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CRN設立20周年記念

各国の研究者からのメッセージ

CRNの活動を支えてくださっている世界中の研究者の方々に、これからの10年、20年を見通した子どもに関わる課題とCRNへの期待を寄せていただきました。


チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)が設立されて20年が経ちました。創設者である小林登先生のリードの下で、CRNは「子どもは未来である」という理念を掲げ、子ども研究の各分野で重要な役割を果たし、日本をはじめ東アジアの国々に多大な影響を与えました。

子どもは未来であり、彼らの健やかな成長が世界全体の明るい未来につながると思われます。しかし、グローバル化が急速に進む中、世界の子どもを取り巻く環境が複雑になり、これまでの時代とは異なる課題とチャンスに、我々は直面しています。多文化における保育・教育理念の問題や保育・教育資源のアンバランスの問題、よりよい保育・教育環境づくりや、少子化による保育・教育の課題、ネット時代における保育・教育の施策、プロセス、方法の変化と改革の問題など、子どもたちの成長と発達に大きく関わる問題について、我々は研究し、解決していかなければなりません。

20年前、小林登先生は既に「子どもを研究対象とする学問は学際的なものであり、インターネットは専門家たちが効果的な交流と協力を行うためのプラットフォームである」と指摘されていました。私はCRNとともに10年以上東アジア子ども学交流プログラムを推進し、多くの経験を得ました。現在、CRNは榊原洋一所長が舵取り役となって新たな道のりを歩み始めました。CRNが更なる躍進を遂げ、新たな時代に新たな成果をあげることを確信しています。

最後に改めて、CRN設立20周年を心よりお祝い申し上げます。

朱家雄

Zhu Jiaxiong
朱 家雄
中国 華東師範大学 名誉教授


子どもの健全な成長のためには、家族が子どもの発達を理解し、健康、運動、社会的なニーズ、好奇心、創造性や遊び心に注目しながら、保護者として子どもをどうサポートできるのか、理解する必要があります。

また家庭外の環境が、安全、清潔で親しみやすいことも大事です。認知機能を刺激したり、情緒面での支援を促すような環境が園や学校に整っていることが重要でしょう。ロールモデルである保護者や教員は、自分の行動や子どもとの交流を通じ、子どもたちを責任感のある、社会的に有意義な存在へと導くのです。

CRNは、保護者や教員に科学的根拠に基づいた情報などを提供しながら、子どもたちのウェル・ビーイングを高めることに尽力しています。

サラ・フリードマン

Sarah L. Friedman
サラ・フリードマン
米国 ジョージ・ワシントン大学 研究教授


CRN設立20周年を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。 現在CRNは、榊原洋一先生の下、国際的なネットワークの構築、幼児教育(ECEC)の概念の普及や研究会の立ち上げ、国内外でのシンポジウムの開催など、大きな成果をあげられております。

アジア諸国では、ケア基準が大幅に改善されたものの、依然として慢性神経疾患に苦しむ子どもが大勢います。こうした子どもたちの生活の質を改善するべく各国で協力することは、CRNにとって新たな課題の一つでしょうか。CRNのモットー「子どもは未来である」にあるように、活動が国境や宗教を超えたすべての子どもへの医療の質向上につながるよう、益々のご発展をお祈り申し上げます。

アナニット・ヴィスディバーン

Anannit Visudtibhan
アナニット・ヴィスディバーン
タイ・小児神経学会 会長


CRNでは1996年から、子どもやその家族の生活の質向上のために、子どもの発達や学びに関する知見を発信してきました。

今、多くの先進国では少子高齢化が進み、子育て文化や価値観の変化を考慮した方向性検討が必要です。幼少期から全ての子どもに「学びのための良い家庭環境」を提供することも大切です。デジタル革命が進む中で最重要となるスキルは何か、その習得のための支援や望ましい子ども像とはどのようなものか、という視点から幼児教育のカリキュラムや手法を再考し、子どもへの影響を測る必要があります。子どもの21世紀スキルを伸ばすには、現場の保育者や園長の成長も不可欠です。 今後もCRNが未発掘の問題に切り込み、国内外で対話を続けていくことを期待します。

文 茂瓊

Moon Mugyeong
文 茂瓊
韓国保育・幼児教育研究所(KICCE) 国際研究協力室長


この先5年~10年の間に起きるであろう子どもの問題としては、人間関係、特に親子関係の希薄化があげられます。スマートフォンやタブレットによる子育ての普及に伴い、中国では若い保護者たちのデジタル機器への依存が日々増しています。温かい人間関係こそが乳幼児期の発達や社会との信頼関係を築く基盤です。親子が触れ合うスキンシップなどは、乳幼児の成長を促すための重要な手段です。

このような状況下でCRNに期待することは、アジア太平洋地域の研究者や幼児教育関係者とネットワークを構築し、定期的に交流することです。そして、実践レベルでの研究を進め、現場に役立つような解決法の提案をしてほしいと思います。

周 念麗

Zhou Nianli
周 念麗
中国 華東師範大学 教授


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