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名誉所長ブログ

Koby's Note -Honorary Director's Blog

おもちゃの王様、佐藤安太先生の88歳の夢-総理大臣・閣僚の1日研修を開きたい

戦後「ダッコちゃん」や「リカちゃん人形」などの大ブームを起こした玩具を制作したことで有名な、佐藤安太先生の「米寿の会」がライフマネージメント学会の主催で、先月3月22日の午後に開かれました。安太先生は88歳に見えない若さで、元気いっぱいでいらっしゃいました。

安太先生の設立された玩具財団の仕事には、私も20年以上も関係してきたことから、そのお祝いの会に出席し、楽しいひと時を過ごすことができました。その時の安太先生のお話が大変魅力的だったので、ここに紹介申し上げます。

安太先生は、自分にはとても実現できそうにもない「夢」を抱いた時、それを口に出して喋り、文章にして発表したりして、繰り返しその夢を発表し続けると、必ず実現できるようになるとおっしゃるのです。それを「夢実現法」と呼んで、多くの方々に薦めていらっしゃるそうです。安太先生の作られた「ダッコちゃん」も、「リカちゃん人形」も、その「夢実現法」を実践された結果だという話です。

88歳を迎えるに当って、安太先生は「新しい国づくりの夢」をもちました。それを実現するには当然「夢実現法」を始めるしかありません。その夢を話さなければなりませんし、書かなければなりません。それを米寿のお祝いの会でお話しされました。当然のことながら、話す内容は文章にされて、印刷物にもなり、資料と一緒に出席者に配布されたのです。そして、総理大臣と全閣僚に1日研修会を開いて直接お話し申し上げ、わが国の当面する問題を解決し、現在の国難を乗り越えたいとおっしゃり、出席者一同を湧かせました。

そんな考えを安太先生がもたれたのは、20年程前から経済的に不調になった韓国が破産した後、1997年にIMFから援助を受け、2008年にはリーマンショックも加わったにもかかわらず、最近大きく変わって素晴しい発展を遂げている姿をみたことが全ての始まりだそうです。安太先生が「ライフマネージメント学」という考えを発表して以来、韓国の海洋大学と関係ができ、そこで講義され、学生や教官とも交流するようになって、韓国の発展ぶりを身をもって体験されたことも大きいようです。それに加えて、昨年出版された大前研一氏の著書『新国家戦略論』(朝日新聞出版)をお読みになって、韓国が生まれ変わるドラマの全体像や真相などを理解されたのです。

現在日本を取り巻く内外の環境が激変しているにもかかわらず、国が旧態依然とした体制のままであることが最も大きい問題であると、安太先生は指摘しています。外を見れば、世界はグローバル競争の時代にあり、内を見ればわが国は「肉体労働社会」から「知的労働社会」に大きく変わっています。国や社会の全ての制度、システム、仕組みを、根本から発想を転換して、新しい時代の要求に合うようにしなければならないとおっしゃるのです。

安太先生は、「グローバル化社会」や「知的労働社会」に対応するには、国家を「次世代システム国家」にしなければならないと考えていらっしゃいます。それを、自らデザインしようとしているのです。それを考える素材として、身近な商店の運営のやり方を挙げています。その昔の商店は、家族が中心になって商品を選び、品揃えして販売していました。しかし、現在の商店の代表であるコンビニエンス・ストアでは、商品の売れ行きも、在庫量も、値段も、伝票も、全てがコンピューターで管理され、少しでも売り上げを上げられるように、あらゆるファクターを勘案して運営されているとおっしゃるのです。

国家となると、それなりに複雑なシステムの統合体ですが、システムを整理し、機能するメカニズムを明らかにして、包括的、統合的に管理できるような「次世代システム国家」でなければならないと考えるのです。それには、情報科学や数学のような高度な理論科学も必要なのではないかと、個人的には考えました。

さらに「次世代システム国家」を実現するため、総理大臣と全閣僚には、ぜひ1日研修を受けて頂きたいと、安太先生は考えています。研修は2つに分かれていて、第1は「人材育成研修」であって、人格形成とか、人間としての器量を大きくすることなどを行って、政治家が国民の模範となれるようにしたいと計画しているようです。考えてみれば、新聞の報道やテレビのニュースで映る、政治家の、どうしてこんなと思うような行動を見ると、私でさえもそう思い付くくらいですから、安太先生にすれば、何とかしたいと思われていることが沢山あるに違いないでしょう。

研修の第2は、「重点国家戦略設定研修」だそうです。総理大臣として、責任をもって「国家ビジョン」、「国家目標」を立てること、「グローバル化」、「一国二制度」を進める国家戦略を立てることです。さらに、政治・経済・教育・スポーツ・文化などあらゆる分野で世界一を目指す目標を総理大臣として示すべきであるとしています。さらには、どんな政策が、どんな成果を上げたか、または逆に上げなかったかを、「政策教書」として発表するべきであるとしています。

佐藤安太先生の、米寿の会で述べられた夢は、余りにも壮大で全てを述べることはできませんが、もし御希望の方がいらっしゃったら、ライフマネジメントセンターに電話されれば、資料は手に入ると思います。最後に安太先生は、アメリカのケネディ大統領も自律自戒の教訓とされて有名になった上杉鷹山公の「伝国の辞」と句を紹介して講演を終えられました。

伝国の辞
1) 国家は、先祖より子孫に伝え候国家にして、我私すべき物には無之候
2) 人民は、国家に属したる人民にして、我私すべき物にはこれ無之候
3) 国家人民の為に立たる君にて、君の為に立たる国家人民には無之候
右三条御遺念有間敷候事
天明五巳年二月七日 治憲 花押
治広殿 机前

受次て国の司の身となれば 忘るまじきは民の父母

なせばなるなさねばならぬ何事も ならぬは人のなさぬなりけり


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