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日本子ども学会 第8回子ども学会議 10月1日、2日に神戸の武庫川女子大学にて開催

10月、11月は、秋の学会シーズンで、私の関係する学会も次々と開催されている。日本母乳哺育学会や東アジア子ども学交流プログラムについては、すでにCRN上で取り上げさせていただいた。今回は日本子ども学会について述べることにしたい。

日本子ども学会は、平たく言えば、学問や職種をこえて、子どもに関係する人なら誰でも参加して、子ども問題を話し合おうという学会である。年1回子ども学会議として、子どもについて日頃勉強してきたことばかりでなく、テーマを決め、アイディアを持ち寄って話し合うことも行っている。普通の学会ならば、学術集会ということになる。

今年の第8回子ども学会議は、10月1日、2日の2日間にわたって、「育ちと学びを支える」をメインテーマに、創立以来70余年の歴史をもつ名門女子大学、武庫川女子大学の河合優年教授を会長とし、兵庫県西宮市にある大学の日下記念マルチメディア館ホールで開かれた。第1日目のサブテーマは「子どもの育ちと学び」で、第2日目は「東日本大震災の子ども達を支える」であった。主なプログラムは次の通りである。

第1日目は、お茶の水女子大学教授榊原洋一さんを座長に、パネリストとして大阪府立母子保健総合医療センター総長の藤村正哲さん、大阪大学人間科学部教授の金澤忠博さん、そして指定討論者として河合優年さんが加わってシンポジウム「小児医療から見た子どもの育ち」が行われた。藤村さんは、母子保健総合医療センター設立にあたって、母子同室方式を柱にした病院を作った方である。藤村さんは、新生児集中治療室(NICU)でケアされた子ども達、特に超低出生体重児の成長・発達について発表された。

心理学者の金澤さんは、小児科医の藤村さんと一緒に約500名の極小未熟児について行ったフォローアップ研究の成果を発表した。すなわち8歳の時点で、心理学的検査の結果を、出生時の母子同室やカンガルーケアと関連づけて、その有用性を論じたのである。

第2日目の午前は、甲南女子大学教授の一色伸夫さんを座長とし、あしなが育英会・あしながレインボーハウス・チーフディレクターの八木俊介さんと神戸市教育委員会事務局課長の中溝茂雄さんが話題提供者として発表をした。発表に対して神戸学院大学教授の小石寛文さんがコメントを述べる形でシンポジウム「被災の子ども達を支える:阪神淡路大震災が伝えるもの」が行われ、午後のシンポジウム「震災の子ども達を支える:今なにが起きていて何がもとめられているのか」につなげられた。

午後のシンポジウムの座長はお茶の水女子大学文学部教授の内田伸子さんで、話題提供者は、東日本大震災の現地で救援活動に直接関係した仙台白百合女子大学人間学部教授の大坂純さん、ハーバード大学公衆衛生大学院リサーチフェローの吉田穂波さんが赤ちゃんを中心とした現地の状況を報告し、パネリストとして宮城県石巻市溱小学校校長の佐々木丈二さんが発表された。さらに午前のシンポジウムの話題提供者の八木さんと中溝さんが発言された。

第2日目の午前・午後のシンポジウムは、細かい内容は後にゆずるが、大変時宣を得た内容の濃いものであった。いずれ「大震災の子ども学」としてまとめなければと思っている。

今回の子ども学会議にとって大変光栄だった事は、秋篠宮妃殿下が、第2日目の二つのシンポジウムに大変御関心をもたれ、会議の冒頭から終了まで終日御出席下さったことである。熱心にメモをとられているお姿が印象的だった。

この光栄をバネにして、日本子ども学会の更なる発展を期しているところである。岡山で開催する予定の第10回では、国際シンポジウムも行いたいと考えている。

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