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【ネットジェネレーションの教育】 第2回 親子インターネット利用調査の日米比較 (4)

要旨:

日本の子どものネット不安感について見てみると、ホームページ(プロフ)を持っている子どもほど、ネット不安傾向が高いことがわかった。また、利用時間が長い子どもほど、常にネットにつながっていないと不安に感じている。さらに、成績が下の方だと回答している子どもほど、不安に感じているようだ。ネット不安と好きな科目の関係では、大変不安だと回答している子どもたちの特徴として、語学以外の主要科目が好きだと回答しない子どもが多いことがわかった。また、ネット不安が高い子どもほど、不快なサイトを見ていた。

 

6.成績とインターネット不安感

 

図19には、ネット不安感(設問「常にネットにつながっていないと不安に感じますか。」)ごとのホームページ(プロフ)の有無(設問「自分のホームページやプロフを持っていますか?」)を示す。χ2検定の結果有意であった(χ2(3)=80.25,p<.01)。グラフの結果を合わせると、ホームページ(プロフ)を持っている子どもほど、ネット不安傾向が高いことがわかった。

 

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図19 ネット不安×ホームページ(プロフ)の有無

図20は、ネット不安とインターネット利用時間の関係を示す。利用時間が長い子どもほど、常にネットにつながっていないと不安に感じていることがわかる。

図21は、ネット不安と成績の関係を示す。成績が下の方だと回答している子どもほど、不安に感じていることがわかる。だだし前節(5)で示したように、成績とインターネット利用時間には有意な関連はなかったため、実際の利用時間にはよらず、成績が上位の子どもほど不安には感じていないことがわかった。

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図20 ネット不安×インターネット利用時間

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図21 ネット不安×成績

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図22 ネット不安×好きな科目

図22は、ネット不安と好きな科目の関係を示す。常にネットにつながっていないと大変不安と回答している子どもの中に、数学・算数、理科、社会が好きだと回答している子どもはいない。好きな科目ごとのネットの利用時間や利用内容には顕著な特徴は見られなかったが、大変不安だと回答している子どもたちの特徴として、語学以外の主要科目が好きだと回答しない子どもたちは、ネット不安を引き起こしやすいことがわかった。

図23~図26は、ネット不安とネット上で見たことのある不快なサイトとの関係を示す。ネット不安が高い子どもほど、不快なサイトを見ていることがわかる。

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図23 ネット不安×お金もうけができそうなサイト

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図24 ネット不安×死体

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図25 ネット不安×人のはだか

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図26 ネット不安×暴力映像
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