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論文・レポート

【ジャカルタ子育てジャーナル】 第7回 ジャカルタの食材事情

岸田 佐代子

2017年6月 2日掲載

子どもに新鮮で安全なものを食べさせたい。親は皆願う事ですが、ここジャカルタでは日本と同じ食材を手に入れるのは難しいのが現状です。今回はジャカルタの食材事情をリポートします。

我が家の場合

我が家の食卓は和食がメインです。いわゆる日本の家庭料理です。食材は主に日本食材店で手に入れます。また、韓国食材スーパーやローカルスーパーに行くこともあります。どこでも野菜や肉、魚など一通りそろえることができます。但し、イスラム教で食べることを禁じられた豚肉は、どのお店でも他の肉とは別のコーナーで売られています。部位や肉の薄さなどの種類も日本のように多くありません。また、豚肉を使った食材にはその表記がしてありイスラム教徒に配慮しています。

こちらの水道水は飲めません。我が家にはありませんが、大型又は簡易浄水器を付けている駐在員家庭も多くあります。歯磨きやうがいの時は面倒で水道水を使ってしまいますが、飲んでしまうのは危険です。

アメーバ赤痢や腸チフスなど、汚染された水から感染する病気もあります。実際次男が生後6カ月の時にアメーバ赤痢にかかりました。(後日、ジャカルタの病院事情の回で詳しくリポートします)

そういった状況の中、ジャカルタで欠かせないものがウォーターサーバーです。私の場合、野菜洗いや米洗い、味噌汁づくりや、茹でた麺を水でしめるときもこのお水を使っています。正直言って面倒ですが、見えない菌に脅かされている感覚があり、なんとなくウォーターサーバーを使っています。一時帰国すると、水道水を飲める日本は安心安全な国だなあと実感します。

日本食材店

私がよく利用するこのスーパーはジャカルタとジャカルタ近郊に5店舗あり、日本からの輸入食材を買うことができます。私にとって、なくてはならないお店です。2012年に初めてジャカルタにやってきた翌日、生活をするうえで一番気になる日本食材店へ足を運びました。当初は、少し我が家から離れているジャカルタ南部のお店が最寄りでしたが、2013年7月にジャカルタ中心部にもオープンしてからは、週2日は通っています。

日本食材の値段の高さには驚きます。日本のスーパーと比べると、3倍くらいになったりもします。インドネシアは関税が高く、輸入品の値段がとても高いのです。

余談ですが、日本から食材などを送ってもらうとすると、運にもよりますが、高い関税を取られて驚くことがあります。10kgもしない重さの段ボールを送ってもらったとき、日本円に換算して4,000円ほどの関税支払いの請求をされたことがあります。

この数年の間に輸入禁止になったものもあります。それはお米です。現在は日本からの日本米の入手が不可能になりました。現地で作られているジャポニカ米(日本米と同じ品種群のお米)が売られています。以前は高いながらも日本からの輸入米があったので残念です。 日本に帰ると、日本のご飯は美味しいと毎回感動します。

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お米の種類はあまりありません調味料売り場


反対に、ジャカルタではなかなか入手できなかったものが売られるようになって日本人の間で話題になったものがあります。それは納豆です。こちらで生産された納豆は以前からあったのですが、日本から輸入された納豆はありませんでした。私の場合は一時帰国のたびにスーツケースに詰めてジャカルタに持って帰ってきていました。

日本製納豆が売られているのを見たときは、嬉しさとすぐに売り切れるのではないかという不安から、日本で買う2.5倍くらいの値段にもかかわらず大量買いしてしまい、我が家の小さな冷凍室がいっぱいになった記憶があります。こちらでは納豆は「冷凍」で売られています。

ベビーフードも品数は多くはありませんが、入手できます。ただし、日本のミルクはなかなか入ってこないようです。母乳ではなくミルクだけで赤ちゃんを育てていた友人がいますが、一時帰国の際、日本から10缶もミルクを買ってきていました。現在は日系企業と現地企業の合弁会社が作ったインドネシア製ミルクが売られているようです。また、食べ物ではありませんが、赤ちゃん用オムツはこちらでも日本とほぼ同じものが入手できます。

お菓子は日本のコンビニやスーパーに比べるとかなり品数が少ないのですが入手できます。日本のものと現地のものが混在して売られています。私が来た約5年前と比べると徐々に日本のお菓子の種類が増えているように感じます。

日本食材店側も、インドネシアの輸入規制や、輸入を申請してもなかなか許可が下りないという状況と闘いながら努力して少しずつ日本からの商品を増やしてくれています。実際申請は1商品ずつしなければならず、許可が下りるまで数カ月がかかり、それでも輸入出来ない商品もあるそうです。年々厳しくなっていて大変なのだそうです。

日本でおなじみの野菜はあるものとないものがあります。例えばパプリカは普通のスーパーでも日本食材店でも売られていますが、ピーマンはなかなか入手できません。日本から輸入されたピーマンを何度か見かけたことはあります。日本とは気候が全く違う国なので、同じように栽培することは至難の業かもしれません。

お魚は、元々インドネシアでは生で食べる文化がありません。ただ、日本食材店ではお刺身が売られています。切り身なども品数は日本に比べて多くはありませんがいくつかあり、我が家は利用しています。友人のなかには、ジャカルタではほとんどお魚を買ったことがないという人もいます。衛生状態や鮮度などに不安を感じている人も多いようです。なかには生野菜を外食の際は絶対食べないという人もいます。衛生状態があまりよくないインドネシアでは、不安になるのもよくわかります。

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鮮魚売り場お惣菜もあります

八百屋

数年前にジャカルタで営業を開始した日本人オーナーによる八百屋さんが、最近我が家のそばにもオープンして大喜びしました。この時も現地日本人の間で話題となり、私もオープン初日から足を運びました。それくらい新鮮な野菜に飢えているのだなと実感します。こちらの八百屋さんは自社農園で無農薬の野菜畑をもっていて、日本野菜の水菜や小松菜、モロヘイヤなど様々な野菜を作っているそうです。なるべく有機栽培、無農薬野菜を入荷して安心安全な野菜を提供しているとのこと。そして店内は日本の産直販売所のような内装で、インドネシア人の店員さんたちも前掛けにバンダナの八百屋さんスタイルです。日本人にはホッとする空間です。私はここで買った生の小松菜をバナナと合わせて、ミキサーにかけてジュースを作ったりしています。

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八百屋店内

ローカルスーパー

ローカルスーパーでは、一通りの食材が揃い、中にはアジア食材を集めたコーナーや輸入品を集めたコーナーを設けているスーパーもあります。

インドネシアは貧富の差が激しく、みんなが買い物でスーパーに足を運んでいるかというとそうではなく、スーパーで食材を購入するのは富裕層が大半で、大部分の人々はパサール(市場)で買い物をすることが多いようです。

インドネシアでは粉ミルクの種類の多さに驚きます。実際飲んだことがないので味はわかりませんが、小さい子ども用から大きい子ども、大人用に至るまで様々な商品が並んでいます。昔から粉ミルクがよく飲まれているからか、牛乳が高額だからなのか、ローカルの人々は牛乳をあまり飲まないそうです。1食、日本円で100円から200円あれば屋台などでご飯を食べられる中、冷蔵で売られている牛乳は1L、200円以上します。日本人の感覚からすると、1パック1,000円以上する飲み物といった感じでしょうか。かなり高いです。とはいえこの牛乳、日本で言う生乳100%とは少し違うようです。なぜなら添加物の欄には少量の砂糖を使用していると書いてあり、ビタミンなども配合されています。日本の牛乳を子どもに飲ませたいと常に思います。

日本企業がインドネシアで合弁会社を作り、現地で生産している商品が数多くあります。ここ数年でぐんと増えた印象です。例えばパンも日本の製パンメーカーのものを購入することができます。日本で売られている物とは少し違いますが、インドネシアに進出している日本企業の製品を見ると嬉しくなります。なんとなく安心感もあります。

また、最近では日本でも普及していますが、ネット展開しているローカルスーパーがあり、渋滞が深刻なジャカルタではとても便利です。配達員はバイクで購入商品を持ってきてくれます。私の場合渋滞や保存状態が不安で、専ら重いジュースや子どものオムツなどが主で、未だに生ものは注文したことがありませんが、大変助かっています。

パサール(市場)

私はあまり足を運ぶことがないのですが、ローカルの人々にとっては生活の一部です。混雑していてスリなどに遭うのではないか、高い値段でふっかけられて嫌な思いをするのではないか、衛生状態が悪く耐えられるだろうかというのが、私が行くのに躊躇する理由です。

しかし、場所にも依るようですが混雑していない時間帯を選べば空いていて、何より値段の安さに驚きます。市場なのにやせ細った猫がウロウロしていたり、なんとも言えない臭いがあることを除けば、お店の人々も優しく、楽しく買い物ができました。例えばスーパーではマンゴー2個分の値段で、パサールでは少し小さめでしたが6個購入できました。

炎天下で丸ごとの鶏肉がそのまま店先に放置(売り物なのですが)されているのを見ると、さすがにお肉をパサールで買うのは私にとってハードルが高いなと思います。

ちなみにパサールは食べ物のパサールだけではなく、布などを多く扱うパサールや、宝飾品などに使う石を扱うパサールなど色々なものがあります。布のパサールには現地に住む日本人もよく足を運びます。こちらでは洋服など安く仕立ててくれるので、その布選びにパサールは欠かせません。

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パサール

インドネシアは物価が日本よりも安いですが、こちらで日本に近い食材や調味料で料理しようとすると、日本以上に高くなります。友人のなかにはパサールにこまめに足を運んで、新鮮で安いものを手に入れている人もいます。どのようにして安心安全な美味しい食材を入手するか、ジャカルタ生活での不変のテーマです。

筆者プロフィール

岸田佐代子(きしださよこ)
メーカー勤務から地方局契約アナウンサーを経て結婚と同時に夫の赴任先のアメリカ・ジョージア州へ転居。
帰国後フリーアナウンサーとしてリポーターや司会の仕事を行い、2012年夫の転勤に伴いインドネシア・ジャカルタへ渡航。現在に至る。
2児の母。趣味はテニス、ヨガ。
愛犬はトイ・プードル。
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