CHILD RESEARCH NET

HOME

TOP > 論文・レポート > 子育て応援団 > 【ジャカルタ子育てジャーナル】 第3回 ジャカルタのお誕生会事情

このエントリーをはてなブックマークに追加

論文・レポート

Essay・Report

【ジャカルタ子育てジャーナル】 第3回 ジャカルタのお誕生会事情

こちらでは誕生日の祝い方が日本のそれとは少し違います。例えば、夫が勤める会社には70名程の社員がいますが、夫の誕生日には夫自身がケーキなどを買って、皆で分けて食べるそうです。お誕生日の人がご馳走するという文化です。

そこで、今回はジャカルタのお誕生会事情をリポートします。

インターナショナルプレスクールの誕生日会

日本の園ではその月にお誕生日を迎える子どもを皆一緒にお祝いするイメージがありますが、息子のスクールでは少し違います。

まず子どものお誕生会を希望する保護者が予めスクールに予約を取り、会のための時間を確保します。開催しない選択肢や、子どもの在籍するクラス内だけでの誕生会という選択肢もありますが、多くの親が全クラスの子どもを集めての誕生会を選んでいます。スクールには全部で50名近くの子どもたちが在籍するので、毎週全クラスでのお誕生会が行われる月もあります。

お誕生日会を開くにあたって、まず準備するものは招待状です。スクールから名簿を貰い、約50人分の招待状を作成します。そしてお誕生日の子どもの保護者がケーキを準備し、当日持参します。全クラスで分けるケーキなので、大抵立派なケーキになります。そして忘れてはならない物が「goody bag(グッディバッグ)」というお菓子や小さなおもちゃ、文房具などを入れたプチギフトです。これはお誕生日会に出席した子ども全員に配ります。こちらにはgoody bagを専門に扱う業者がいて、様々なプチギフトがあります。そういった業者を利用する人もいます。豪華なものでは、それぞれの子どもの名前が刺繍されたバッグやクッションを貰ったこともあります。息子の誕生日の際はお菓子や小さなドリンク、粘土などを入れました。大量購入した後一つひとつ手作業で小さな袋に入れるため、なかなか時間のかかる作業です。

当日はメインテーブルに主役の子どもが座り、担任の先生主導で会が進められます。まずはバースデイソングを皆で歌い、その後各クラスの子どもたちが主役の子どもの周りを囲んでお歌のプレゼントをします。中には一人で歌いたい!と立候補する子どももいて、個人で歌を披露したりもします。そして主役の子どもも皆にお歌を披露します。息子は4歳の誕生日会では「Twinkle, Twinkle, Little Star」を歌っていました。ちゃんと人前で歌えるのかこちらがドキドキしましたが、先生の助けを借りながらも小さな声で歌っていました。その後ライトが消され、先生がケーキのろうそくに点火して、再びバースデイソングを合唱します。主役の子どもがろうそくの火を吹き消してから、お待ちかねのケーキのおすそ分けです。先生が手際よくカットして全員に配ります。中にはお代わりする子どももいます。そしてプレゼントを準備している子どもは主役の子どもにプレゼントを渡し、お返しにgoody bagをもらってそれぞれのクラスに戻っていきます。プレゼントを準備していない子どもももちろん同じようにgoody bagを受け取ります。プレゼントを用意している子どもは約半数位でしょうか。保護者の方針によるようです。進行はすべて先生によって進められるので、主役の子どもの親はビデオを撮ったり、子どもをそばで見守ったりすることができます。親にとっても子どもにとっても記念に残るお誕生日になります。意外にも息子は貰ったプレゼントに喜ぶ以上に、皆からお祝いしてもらったということが嬉しかったようです。年に1度主役になれる日と思っているのだと思います。私にとっても、初めは招待状やケーキ、goody bagなどの準備に頭を悩ませていましたが、皆が息子のためにお歌を披露したり、お祝いの言葉をかけてくれることにとても感動しました。

report_09_242_01.jpg
スクールでのお誕生会

ローカル幼稚園のお誕生会

ローカル幼稚園に子どもを通わせているインドネシア人に話を聞くと、その園では大々的にお祝いはしないそうです。なぜかというと、時間がないからということです。カリキュラムが決まっていて、お誕生会に充てる時間がないようです。お誕生日の子どもがgoody bagを持ってきて皆に配ることはあるそうです。

また、別のインドネシア人に話を聞くと、その園では私の息子のスクールとほぼ同じで、お誕生日の子どもがケーキを持ってきて皆で一緒に食べたり、goody bagを配ったりするそうです。ローカルの幼稚園でも、園によって方針が違うようです。

スクール外でのお誕生会

日本でも自宅にお友達を招いてのお誕生会を開催することがあると思いますが、こちらでよく行われているのは、室内型遊具施設(プレイグラウンド)でのお誕生会です。このような施設には、滑り台やアスレチック、大きなソフトブロックやボールプール(軟らかいボールが敷き詰められた遊具)、乗用玩具など様々な遊具が揃えられています。そこに何十人もお友達を招待して、その施設で遊んでもらい、お祝いしてもらいます。場所が少ない上に日中は暑いので、ジャカルタでは外で遊ぶ機会が限られます。そのため室内の遊具施設が充実しているのです。面白いと思ったことは、ケーキを囲んで主役の子どもがろうそくの火を吹き消すイベント以外、子どもたちはずっと自由に遊んでいて、お誕生会であるという認識がほとんどありません・・・。

こういった施設で行われるお誕生会には、進行役の司会者や演奏者などがいたりもします。司会の進行のもと、みんなでダンスをしたりゲームなどをして遊びます。 各施設には、人数に合わせ食事も付いたパッケージプランがあるようです。そういった施設は入場料が高く、入場料だけでも子ども1人に付き1500円ほどしたりするので、お誕生日会はかなりの出費になるとは思いますが、施設側がすべて準備してくれるので楽に開催できます。

report_09_242_02.jpg   report_09_242_03.jpg
プレイグラウンドで遊ぶ息子


その他、自宅やマンションのホールを貸し切って行う場合は、司会者やマジシャンを頼んだり、バルーンアート、タトゥーシールなどを業者に依頼して子どもたちを楽しませます。人件費が安いインドネシアならではかもしれません。

あるお誕生会は、100人近くの人を家に招待して盛大に行われていました。それだけ大きな家に住んでいるということにまず驚きましたが、中に入ると大きな名前入りのパネルがあり、風船などデコレーションも可愛く施されていて、インドネシア人のお金持ちのスケールの大きさに圧倒されました。ろうそくを吹き消すイベントの時には、大勢の人たちが主役を囲み、有名人さながらです。プロのカメラマンもいます。パーティは司会者がいて、子ども向けのダンスやゲームをして盛り上がっていました。長男はもっぱら、手入れの行き届いた芝生のお庭に用意されていた三輪車に乗って遊んでいましたが・・・。

report_09_242_04.jpg
息子のお友達の誕生会


我が家の場合は、マンションに付いているラウンジスペースで6組程の家族を招いて長男のお誕生会をしました。レストランからケータリングしたり、簡単なものは自分で作ったりして食事を準備しました。一つ業者を呼んでお願いしたことは、風船のデコレーションでした。3,000円ほどでバルーンアートをいくつか作ってくれ、部屋をデコレーションしてくれます。日本では業者に頼んでデコレーションしてもらうという発想すらありませんでしたが、インドネシアではリーズナブルにお願いでき、とても素敵に飾り付けてもらえたので満足しました。

多くのお友達を招いて遊具施設での誕生会をしてあげたい気もしますが、費用もかかりますし、仲の良いお友達にお祝いしてもらうだけで十分だと思っています。

このように、様々なバースデイパーティを体験して親子で楽しんでいます。

筆者プロフィール
岸田佐代子(きしださよこ)
メーカー勤務から地方局契約アナウンサーを経て結婚と同時に夫の赴任先のアメリカ・ジョージア州へ転居。
帰国後フリーアナウンサーとしてリポーターや司会の仕事を行い、2012年夫の転勤に伴いインドネシア・ジャカルタへ渡航。現在に至る。
2児の母。趣味はテニス、ヨガ。
愛犬はトイ・プードル。
このエントリーをはてなブックマークに追加

TwitterFacebook

インクルーシブ教育

社会情動的スキル

遊び

メディア

発達障害とは?

論文・レポートカテゴリ

アジアこども学

研究活動

所長ブログ

Dr.榊原洋一の部屋

小林登文庫

PAGE TOP