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研究室

保育施設内で発生した死亡事案

小保内 俊雅1)3),五島 弘樹1),遠藤 郁夫2),帆足 英一2),仁志田 博司3)
公益財団法人東京都保健医療公社多摩北部医療センター小児科1),日本保育所保健協議会2)
東京女子医科大学母子総合医療センター3)

2015年10月 9日掲載

要旨:

 近年女性の社会進出などにより,保育所の需要が急激に拡大しており,預かり児年齢も急速に低年齢化している.一方でこの時期は突然死の危険をはらんでおり,保育所内の死亡事案も少なからず認められている.しかし,保育所での死亡事案に関する正確な情報がないため,安全な保育環境の確立が困難となっている.そこで,厚生労働省が保育所に提出を求めている,保育所及び認可外保育施設事故報告書を詳細に分析し,危険因子等に関して検討した.

 保育所での死亡事案は2008年からの5年間は増加傾向にあり,生後一か月から6歳までに認められるが,睡眠中の突然死は3歳未満に限られていた.死亡例は1歳未満が最も多く,次いで1歳であった.死亡原因は原因不明が56%で最も多かった.発生は秋から冬にかけて多く,全体の38%で発症前に感染が疑われた.発見時体位では56%が腹臥位であり,特に1歳以上症例でも76.5%が腹臥位であった.これ等より,環境への適応困難や感染,さらにうつ伏せ寝などが危険因子として考えられた.これらは3歳未満まで危険因子であり得ると考えられた.

 事故報告書には記載漏れや不確かな記載も多く,危険因子の抽出や安全対策の策定には至らなかった.今後原因究明システムを確立し,安全な保育環境を整備することが急務と考えられた.


Keywords:突然死,保育所,うつぶせ寝,感染

全文を読む

保育施設内で発生した死亡事案 (pdf:573KB)


この記事は、『日本小児科学会雑誌』118巻11号 1628-1635頁「保育施設内で発生した死亡事案」を転載したものです。
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