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第5回東アジア子ども学交流プログラム@中国(上海)

【プログラム】 

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2009/11/2 1日目@ (中国華東師範大学)

基調講演 「人間は何故心をもったのだろうか、脳の三位一体学説から情動の役割を考える」
CRN 所長 東京大学名誉教授 小林登

基調講演 「中国における幼児メンタルヘルス教育の実践と研究」
華東師範大学教授 朱家雄

講演1 「人を引き込む身体的コミュニケーション技術」
岡山県立大学教授 渡辺富夫

講演 2 「所有に関する行動の日中文化比較:子どもはいつ「中国人」になるか?」
早稲田大学教授 山本登志哉

講演 3 「ベビーマッサージとアタッチメントについての研究」
中国福利会国際和平婦幼保健院 主任医師 沈月華

講演 4 「親の期待と1-6歳児の発達について―中国11都市の調査結果」
華東師範大学準教授 周念麗

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2009/11/3 2日目@ (中国華東師範大学)

講演 1 「幼稚園教育での遊び」
華東師範大学準教授 華愛華

講演 2 「赤ちゃんはヒトに興味をもつ-赤ちゃんの対テレビ行動の解析より-」
成育医療センター研究所 成育社会医学研究部部長 谷村雅子

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【主催】 

チャイルド・リサーチ・ネット、中国華東師範大学

【レポート】 

11月2日(月)、3日(火)に、チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)、中国華東師範大学共催で第5回東アジア"子ども学"交流プログラムを開催しました。

「情動の子ども学」というテーマで、2日間にわたって日本と中国の専門家による最新の研究調査について8つの講演がありました。日本グッドトイ展示会も同時開催し、日本でグッドトイに選ばれた数多くのおもちゃを紹介し、実際に触れることのできるコーナーを大学の中で設置しました。当日は定員200名の会場がほぼ満席になり、また活発な質疑応答が行われ、会場は終始熱気に包まれていました。

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【1日目】

午前中にはまず最初の講演として、「人間は何故心をもったのだろうか、脳の三位一体学説から考える」をテーマにCRN小林登所長による講演がありました。続いて、華東師範大学の朱家雄教授による「中国初の大規模幼児の生命教育の実践研究について」の発表がありました。日本でもあまり耳にしない新しい実践研究について、非常に興味深い報告があり、今後のさらなる研究が期待されます。引き続き、岡山県立大学情報工学部 渡辺富夫教授からは「人を引き込む身体的コミュニケーション技術」をテーマに、その技術を採用して開発された「ペコッぱ」(空気の読める草・花)を実演しながら講演され、観客を魅了していました。

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午後は早稲田大学の山本登志哉教授による「所有に関する行動の日中文化比較:子どもはいつ「中国人」になるか?」をテーマにした講演から始まりました。日本と中国の文化の違いが具体的な事例とともに紹介され、参加者が興味深く聞き入っている様子が印象的でした。続いて、上海国際和平婦幼病院主任 沈月華医師による「ベビーマッサージとアタッチメントについての研究」、華東師範大学 周念麗助教授による「親の期待と子ども(1~6歳児)の心理発達について―中国11都市3000名の児童の調査報告」についてのご発表がありました。 


【2日目】

2日目、最初の講演では華東師範大学の 華愛華助教授による「教育的視野での子どもの遊び」の発表がありました。「遊び」と一言に言っても、その意味合いは国によって異なり、教育と遊びを融合させることの難しさが感じられる内容でした。続いて、日本から国立成育医療センターの谷村雅子先生による「赤ちゃんはヒトに興味をもつ」というタイトルの講演がありました。赤ちゃんに対するメディアの影響については、日中ともに関心が高く、質疑応答では多くの方が積極的に質問している姿がありました。

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また午前・午後と日本グッドトイ展示会を開設し、多くの方が入場してくださいました。中国ではあまり見たことのないおもちゃが多く展示され、みなさんが手にとって実際に遊びながら興味深く観察している様子がとても印象的でした。

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今回で東アジア"子ども学"交流プログラムは5回目となりました。日本と中国という、同じ東アジアの国でも様々な歴史や文化的背景の違いを改めて感じ、互いに学び、理解し、尊重し合う貴重な機会となりました。これからもCRNは"子ども学"という視点で子どもに関する研究や交流を深め、学問の壁を超え、国境、文化歴史の壁を超える心と心の交流を進めていければと思います。そして、子ども学の輪を日本、中国、アジア、さらに世界へと広げていくために鋭意取り組んでいきたいと思います。


※詳細の講演録は『東アジア子ども学交流プログラム報告書』に記載しています。


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「東アジア子ども学交流プログラム」について、今までの活動紹介はこちら

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