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論文・レポート

【ジャカルタ子育てジャーナル】 第9回 ジャカルタの日本人コミュニティ

岸田 佐代子

2017年7月28日掲載

4ヵ月の長男を連れて初めてジャカルタに来たときに一番欲しい!と願ったものは日本人の友達でした。ジャカルタでの子育ての相談や悩みを聞いてくれる友達が欲しくてマンションの敷地をお散歩しているとき、お子さんを連れた日本人らしき人を見かけると声をかけていました。そんな日々が懐かしいなと今では思いますが、その時は必死だったのでしょうね。

インドネシアの在留邦人数は18,463人、そのうちジャカルタ特別州の在留邦人数は10,943人とインドネシア全体の半数以上を占めています(2015年統計)。その10年前の2005年のジャカルタ特別州の在留邦人数は6,681人だったので、10年間で1.5倍以上に増えたことになります(在インドネシア日本国大使館より)。私が来た5年前と比べても日本人を見かけることが増えています。しかし育児中、特に未就学児をもつお母さんは孤独になりがちです。これは日本でも同じかもしれません。縁もゆかりもない土地でいきなり育児をするのは不安でしょう。

そこで今回は、ジャカルタでの子育ての強い味方である日本人コミュニティについてリポートします。

ジャカルタマザーズクラブ

ジャカルタマザーズクラブは、ジャカルタ在住の日本人のお母さんたちに有益な情報を提供し、生活を支援する、会員制のグループです。運営しているのは、ボランティアのお母さん方です。

私は、子どもをプレスクールに通わせるより以前に、子育て情報を得たり、日本人の友達を作るためにこちらのプレイグループに参加しました。プレイグループとは、親子で参加することができ、子どもを遊ばせながらお母さん同士も交流や情報交換ができるような会です。不定期で年に数回開催されているようです。私はクリスマス会にも参加しましたが、ボランティアの方が楽しい演奏やお歌を披露してくださり、私たち親子も一緒に歌ったりダンスをしたりしました。

また、ジャカルタマザーズクラブでは、プレママ交流会という、妊婦さんを対象にした会も行っています。ここでは、ジャカルタでの妊婦生活や、現地での出産のメリット・デメリットなどの話が経験者の方から聞けるようです。さらに現在、プレ・プレママ交流会なるものもあるそうです。これからジャカルタでの妊娠を考えている人を対象にしているそうです。日本から遠く離れたジャカルタの地で、なんと親切なサークルなのだろうと感心しました。

さて、私がこのジャカルタマザーズクラブによるイベントで一番活用していたのはバザーです。本帰国を迎える人の不用品や、子どもが成長して使わなくなった服やおもちゃなどがフリーマーケット方式で販売されています。日本の玩具をジャカルタで手に入れようとすると、手に入らない物ももちろんありますが、売っていたとしても日本で買う数倍の値段が付いていたりします。そこで、このバザーで様々な日本の中古玩具を入手しました。

また、日本の日用品なども売られていて助かります。ジャカルタにこんなに日本人のママがいるのね!と思うほど、オープン前から、抱っこ紐で赤ちゃんを抱えたお母さんたちが列を作っています。

ジャカルタジャパンクラブ(JJC)

ジャカルタジャパンクラブ(JJC)は、1970年に創設された、インドネシア最大の日系コミュニティです。法人部会では、インドネシアに進出した日系企業のサポートを行ったり、個人部会では、在日本人の交流や健康、安全のために様々な活動をしています。また、インドネシアと日本の間の親善や、インドネシア社会にも貢献しています。個人向けの活動として、具体的には、様々なスポーツやコーラスなどのクラブ活動を支援したり、インドネシア語講座を開いたり、本やDVDの貸出しをする図書館の運営をしています。専ら私が利用しているのは図書室です。JJCでは日本の絵本を沢山所蔵しています。なかなか日本の絵本を手に入れるのは難しいので助かっています。子どもたちと出かけて、その場で絵本を読んだりDVDを選んだりして時間を過ごすこともあります。

また、JJCではクラブ活動として、子どもたち向けのテニス教室やサッカー教室も行われています。主に保護者やジャカルタ在住の日本人ボランティアが運営に携わり、コーチをしています。

他にも子どもたち向けの活動として、月に一度、JJCの一室で絵本の読み聞かせ会が開かれており、私はこのボランティアをしています。ジャカルタに住む日本人の子どもたちを対象にした読み聞かせ会です。自分の好きな本や読んであげたい本、季節に合わせた本を選んで読みます。またJJCに所蔵されている紙芝居や大型絵本を使って読み聞かせをしたり、手遊び歌などで盛り上がります。ボランティアの皆さんは、元幼稚園教諭や保育士さんが多く、子どもの心をつかむことがとても上手で大変参考になります。また、すでにお子さんが成長され、子育てを終えた先輩ママもボランティアでいらっしゃいます。気持ちはただ一つ、ジャカルタにいる日本人の子どもたちに絵本の素晴らしさを知ってほしい、楽しんでほしいということで、非常に良い取り組みだと思っています。私はJJCでの活動のみ参加していますが、ジャカルタ日本人学校の幼稚部や小学校でもボランティアによる読み聞かせ会が行われています。

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JJCでの読み聞かせ会

ジャカルタ日本人学校(JJS)幼稚部での夏祭り体験

先日、ジャカルタ日本人学校(JJS)の幼稚部に子どもを通わせているママからチケットを譲ってもらい、JJS幼稚部のお祭りを見に行きました。

JJSはジャカルタとその近郊の子どもたちが通う日本人学校で、幼稚部は年少(日本でいう年中の年齢)と年長の2年保育で、それぞれ3クラスあるそうです。そして1クラス30人から35人ほど通っているという事です。

小中学部も併設された広い敷地に大きな校庭があると聞いていたのですが、芝生が敷き詰められたきれいな校庭は圧巻でした。幼稚部の教室も、日本の小学校の教室のような大きさで、使いやすく整えられています。「楽しそう!この学校に通わせてみたい!ここなら思いっきり走り回れる!」とつい思ってしまったくらいです。

お祭りは幼稚部の子どもたちによる手作りお神輿でのパレードから始まり、縁日ごっこと題して各クラスがポップコーン屋さんや綿菓子屋さん、お化け屋敷に射的と様々な出店を出していました。それぞれ子どもが主体で、保護者の方々も協力しながら進めていました。そして最後に子どもたちによる出し物、お歌とダンス、太鼓の披露です。年少さんのかわいらしいダンスに癒され、年長さんのダンスと太鼓の演奏は、素早い動きがさすが年長さんという感じで、とても迫力があり感動しました。

JJSの幼稚部では、月に何人も日本への帰国や他国への転居で転校してしまうそうです。そして、もちろん転入も多く、子どもたちはそれを当たり前のこととして受け止めているようです。なかには「本帰国」という言葉に憧れをもつ子どももいて、「私の本帰国はいつ?」とお母さんにしきりに聞いているという話を聞きました。海外の幼稚園ならではですね。


ジャカルタでは宗教上の違いや文化の違いもあり、日本から来たばかりでは戸惑うことが多くあります。インドネシア語や英語に自信がない状況だと、日常生活のアドバイス、海外での育児の相談をするのはやはり日本人の友人知人に頼ることが多いかもしれません。そういった面で日本人コミュニティは強い味方になると思います。また、インドネシア語を使ったローカルスクールに子どもを通わせることは困難なので、必然的にインターナショナルスクール又は日本語の幼稚園に通わせることになります。日本語幼稚園に通わせると、日本人同士のつながりがどうしても強くなることになります。

せっかく海外にいるのだから日本人以外の人と関わることはもちろん必要ですが、海外にいるからこそ大切にしたい日本人の繋がりです。

筆者プロフィール

岸田佐代子(きしださよこ)
メーカー勤務から地方局契約アナウンサーを経て結婚と同時に夫の赴任先のアメリカ・ジョージア州へ転居。
帰国後フリーアナウンサーとしてリポーターや司会の仕事を行い、2012年夫の転勤に伴いインドネシア・ジャカルタへ渡航。現在に至る。
2児の母。趣味はテニス、ヨガ。
愛犬はトイ・プードル。
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