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算数・数学教育における子どもの概念形成と思考方略 -イラン、アメリカ、日本の比較授業分析-

要旨:

本研究では、教師が子どもを中心にした授業を創り上げ、子どもたちが様々な方法で算数・数学の問題を「理解・解決・考察」する時、数字に表れる答え(できること)「どのようにすればよいか」に関する価値と、算数・数学的意味(わかること)「なぜそうなるのか」の統合や総合関係を子どもたちが発見し、気づき、考え、理解するという授業改善の視点を3ヶ国(イラン・アメリカ・日本)の授業実践記録から事実をとりあげ、比較授業分析を行った。分析した結果、イランやアメリカの教師の意識が変わり、授業が改善されたことが分かった。

はじめに

算数・数学的概念は、基本的に二つの数学的知識のカテゴリに分類できる。一つは、概念的知識(conceptual knowledge)、もう一つは手順としての知識(procedural knowledge)である。概念的知識は、数学的概念を解釈したり、様々な考え方と概念や技能を関連付けたり、数学的考えを発見することである。手順としての知識は、事実に関わる知識、数学的象徴、規則ややり方である。授業者はこれらの数学的知識を基に、授業の中では、主として二つの種類の情報を利用する。一つは、問題を解決するための概念的基礎を理解することやまとめ方(方式-formula-)を導く情報としての「概念的情報」である。もう一つは、問題を理解するために必要な情報としての「手順としての情報」である。この二つの情報のうち、算数・数学的教育の授業で、問題の解決やまとめ方に必要とされる情報は、概念的情報である。これに対し、問題を理解するためのスキルや方法の知識(ノウハウ)に必要な情報は、手順としての情報である。

全文を読む

算数・数学教育における子どもの概念形成と思考方略
-イラン、アメリカ、日本の比較授業分析-
  [PDF: 6.81MB]




注) 「中等教育研究部 紀要 第2巻 2009年度 (学校法人 名古屋石田学園 発行)」より転載いたしました。

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