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名誉所長ブログ

Koby's Note -Honorary Director's Blog

読売新聞大阪本社の子育て支援事業

読売新聞大阪本社は、社会的意義の大きい子育て支援事業を行っている。20年程前に始まった「よみうり子育て応援団」と称する、子育ての専門家、研究者、さらに親の代表者などによる一般向けの講演会、相談会やシンポジウムのようなものである。それに加えて、5年程前から始まった事業もある。日本全国で行われている民間の子育て支援運動の中から、良い運動、ユニークな運動などを選んで表彰し、賞を差し上げ、専門家も派遣して運動を支援する「よみうり子育て応援団大賞」である。御縁あって、始めた当初から私も楽しくこの事業をお手伝いさせていただいている。

今年は、この11月13日(土)に応援団大賞などの授賞式と、「知りたい、みんなのしかり方」というテーマで応援団が大阪のドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)で行われた。

応援団の各賞は応募団体220程の中から5団体が選ばれた。大賞は京都市の「京都子育てネットワーク」(代表 藤本明美さん)で、京都にあるいろいろな子育てサークル約170団体を、「親には子育て仲間を、子どもには遊び仲間」をスローガンに、ネットワーク化したものである。

奨励賞としては、福井県坂井市にあるNPO「パパジャングル」(代表 荒巻仁さん)という、本の読み聞かせを軸に、父と子のキャンプ、運動会、山登り、料理教室、放課後の遊びや勉強などを行っている父親の団体と、北海道士幌町の「ぱん・ぱん・ぱんぷきん」(代表 松浪智子さん)という、特別に作った「子育て支援カー」で広大な農業地域をまわり、子ども達に土曜日の居場所を作り、移動図書館、移動教室などを行って勉強させる運動も展開している団体に賞が与えられた。

応募した団体はいずれもレベルが高く、優劣つけ難かったので、残念ながら賞金はないが選考委員特別賞を2団体に贈ることになった。熱心な話し合いと公平な評価によって、東京の世田谷区で30年程前から、子ども達に冒険あそびをさせる先駆的な活動をしている「プレイパークせたがや」(理事長 西郷泰之さん)と、福岡市で、商店街の空き店舗を利用して子どもをいろいろと遊ばせる運動を展開している大学生の団体「きんしゃいきゃんぱす」(代表 山下智也さん)であった。

応援団のテーマ「知りたい、みんなのしかり方」も、やりとりが活発で、時間の経つのを忘れる程であった。司会進行は、千葉商科大学の宮崎緑さんの見事な手さばき、口さばきによって行われた。参加した専門家の方々は、恵泉女学園大学の大日向雅美さん、母親として発言した女優の奥山佳恵さん、京都大学教授の心理学者である子安増生さん、子育て支援を実践していて、その昔応援団賞を受賞したNPOハートフレンド代表の徳谷章子さんであった。あらかじめ集めた質問を整理して、それに答える格好で行われたが、当日参加しているお父さんからの直接の質問も加わった。

話し合いの内容は、大変興味深く、私にとっても大変勉強になった。敢えて私の考えをもうひとつ加えるならば、お父さんとお母さんの二人が一緒に叱らないことも重要と思う。片方が叱ったら、しばしば一緒になることが多いが、片方は必ずサポーティブにまわり、折を見て何か良い事を誉めることである。お父さん、お母さんから一緒に叱られたら、子どもにとっては救いがなく、追いつめられてしまうと思うのである。

少子化が進み、子育て問題が多発する中、全国各地域で頑張っている子育て支援活動をサポートする、読売新聞大阪本社のこの事業の、草の根の力を強化する役割は極めて大きいものと思った。この11月13日土曜日の午後、楽しい半日であった。

(関係記事は、10月5日(火)、11月14日(日)、11月28日(日)の読売新聞大阪版朝刊に掲載)
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