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赤ちゃんの行動を科学する

要旨:

本稿では甲南女子大学国際子ども学センター・第39回「子ども学」公開シンポジウムでの小西行郎氏の講演を紹介する。初めに、赤ちゃんの行動の始まりと五感について、例として胎児が指しゃぶりなどをすることでお腹の中で自己認知をするようになるということを述べる。つまり、赤ちゃんは真白の存在ではなく、胎児の時から生まれてくる前の準備や訓練を、すでにお母さんのお腹の中でしているのである。具体的には、胎児の行動はお腹の中だけでの驚愕反応、呼吸様運動、生まれた後随意運動になる行動の3つの種類がある。赤ちゃんの行動を研究する時に、生まれてからの行動だけでなく、これからは一番初めの胎児の状態から見ることが必要となってくるであろう。

お腹にいる赤ちゃんは、いつ頃から手足を動かすか知っていますか。何週ぐらいから手足を動かしますか。お母さんが胎動を感じるのが、大体ほぼ4ヶ月~5ヶ月といわれています、が、手足を動かし始めるのは実は7週目ぐらいからです。妊娠7週目というとどれ位の大きさかというと大体3、4mmぐらいです。私は研究の中で非常におもしろいなと思っているのは、7週目の赤ちゃんがなぜ動くかということについては考えておられる方は少ないということです。何がおもしろいかというと、7週目の赤ちゃんに脳はあると思いますか。脳はないです。脳がない赤ちゃんがどうして動くかわかりますか。人間が手足を動かすのはどうしてですかというと、脳から指令が行って手が動くと小中高で学習してきましたね。にも関わらず、脳が十分にはできていないのに手足が動くというのは何でですかというところから始めていこうと思っています。

 

この説明は、実は中々小児科では出来ません。産婦人科の先生でもできません。我々は今どうしているかというと、実はロボットの先生と組んで研究しています。ロボット先生、カオス力学と言う関係の先生方と一緒に研究しています。難しい話ですが、簡単にいえばカオス力学のモデルを持ってきて、それを水の中流体の中に入れると胎動と同じような動きが出てきます。

 

羊水があるのはなぜかというと、実は手足を動かすために羊水があると考えられるのです。なぜかというと、手足を動かす時に、水の中だと抵抗を感じます。触覚が動くわけです。(本文より一部抜粋)

全文はこちらからPDFファイルにてご覧ください。
小西教授と稲垣教授の講演部分
質疑応答部分

『子ども学』第7号(2005年3月発刊)から転載しました。

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