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Koby's Note -Honorary Director's Blog

東大医学部に『健康と医学の博物館』がオープンした

この1月20日(木)、東大の医学部に『健康と医学の博物館』がオープンした。神田お玉ヶ池種痘所から始まった東大医学部・医学部附属病院は、平成20年(2008年)に創立150周年を迎え、その記念事業のひとつとして、この博物館が出来たのだ。

残念ながら、私は未だ見ていないが、中は常設展示と企画展示とに分かれているそうだ。常設展示では、神田お玉ヶ池種痘所から始まり、ドイツ人教師による西洋医学教育を行う東大病院へ、そして東大医学部へと変わった150年の歴史の中で、多くの先輩達の努力によって積み上げられたモノを展示している。その代表としては、東大で行われた研究の成果である眼科の石原式色盲検査表や、病理学教室で作られた人工癌、外科が開発した胃カメラなどがあるという。

企画展は、一般の方々に医学・医療の問題をわかりやすく紹介するトピック形式で、年数回行う計画だそうだ。立ち上げの企画展は、当時重大な感染症だった天然痘を予防するために設立された神田お玉ヶ池種痘所にちなんで「感染症への挑戦」というテーマである。「感染症とは」、「感染症と東大医学部のかかわり」、「身近な感染症」、「医療における取り組み」、「新たな挑戦」の5テーマについて展示しているそうである。

私が東大医学部で過ごしたのは、学生として1950年から54年の4年間、そして1959年に東大医学部小児科の教官助手になってから国立小児病院に移るまでの25年間であった。学生時代は勿論のこと、アメリカ留学から帰った1959年でも、第二次世界大戦の影響で、医学部・東大病院はまだまだミゼラブルなものであった。つづいて、1960年代末の大学紛争と、なかなか病院はきれいにならなかった。

特に病院の現実はひどく、何しろ1960年代はじめは、入院している子ども達の食事を、ベッドのかたわらで母親が七輪の火で作っているような状態だったのである。しかし、この20年間で、病院も医学部も立派になった。特に病院は新しくクリーンになったばかりでなく、沢山の外来患者さんに対応する職員も親切で、コンピューター・システムのおかげか、待ち時間も少なく、スムーズに診療が行われている。職員たちは、患者さんに対する対応のやり方を研修などで学んでいるそうである。私も患者として何回か病院にかかったので、それは実感として体験している。

その東大医学部・医学部附属病院が、第二次世界大戦後の平和のつづく中で、わが国の発展とともに立派になり、医学・医療の社会教育のために、外からお招き出来るような博物館も出来たことは、大変喜ばしいことである。

御関心をお持ちの方は、ぜひ御来館下さい。赤門を入って真直ぐ行くと医学部本館に突き当たり、その右側のゆるやかな坂を下って、龍岡門から入って来るバス通りに当たる手前左側に医学部総合中央館があり、その1階が医学図書館で、地下1階(B1F)が博物館になる。医学図書館は東大医学部100周年記念事業で、150周年の記念事業の博物館が並んだことになる。私も近く参上したいと考えている。


「健康と医学の博物館」
http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/
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