域機関、宗教および医学的組織など、すべての社会的機関が検討していかなければならないものである。
 1.広範囲にわたる教育を必要とするキャリアに向かって働いている
 2.親になることよりも、個人的な満足を優先させたい
 3.金銭的な余裕がないため夫婦二人とも仕事をすることが必要である
 4.離婚するかもしれないという思いから、結婚という不安定で親密な関係を築くのが怖い
 5.子育ての義務を共有するのにふさわしいパートナーを見つけるのが困難
 6.家庭内の役割、立場について好きなように選ぶのがよいと仲間同士で励まし合ってしまう
 7.子どもを持たない女性のほうが、職場で昇格できる可能性が高い
 8.経済的弱者やマイノリティーの場合は別として、母親という役割は仕事上での役割に比べ地位が低い。
 9.過去に比べ、結婚と子育ての年齢を遅らせることができるようになった
10.宗教の影響力が弱まり、性的役割の一致を強要できない
11.共働き夫婦にとっての、適切で手頃な保育の利用しやすさの問題


結論
出産に関する選択について、諸外国の若い女性が、同じ理由をあげるかどうかはわからない。どんなプランを立てたとしても、現在の出生率を増加させようとしている全ての国に適用できるというものはない。筆者の二人は、中年やそれより年長の大人たちまたは高齢者が、若い人たちに親になるよう説得する試みはおそらく成功しないだろうと考えている。より多くの女性が母親になる決断をするための戦略は、若い人々の間で立てられなくてはならない。なぜなら、急速な変革を行っている国々では、若者はその親達よりも、彼らの時代により多くの共通項を有しているからである。サイバースペース上でのグローバル・メディアやソーシャル・ネットワーキングへのアクセスはかつてない規模のものであり、東京、モスクワ、ロンドン、ニューヨークの若者たちは、同じ国の上の世代より、世界各国の同年齢の人との間により多くの共通点がある。今から二十年後の2029年、今の若い大人たちが中年になったときに、私たちは、この論文の最初に記した質問、「あなたがしてきたことで最も重要なことは何ですか?」を彼らに聞いてみたい。

 

 

<参考文献>
Booth, A. & Crowther, A. (Eds.) (2005). The New Population Problem: Why Families in Developed Countries are Shrinking and What It Means. Mahwah, NJ: Erlbaum.
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