リレートーク

第7回 同志社女子大学現代社会学部現代こども学科

                     塘 利枝子(現代こども学科教授)
                           


1. 社会学部のなかのこども学科


 本学科は、同志社女子大学現代社会学部現代こども学科として2004年に設立されました。「こどもとかかわり、こどもを理解し、新しい社会を創造していく女性に」という目的のもとで、こども学を基礎としながら社会学部のなかに設立された学科です。教育学部や保育学部のなかに設置されることはよくありますが、本学科は社会学をはじめ、教育学、心理学、保育学、文化人類学など学際的な専門分野の教員が、こども学の名のもとに教育・研究を行っています。社会学部のなかに設立されたこともあり、「こども」を通して現代の社会を考え、社会を通して「現代のこども」を考えることを基本姿勢としています。したがって小学校・幼稚園教諭免許や保育士資格を取得できますが、指導法や保育方法を学習する前に、社会のなかでのこどもの位置づけを考え、こどもの視点に立って社会のあり方を見ることをまず学びます。そして総合的にこどもとこどもをめぐる諸問題に様々な観点から取り組んでいきます。

 卒業後は、多くの学生が小学校・幼稚園教諭免許や保育士資格を取得し、小学校教諭や幼稚園教諭・保育士の職に就きます。しかし学校や幼保の現場だけではなく、こどもの遊び場作り、テーマパーク、おもちゃ、こどもメディア関係、教科書会社などの企業や、子育て支援関係の公務員など、大学で学んだこども学を活かしながら幅広いフィールドで活躍しています。



2. 本学科の「こども学」の特徴


 本学科の「こども学」の特徴を4点紹介しておきましょう。

 第1に、「人と人とが互いに心をくばるケアの関係の中でこどもを支援する」ことを設立当時から大切にしてきました。大人がこどもに対して一方的に知識を与えるのではなく、こどもが自ら学び育つことを支援するケアの関係を学科の理念としています。


 第2に、「想像的創造力」を持つ人材を育てることです。「想像的創造力」とは、与えられたものに満足せず、 失敗を恐れずに自分にとって未知の世界や領域にも想像力を働かせ、既成概念にとらわれずに新たなものや斬新な見方・考え方を創り出す、まさにこどもが本来持っている力を意味します。共感的に他者と関わって試行錯誤しながら、イメージを表現したり分かち合ったりしながら、さらに表現し直すという螺旋的な学びのサイクルの構築を目指しています。


 第3に、地域での実践を大事にしています。本学科がある京都府京田辺市と提携を結び、小学校での半年間のインターンシップ、保育所での絵本作り、こどもと保護者を対象にした遊び場作りや子育て支援など多彩な活動を行っています。また学生主体のプロジェクト「こどパ」(こどもパーティ)では、毎年多くの学生が企画運営するイベントで、地域のこどもたちを大学に招待しています。さらに小学生のキャリア教育の一環として大学訪問をする際の案内役として学生が活躍をしています。このように地域や大学内で多くのプレゼンテーションの場があることで、より豊かで自分らしい表現の仕方を磨いていきます。


 第4に、地域での実践とともに、世界のこどもに目を向ける教育を行っています。大学全体の海外プログラムだけではなく、現代こども学科独自の「海外こども事情」の授業を夏季休業中に行っています。2週間前後の期間、タイ、台湾、ニュージーランドなどで教育・保育・子育て支援の現場を見学したり、女性の社会問題について考えたりします。この授業が契機となって、海外の日本人学校で仕事をする卒業生もいます。また通常の授業の中でも、多文化・多言語環境の中で生きるこどもの発達と環境との関係について学んだり、系列校の英語の授業に入ってこども達の学習支援を行います。


 以上のように、何事にもこどもの心を持ってチャレンジする学生の姿を大切にしながら、本学の現代こども学科は「playful learning」をキーワードに、進化し続ける学科でありたいと願っています。



同志社女子大学現代社会学部現代こども学科

住所:京都府京田辺市興戸
HP: http://www.dwc.doshisha.ac.jp/faculty_dep_info/social/childhood/index.html

「子ども学リレー」に戻る

コンテンツ内メニュー

リレートーク

子ども学リレー

子ども学カフェ

震災と子ども学

入会申込み

学会誌の購入