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名誉所長ブログ

Koby's Note -Honorary Director's Blog

日本子守唄協会主催の児童虐待防止キャンペーン

日本子守唄協会は、理事長 西舘好子さんが作られたNPO団体であるが、子育てばかりでなく児童虐待防止も、活動の大きなテーマのひとつで、何回かキャンペーンをしている。それは、子守唄は、子どもを喜ばせたり、眠らせたりするばかりでなく、母親の心をなごませたり、子育て意欲を高めたりする力もあり、子ども虐待の防止力になると考えられるからである。

平成22年12月15日午後、江戸東京博物館ホールで、「やめようとめよう児童虐待-児童虐待防止を考察する」と題して、読売新聞東京本社との共催で、内閣府、厚生労働省、文部科学省、東京都・心の東京革命推進協議会、子どもの虹情報研修センターの後援をいただいて、NPO法人日本子守唄協会主催で開かれた。

基調講演は、私が「児童虐待防止と子育て支援」と題して、この春までセンター長をつとめていた子どもの虹情報研修センター(日本虐待・思春期問題情報研修センター)で学んだ事を中心に、ダナ・ラファエル女史の「ドゥーラ」という考え方を紹介し、子ども虐待防止には、優しい社会、人を思いやる社会を作る必要があることを述べた。基調講演の第2は、盛岡にある、みちのくみどり学園(養護施設)の園長であられる藤澤昇先生が、親と別れて学園に入ってきた、虐待された子ども達の心の問題について、自らの御体験を話された。子ども達のエピソードは、親達の問題にも関係しているが、正に心が痛むものであった。

つづいて、子どもの虹情報研修センターの研究部長で、児童相談所に長期にわたり勤められて虐待問題に対応し、それに関する多数の本も書かれておられる川崎二三彦氏を司会にして、日本子守唄協会理事長 西舘好子さん、読売新聞東京本社 記者の小坂佳子さん、そして基調講演の演者2人が加わってシンポジウムが開かれ、児童虐待の予防も含めて、会場の皆さんと一緒に話し合った。

内容の細かい点は別の機会にゆずるが、第三部の「命の讃歌ミニコンサート」が開かれ、木下綾香さん作詞・作曲の「冬に咲くひまわり」が彼女自身によってまず歌われた。つづいて声楽家の川口京子さんが、「この子の可愛さ」「しゃぼん玉」など、子守唄や童謡が6曲歌われ、最後に美輪明宏氏作詞・作曲の「ヨイトマケの唄」が熱唱され、会場の皆さんに感銘を与えた。つづいてフィナーレは、演者全員が壇上に上がり、会場の皆さんと一緒に「夕焼け小焼け」が合唱されて終了した。


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子守唄協会が行う行事は、いつもこのやり方である。協会は、過去に「日本の子守唄」「とやま子守唄フェスタ」「親子のきずな」「子ども虐待」などいろいろなテーマで、この様な会を開いているが、そのあとに必ず子守唄・童謡などが歌われ、フィナーレは皆さん御存知の歌の合唱で終わるのである。「歌は人の心を優しくする」ということを、この会ではいつも身をもって体験することが出来る。

現在のように、物質的に豊かな社会では、「優しさ」、「思いやり」、「うるおい」などがなくなり、人間関係は希薄、考え方は物質万能主義、人々の心は荒び、家庭・社会のあらゆる面で心の問題を起こしている。社会にガタが来ているのである。それを取り除くために、みんなが歌を唄う明るい町、子守唄や童謡のメロディーが流れる町にすることが、町を優しさで一杯にし、社会のガタを取り除き、虐待のない社会にする大きな力になると思うのである。

この運動に関心をお持ちの方は、ぜひ日本子守唄協会の活動を御支援いただきたい。
  (連絡先:NPO法人 日本子守唄協会 TEL 03-3861-9417
  URL:http://www.komoriuta.jp/ MAIL: info@komoriuta.jp)
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